音楽ナタリー Power Push - ヤバイTシャツ屋さん
ピエール中野が聞く!“愛されバンド”ヤバTのすべて
10-FEETもやらへんやろ
──ヤバTって自分たちの立ち位置がわかってるよね。12曲目の「流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い」なんかがそれを象徴していると思うんだけど。
こやま この曲は2年以上前に作った曲なんですよ。初めてそのとき思ってることを1回歌にしてみようと思った曲です。大学のサークル内で僕ら以外にもオリジナルバンドをやってる人たちがいたんですけど、その中で人気がある人たちが声が高かったり、いい機材を使っていたりして。
しばた 技術がめっちゃあったりね。で、めっちゃカッコよかったよね。
こやま そういうの見ながらずっといいなあって思ってた。その気持ちを書いた曲です。
──そのとき人気があったバンドは今も続けてるの?
こやま 大学内で完結してましたね。続けてるのは僕らぐらいなのかも。
──そうなんだ。ヤバTの曲ってさ、本当誰かに言いたくなるような内容なんだよね。曲にしても歌詞にしても。だからネットに上げたときにみんなが拡散してくれたんじゃないかなって思うよ。それこそFUZZの店長が勝手に応募した理由だってそれの1つだろうし。
こやま とは言えまだまだ僕らのことは世間に知られてないですからね。MVもないし、ラジオで頻繁にかかるわけでもなく。テレビにも出てないし。言ったらほんまにTwitter上で名前が広まってるだけ。そんな中でピエールさんがテレビで僕らを紹介してくれたのはほんまにうれしいです。
──でもこのCDは売れるでしょ。ヤバTっていう存在がジワジワ知られてきてるんだから、音さえ聴いてもらえれば売れると思う。このアルバムって本当いろんな要素が詰め込まれてると思うんだよね。ゴリゴリの曲が入ってたり、ベースの人が作曲した曲が入ってたり。
こやま “10-FEETあるある”みたいなところありますよね(笑)。今まで見てきた好きなものが全部詰まってるっていうアルバムなんですよ。最後のほうにエモめの曲が入ってたり、ベースの人が作った曲があったり、13曲入りだったり……全部そう。
──そっか。曲数とか、そういう細かいところもリスペクトを徹底してるんだ。しかもさ、元ネタになってる人も喜んでるわけでしょ。好きでやられてるのをわかってるから。
こやま ただ1曲目のミュージカルは10-FEETもやらへんやろっていうのをどうしてもやりたかった。腹立つでしょ? バンドのCD流したらミュージカル流れてくるんですよ?
演奏がうまいと勘違いしてた
──アルバムに入ってるインディーズ時代の曲も全部レコーディングし直してるんだよね?
こやま 全部録り直しました。
──よくあるのがさ、インディーズ時代の音源とメジャーになってから出した同じ曲の音源を聴き比べたときに「あれ、こういうんじゃないんだけどな」ってなることってあるじゃん。そのへんって意識したの? ヘンに小綺麗になって失敗するみたいな。
こやま これインディーズのやつより修正してないんですよ。インディーズのやつはドラムとか1音1音調整してたんですけど、今回はあんまりしてない。
──なるほど。だからその勢いとかがそのままパッケージされてると。ちゃんとメンバーの腕が上達した状態で演奏した曲がお金をかけてレコーディングされてるわけだ。
こやま そうですね。インディーズ時代の作品はレコーディングして、上がってきたマスター音源を聴くと演奏がめっちゃうまいから、僕らは演奏がうまいんだなとずっと勘違いしてたんですよ。直してもらってたのを知らなくて(笑)。
イベントは寿司くんでやる
──ヤバTって可能性をいっぱい秘めたバンドだと思うんだけど、具体的にやりたいことってあったりするの?
こやま やりたいこと……なんか今の環境って言ったことをほとんど全部叶えてくれるんですよね。だから次は何にお金をかけようかなって考えてますね。ただ次お金をかけてもらうためにはこのCDが売れないといけないので。
──じゃあ売れたら、ライブの演出とかにお金かけられるようになるんじゃない?
こやま ステージの周りにバーン!と火を出したり? B'zみたいなライブやりたいな。
しばた やりたい!
──大きい会場を押さえて、ミュージカル調の曲でパレードみたいなのやったらいいんじゃない?
こやま パレードとかヤバ(笑)。めっちゃやりたい。
もりもと いいですねえ。
こやま そういうことやりたいですね。
──ほかにやりたいことはないの? 対バンしたい人とか。
こやま 10-FEETとはいつかツーマンをやりたいですね。こないだ大阪でスリーマンをやらせてもらって、今度のツアーでやらせてもらうのもスリーマンなので。
──そっかそっか。あとさ、自分たち主催のイベントをやったりはしないの?
こやま 自分たちでイベントをやったりするタイプのバンドじゃないかなって思っていて。それは別に寿司くんでやるし……。
──寿司くんっていうのはもう公言していいんだっけ? Twitterとかではちょいちょい出しちゃったりしてるよね?
こやま 自分からは言わないようにしてます。言われたら否定もしいひんし。気付く人だけ気付いたらそのとき面白いかなって思ってます。
ヤバTは丸い?
──そろそろ時間になるんだけど、話しておきたいことってある?
こやま ヤバイTシャツ屋さんってバンド名がけっこうトガッてるじゃないですか。でも本人ら全然トガッてないと思うんですよ。
──え、俺はトガッてると思うけど(笑)。
こやま ほんまですか? トガッてるつもりはなかった。すげえ丸いと思うんですけど……。
──だってこのアー写どう考えても丸くないでしょ。ブラクラ感ハンパないよ。あとトガッてない人「大人がつきました」って言わないからね。
こやま あはは(笑)。言われてみればそうだ。僕らはトガッてました。めちゃめちゃトガッてましたわ……。特に言いたいことはなかったです。
──とにかく名前を聞いたことあるっていうだけの人にぜひこのアルバムを聴いてもらいたいね。あと演奏技術も高いし、ライブバンドとしてもいいバンドだからライブも観てほしい。
しばた めっちゃ褒めてくれる。
こやま うれしいなあ。ほんまにもう。
──俺はちゃんとヤバTが好きだし、ずっと観てたいなって思ってるから。今回インタビューできてうれしかった。どういうスタンスでやってるのかがわからなかったから、それも聞けてよかったです。
一同 ありがとうございました!
- メジャーデビューアルバム「We love Tank-top」2016年11月2日発売 / BADASS / UNIVERSAL SIGMA
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3758円 / UMCK-9882
- 通常盤 [CD] 2678円 / UMCK-9883
- 881セット限定 ヴィレッジヴァンガード盤 [CD+DVD] 5918円 / PROS-1906
CD収録曲
- We love Tank-top
- Tank-top of the world
- あつまれ!パーティーピーポー
- 無線LANばり便利
- DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ
- 週10ですき家
- ZIKKA
- 喜志駅周辺なんもない
- ウェイウェイ大学生
- 天王寺に住んでる女の子
- L・O・V・E タオル
- 流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い
- ネコ飼いたい
初回限定盤 / ヴィレッジヴァンガード盤DVD収録内容
ヤバイTシャツ屋さん ワンマンライブ「まだ早い。」(2016年8月12日 @大阪・心斎橋BIGCAT)ライブ映像
- We love Tank-top
- Tank-top of the world
- メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
- MC(1)
- DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ
- ~フリップ説明~
- 喜志駅周辺なんもない
- ウェイウェイ大学生
- MC(2)
- スプラッピ スプラッパ
- あつまれ!パーティーピーポー
- アンコールMC
- ネコ飼いたい
ツアー情報
ヤバイTシャツ屋さん "We love Tank-top" TOUR 2016-2017
- 2016年11月15日(火)福岡県 Queblick
- 2016年11月16日(水)長崎県 Studio Do!
- 2016年11月23日(水・祝)岩手県 the five morioka
- 2016年11月24日(木)宮城県 enn 2nd
- 2016年11月26日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
- 2016年11月27日(日)富山県 Soul Power
- 2016年11月28日(月)石川県 vanvanV4
- 2016年11月30日(水)長野県 LIVE HOUSE J
- 2016年12月1日(木)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2016年12月10日(土)広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
- 2016年12月11日(日)岡山県 CRAZY MAMA 2nd Room
- 2016年12月12日(月)愛媛県 Double-u studio
- 2016年12月14日(水)京都府 KYOTO MUSE
- 2016年12月15日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2016年12月17日(土)北海道 BESSIE HALL
- 2017年1月26日(木)大阪府 Shangri-La
- 2017年1月27日(金)愛知県 APOLLO BASE
- 2017年1月31日(火)東京都 TSUTAYA O-WEST
ヤバイTシャツ屋さん(ヤバイティーシャツヤサン)
こやまたくや(G, Vo)、しばたありぼぼ(B, Vo)、もりもりもと(Dr, Cho)からなる男女ツインボーカルのスリーピースバンド。2013年10月に大阪芸術大学に通っていた3人により結成された。2015年に本格的に活動を開始し、「SUMMER SONIC 2015」の企画「出れんの!?サマソニ!?2015」では投票数が963組中2位という結果により出演権を獲得。ダイノジ大谷ノブ彦賞を受賞した。2016年は「VIVA LA ROCK 2016」を皮切りに多くのイベントに出演。王道のメロコアサウンドと秀逸なリリックがロックファンのハートをつかみ、ロックフェスやサーキットイベントでライブをした際には入場規制を連発させた。8月に大阪・BIGCATにて行った自身最大規模のワンマンライブ「まだ早い。」の会場にて、11月にユニバーサルミュージック内のレーベルユニバーサル シグマよりフルアルバム「We love Tank-top」でメジャーデビューをすることを発表した。
ピエール中野(ピエールナカノ)
凛として時雨のドラマー。2014年8月にはORIGAや20名のドラマーが参加したドラムオーケストラ「Animus」、Perfume「チョコレイト・ディスコ」のカバーなどを収録した「Chaotic Vibes Orchestra」を発表。完全即興ユニットのカオティック・スピードキングや、自身がMCクールJ名義で参加している下ネタ満載ヒップホップユニット・玉筋クールJ太郎でも活動している。近年では大森靖子、GLAY、ドレスコーズ、星野源、ももいろクローバーZといったアーティストの楽曲にドラマーとして参加したほか、全国の音楽フェスティバルやライブイベントでDJとしても活躍している。