こやま&もりもと完敗のしばた節炸裂ナンバー
──今回のアルバムでしばたさんが作詞作曲したのは「秋」という曲です。アルバムのリリース時期は冬ですが、なぜ今回「秋」の曲を?
しばた いろんなアーティストが春夏秋冬いろんな季節について歌ってきたじゃないですか。そういう曲をいろいろ聴いていく中で、「そういえば秋の曲って何があるんやろう?」と思ったんです。ELLEGARDENの「The Autumn Song」とか、秋の曲ってあるにはあるんですけど、だいたいの秋の曲は秋について歌ったんやなくて、秋にあった出来事について歌った曲なんですよね。なんかそれは秋がかわいそうやなと思って書いたんです。
──「秋」というタイトルの潔さもいいですよね。
しばた こやまさんは「タイトルは『しばたありぼぼの秋』にしろ」ってずっと言っていて、いまだに「しばたありぼぼの秋」ってこの曲を呼び続けてるんですよ。
こやま トラックリストの中に唐突に「しばたありぼぼの秋」ってあったらオモロいやん。「ジョンとヨーコのバラード」みたいな。
しばた どこと並べるねん。
──しばたさんの曲は歌うのが難しいと以前お話されていましたが、今回は歌ってみてどうでした?
こやま 難しい。「ベストジーニスト賞」のほうがまだ簡単。しばたの曲はやっぱりメロディが常人の考えるメロディじゃないんですよ。ハロプロを聴いて育ってきてるからか、ハロプロっぽいと思えばそうなんかなと思うんですけど……耳には残るんですけど、再現するのが本当に難しい。
しばた 2人が難しいって言うからシンプルにしたつもりやったのに。この曲で聴いてほしいのはイントロの「カンカンカンカン!」ですね。
こやま しばたが「カンカンカンカン!」って音あるやんって言ってくるんですけど、僕ももりもとも全然どの音かわからなくて。
もりもと デスメタルのブラストビートというか、ライドシンバルとスネアを一緒に叩く音やったんですけど、それをカウントに使うのは斬新すぎる。ドラマーの感覚では絶対に出てこない。レコーディングしたけどやっぱりしっくりは来てない(笑)。
しばた もりもとに「『カンカンカンカン!』で始めてほしい」ってずっと言ってるのに全然伝わらなくて。でも絶対「カンカンカンカン!」なんですよ。この曲で一番時間がかかったのは「カンカンカンカン!」のところ。
こやま めっちゃ笑ったもんな。「カンカンカンカン!」がわからんくて。
しばた もりもとがしっくり来てないのがオモロいよな。
紅白出れへんかった直後に「かわE」が出せてよかった
──「かかとローラー」「ざつにどうぶつしょうかい」と既発曲を経て、12曲目は映画「ニセコイ」の主題歌として書き下ろした「かわE」ですね。映画の撮影現場に行ってイメージをふくらませて書いた曲なんだとか。
こやま 撮影現場には3人で行ったんですよ。学生時代はそういうところにスタッフで行っていましたけど、あんなに大掛かりな現場は初めてでした。最初に書いた曲はラブコメディのエンディングとしては100点の曲やけど、ヤバTが歌うとしたら0点みたいな曲になっちゃって、納得いかへんくて作り直したのが「かわE」なんです。めちゃくちゃ悩んで「かわE越して……かわFやな」って思い付いて、そこから広げていきました。血反吐を吐きながらできたんですよ、「かわE」は。
しばた 血反吐を吐いたのにポップな曲になりましたね。
──「ハッピーウェディング前ソング」的なハッピー感はありつつ、ガヤがないというか、ストレートな曲ですよね。
こやま そうですね。AメロとかBメロもいつもならコール&レスポンスっぽくなるところがそうはならなくて、歌モノっぽいというか。
しばた サビの「やんけ」がヤバTらしさになってると思います。
──最初に「ニセコイ」のTwitterアカウントで、インストと歌詞が公開されて、その時点でヤバTだと気付いている人も何人かいましたね。
こやま あれね、みんなすごいと思いました。
──ミュージックビデオも「ニセコイ」の世界観で撮られていました。再生回数がすごいですね。
こやま 今までにない勢いで再生されてるんですよ。反響は思ってた6倍くらいですね。ヤバTを知らん人もSNSとかで「いい曲」って書いてるのを見たりもしました。たぶんYouTubeで曲を聴くようなライト層はこういう曲をきっと求めてるんでしょうね。でもライブに来る人は「KOKYAKU」を求めてるんですよ。「かわE」で知った人が「KOKYAKU」みたいな曲も「“かっこE”やんけ」って思ってくれたらいいですよね。
──そうですね。
こやま 紅白出れへんかった直後にこの曲を世に出せたのはバンドにとってよかったなと思うんですよ。さらにこれを越える曲を来年は作りたいと思いますけど、本当に自信になりました。
氣志團がくれた「ゆとりロック」という言葉
──アルバムラストを飾るのは「ゆとりロック」です。すごくキャッチーなタイトルですよね。
こやま この言葉は今年9月の「氣志團万博 2018 ~房総爆音爆勝宣言~」に出たときに、煽りVTRで「公共放送を荒らす ゆとりROCK ヤバイTシャツ屋さん」って紹介されて。「ゆとりROCK」っていい言葉やなと思ったんです。「ああ、そうだ。確かに僕らはゆとりロックやわ」って。
──氣志團にもらった言葉だったんですね。
こやま そうなんです。この曲ではゆとり世代に漂う空気感というか、ダラダラしているように見えるけど、沸々とした思いはちゃんとありますよっていうことがバシッと言えたんじゃないかなと思います。
──歌詞に「俺らがあんたらがかきまわす番や」とありますが、まさに今年はヤバTが日本のロック界をかき回しに行ったなと思いました。
こやま ありがとうございます。去年もいろいろ盛りだくさんだったけど、今年はもっと盛りだくさんだったなあ。
しばた しっかり去年を越えたよな。
こやま うん。わかりやすい数字でいえばステージのキャパも去年を越えたし、聴いてくれる人は確実に増えてる。来年はさらにそれを越えていきたい。落ち目感を感じさせない活動をしたいですね。
──年明けのツアーの追加公演では東名阪Zeppに加えて、東京・サンリオピューロランドというまさかの会場が入っています。
しばた ずっとピューロランドでライブをしたいって言ってたんですよ。でも昔は私以外サンリオに興味がなかったから、2人ともピンときてなくて。こやまさんがマイメロディにハマったんで、無事実現にこぎつけました。
こやま 今や年パス持ちですからね。僕もめちゃうれしいです。もりもとだけ年パス持ってへんから。
もりもと 僕はね、生活になじんでるサンリオが好きなんですよ。子供の頃とか給食袋にサンリオのキャラクターがいたりしたでしょ? それぐらいの自然さが好きなんです。
──でも、日程が岡崎体育さんの埼玉・さいたまスーパーアリーナ単独公演と丸かぶりなんですよね。
こやま そうなんですよ。でもそこはなんとかして行きます(笑)。
- ライブ情報
ヤバイTシャツ屋さん "Tank-top Festival in JAPAN" TOUR 2019 -
- 2019年1月27日(日) 北海道 Zepp Sapporo
- 2019年2月1日(金) 大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2019年2月2日(土) 大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2019年2月10日(日) 宮城県 チームスマイル・仙台PIT
- 2019年2月16日(土) 福岡県 Zepp Fukuoka
- 2019年2月17日(日) 愛知県 Zepp Nagoya
- 2019年2月22日(金) 東京都 Zepp Tokyo
- 2019年2月23日(土) 東京都 Zepp Tokyo
- 2019年3月9日(土) 香川県 高松festhalle
- 2019年3月10日(日) 高知県 CARAVAN SARY
- 2019年3月12日(火) 岡山県 YEBISU YA PRO
- 2019年3月13日(水) 鳥取県 米子 AZTiC laughs
- 2019年3月19日(火) 兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2019年3月21日(木・祝) 広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
- 2019年3月23日(土) 鹿児島県 CAPARVO HALL
- 2019年3月24日(日) 熊本県 熊本B.9 V1
- 2019年4月7日(日) 岩手県 Club Change WAVE
- 2019年4月8日(月) 福島県 HIPSHOT JAPAN
- 2019年4月10日(水) 栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2019年4月11日(木) 群馬県 高崎clubFLEEZ
- 2019年4月13日(土) 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2019年4月15日(月) 新潟県 NIIGATA LOTS
- 2019年4月16日(火) 石川県 金沢EIGHT HALL
- ヤバイTシャツ屋さん "Tank-top Festival in JAPAN" TOUR 2019 ~追加ワンマン公演~
-
- 2019年5月7日(火) 東京都 Zepp Tokyo
- 2019年5月9日(木) 愛知県 Zepp Nagoya
- 2019年5月14日(火) 大阪府 Zepp Osaka Bayside
- ヤバイTシャツ屋さん "Tank-top Festival in JAPAN" TOUR 2019 in サンリオピューロランド
-
- 2019年6月8日(土) 東京都 サンリオピューロランド 1F エンターテイメントホール
- 2019年6月9日(日) 東京都 サンリオピューロランド 1F エンターテイメントホール
※記事初出時、本文中の曲名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
- ヤバイTシャツ屋さん
「Tank-top Festival in JAPAN」 - 2018年12月19日発売
UNIVERSAL SIGMA / BADASS -
初回限定盤 [CD+DVD]
3866円 / UMCK-9980 -
通常盤 [CD]
2786円 / UMCK-1613
- CD収録曲
-
- Tank-top Festival 2019
- KOKYAKU満足度1位
- 小ボケにマジレスするボーイ&ガール
- 君はクプアス
- どすえ~おこしやす京都~
- 大人の事情
- リセットマラソン
- 鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック
- 秋
- かかとローラー
- ざつにどうぶつしょうかい
- かわE
- ゆとりロック
- 初回限定盤DVD収録内容
-
2018年1月9日@東京・豊洲PIT「uP!!!NEXTヤバイTシャツ屋さん~大人が色々頑張ってくれたおかげで無料で出来るライブ~」
- -おもしろ大反省会①-
- Tank-top in your heart
- Tank-top of the world
- とりあえず噛む
- -おもしろ大反省会②-
- DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ
- 寝んでもいける
- 天王寺に住んでる女の子
- 流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い
- -おもしろ大反省会③-
- 無線LANばり便利
- あつまれ!パーティーピーポー
- -おもしろ大反省会④-
- ヤバみ
- ハッピーウェディング前ソング
- -おもしろ大反省会⑤-
- ネコ飼いたい
- ヤバイTシャツ屋さん(ヤバイティーシャツヤサン)
- こやまたくや(G, Vo)、しばたありぼぼ(B, Vo)、もりもりもと(Dr, Cho)からなる男女ツインボーカルのスリーピースバンド。2013年10月に大阪芸術大学に通っていた3人により結成された。2015年に本格的に活動を開始。王道のメロコアサウンドと秀逸なリリックがロックファンのハートをつかみ、11月にフルアルバム「We love Tank-top」でユニバーサルミュージック内のレーベルUNIVERSAL SIGMAよりメジャーデビュー。2018年1月に発表した2ndフルアルバム「Galaxy of the Tank-top」はiTunes週間アルバムランキングで1位を獲得。5月には「学校法人 日本教育財団 モード学園(東京・大阪・名古屋)2018年度TVCM」のタイアップソングとして書き下ろした「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」を収録したシングル「げんきいっぱい」、9月にはシングル「とってもうれしいたけ」をリリースした。12月には、中島健人(Sexy Zone)と中条あやみのダブル主演映画「ニセコイ」の主題歌「かわE」を含む3rdフルアルバム「Tank-top Festival in JAPAN」を発売。2019年は1月より全国ツアー「ヤバイTシャツ屋さん "Tank-top Festival in JAPAN" TOUR 2019」を開催し、追加公演を東名阪のZeppと東京・サンリオピューロランドにて行う。
2018年12月20日更新