音楽ナタリー Power Push - ヤバイTシャツ屋さん
ピエール中野が聞く!“愛されバンド”ヤバTのすべて
Twitterは侮ったらあかん
──今のヤバTのライブってお客さんを楽しませるアイデアとかも盛り込まれてるよね。それの極みがやっぱり「あつまれ!パーティーピーポー」。あの曲ってLMFAOの「Shots」の一部を使った……まあ簡単に言うとそういうネタじゃん。これ、LMFAOに正式にOKもらったんでしょ?
こやま そうですね。これもユニバーサルだからできたことなんですよ。大きな括りで言えばレーベルメイトなので(笑)。
──確かにね(笑)。あとヤバTはSNSの使い方が抜群にうまいよね。なんか自分の友達のバンドがすげえ売れていってるみたいな感覚があって、応援しがいがある。
こやま SNSは今の時代絶対上手に使ったほうがいいと思っていて。特にTwitterは侮ったらあかんなと思ってます。10代、20代の人の音楽好きの人のほとんどがTwitterを使ってると思ってるから、結成したときからTwitterはお客さんと話せる場として大事にしてます。
──感想もすぐに聞けるしね。前に俺が泥酔した状態でヤバTに「天才だよ!」って言ったじゃん。その言葉をホームページに許可なしで掲載してて、笑っちゃったね。「ヤバTだから仕方ないな」って。なんかそういう気持ちにさせるところがあるよね。
こやま うれしかったんですよね。ピエール中野さんはどういうところを好きでいてくれてるんですか?
──ヘンなギラギラ感を感じないところかな。好きだからやってるっていう感じがいいんだよね。あと絶対ヘンなことはしたくないってちゃんと一線引いてる。そういう観点で言うと、自分と近しい感覚を持ってるのかなって思ったりもするし。そういえば、前にテレビ朝日の「関ジャム」に出たときにヤバTをプレゼンしたんだけど、あれって反響あった?
こやま ありましたね。観ながら「あんなふうにちゃんと俺らを紹介できる人がいんねや!」ってびっくりしました。
──ハイスタっていうバンドがメロコア、パンクロックのシーンを作って、あの人たちがいて影響受けたいろんなバンド……それこそ10-FEETとかdustboxとかが出てきた。で、関西で言ったらlocofrankとかも。ヤバTの音楽ってパンクロックが持ってるいろんなカッコいい要素とかグッとくる要素が散りばめられてるから、当時ハイスタとかを聴いていた人が聴いたらグッとくると思うんだよね。「こういうのひさびさに聴いたけどやっぱりカッコいいな」って思ってもらえるはず。だけどその一辺倒じゃなくて、歌詞も面白く展開されてるし、リフやフックもいい。声も男女でうまく使い分けてて、デスボイスも入ってたりして面白い。だから幅広い世代にウケると思うんだよね。
こやま 本当にありがたい限りです。
来年はタオルソムリエ認定タオルが作れる
──曲作るときのネタは書き溜めたりしてるの?
こやま いや、書き溜めたりしてないですね。「作るぞ」って意気込んだときに思ったことを曲にしてます。例えば「無線LANばり便利」はスタジオにいるときに「ポケモンGO」が配信開始になってダウンロードするのに無線LANがあったほうが速いのにと思った気持ちを曲にしてます。だからほんまに思ってることしか歌ってないんで、すぐ書けんねやなって思います。
──あとこの「週10ですき家」って何? 偏食なの?
こやま いやこの曲書いたときは家の近くにすき家しかなくって。コンビニより近かったんですよ。だから気付いたら週10ですき家に通ってた。
──別に今は偏食じゃないんだ? 何が好きなの?
こやま 麺類が好きです。
──そうなんだ(笑)。その次に入ってる「ZIKKA」もうまいなあと思ったんだよ。引っ越しおばさんのメロとリズムを持ってくるバンドそういえばいなかったなって。
こやま 絶妙でしょ(笑)。リリックとリズムのハマりがよくて。
──あれをライブハウスでひと目を気にせず絶叫できるなんてそんな楽しいことないよって。これを曲に落とし込むセンスってすごいよ。しかもゴリゴリにカッコいい曲で。あと今回はしばたさんが作詞した「L・O・V・E タオル」っていう曲も入ってますね。
しばた タオルを振り回す曲が欲しくて。湘南乃風さんとか見ていてカッコいいなあと思っていたので作りました。
──湘南乃風みたくカッコよくなりたいっていう思いがあってのことなんだね。曲の中で「わたしタオルソムリエになりたい」って歌ってるけど……。
こやま 今度タオルソムリエ検定受けるんだよな。
しばた そうなんですよ。来年。
──本当にある検定なんだ。知らなかった。
しばた この1年でいっぱい勉強して検定を受けてタオルソムリエになろうと思っています。
こやま グッズでタオルソムリエ認定タオルが作れますね(笑)。
喜志駅のすき家
──あと俺、ちょいちょい出てくる性生活の話も好きなんだよね。「ウェイウェイ大学生」と「天王寺に住んでる女の子」みたいな。こういうの普通は歌わないでしょ(笑)。
もりもと そこインタビューで突っ込まれたの初めてですね。
──なんかヤな感じがないんだよね。キャッチーだからと思うんだけど。
こやま でしょ。ポップに歌えてると思います。
もりもと 大学生とは切っても切り離せない話題なんでね。それをポップに表現するっていう。
しばた この2曲が並んでるのヤバいよなあ。性生活シリーズが(笑)。
──大阪の大学生ってこんな感じなんだなってワクワクするんだよね。エロい気持ちではなくて、「え、そんなことあんの!? 天王寺に住んでる女の子は男の子泊めちゃうんだ!?」って(笑)。本当なの? これ。
こやま 泊めるよな?
もりもと 場所的にね。泊めがち。
──へえ。具体的な地名が出てきたりするといろいろ想像が膨らむよね。あと喜志駅なんてこれからヤバTの聖地みたいな扱いされていくんじゃない?
もりもと すでにファンの子が行ったりしてるみたいんですよね。で、本当になんもないからサンプラの写真だけ記念に撮って帰るみたいな。
──せっかくだから喜志駅オススメポイントとかないの?
しばた ないです。
こやま 本当になんにもないですよ。治安が悪いとかそういうわけでもなく、ただただなんもない。
──ヤバTのファン的には喜志駅にわざわざ足を運んで本当に何もないことを確かめてくることがイベントになるわけでしょ。
もりもと 今後はすき家に行く人が増えるかもなあ。
しばた すき家も喜志駅にあるんで。
──あー、あり得るね。1週間で11杯食ってこやま超えみたいなさ。そういう遊びもできるよね。
こやま あり得ますねえ(笑)。
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- メジャーデビューアルバム「We love Tank-top」2016年11月2日発売 / BADASS / UNIVERSAL SIGMA
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3758円 / UMCK-9882
- 通常盤 [CD] 2678円 / UMCK-9883
- 881セット限定 ヴィレッジヴァンガード盤 [CD+DVD] 5918円 / PROS-1906
CD収録曲
- We love Tank-top
- Tank-top of the world
- あつまれ!パーティーピーポー
- 無線LANばり便利
- DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ
- 週10ですき家
- ZIKKA
- 喜志駅周辺なんもない
- ウェイウェイ大学生
- 天王寺に住んでる女の子
- L・O・V・E タオル
- 流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い
- ネコ飼いたい
初回限定盤 / ヴィレッジヴァンガード盤DVD収録内容
ヤバイTシャツ屋さん ワンマンライブ「まだ早い。」(2016年8月12日 @大阪・心斎橋BIGCAT)ライブ映像
- We love Tank-top
- Tank-top of the world
- メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
- MC(1)
- DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ
- ~フリップ説明~
- 喜志駅周辺なんもない
- ウェイウェイ大学生
- MC(2)
- スプラッピ スプラッパ
- あつまれ!パーティーピーポー
- アンコールMC
- ネコ飼いたい
ツアー情報
ヤバイTシャツ屋さん "We love Tank-top" TOUR 2016-2017
- 2016年11月15日(火)福岡県 Queblick
- 2016年11月16日(水)長崎県 Studio Do!
- 2016年11月23日(水・祝)岩手県 the five morioka
- 2016年11月24日(木)宮城県 enn 2nd
- 2016年11月26日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
- 2016年11月27日(日)富山県 Soul Power
- 2016年11月28日(月)石川県 vanvanV4
- 2016年11月30日(水)長野県 LIVE HOUSE J
- 2016年12月1日(木)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2016年12月10日(土)広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
- 2016年12月11日(日)岡山県 CRAZY MAMA 2nd Room
- 2016年12月12日(月)愛媛県 Double-u studio
- 2016年12月14日(水)京都府 KYOTO MUSE
- 2016年12月15日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2016年12月17日(土)北海道 BESSIE HALL
- 2017年1月26日(木)大阪府 Shangri-La
- 2017年1月27日(金)愛知県 APOLLO BASE
- 2017年1月31日(火)東京都 TSUTAYA O-WEST
ヤバイTシャツ屋さん(ヤバイティーシャツヤサン)
こやまたくや(G, Vo)、しばたありぼぼ(B, Vo)、もりもりもと(Dr, Cho)からなる男女ツインボーカルのスリーピースバンド。2013年10月に大阪芸術大学に通っていた3人により結成された。2015年に本格的に活動を開始し、「SUMMER SONIC 2015」の企画「出れんの!?サマソニ!?2015」では投票数が963組中2位という結果により出演権を獲得。ダイノジ大谷ノブ彦賞を受賞した。2016年は「VIVA LA ROCK 2016」を皮切りに多くのイベントに出演。王道のメロコアサウンドと秀逸なリリックがロックファンのハートをつかみ、ロックフェスやサーキットイベントでライブをした際には入場規制を連発させた。8月に大阪・BIGCATにて行った自身最大規模のワンマンライブ「まだ早い。」の会場にて、11月にユニバーサルミュージック内のレーベルユニバーサル シグマよりフルアルバム「We love Tank-top」でメジャーデビューをすることを発表した。
ピエール中野(ピエールナカノ)
凛として時雨のドラマー。2014年8月にはORIGAや20名のドラマーが参加したドラムオーケストラ「Animus」、Perfume「チョコレイト・ディスコ」のカバーなどを収録した「Chaotic Vibes Orchestra」を発表。完全即興ユニットのカオティック・スピードキングや、自身がMCクールJ名義で参加している下ネタ満載ヒップホップユニット・玉筋クールJ太郎でも活動している。近年では大森靖子、GLAY、ドレスコーズ、星野源、ももいろクローバーZといったアーティストの楽曲にドラマーとして参加したほか、全国の音楽フェスティバルやライブイベントでDJとしても活躍している。