ベースが歌と同じくらい目立つ瞬間があってもいい
──「XXXXX」はエッジの効いたギターが軸になっていますね。
須藤 ハードロックみたいな感じでやってみたくて。最近で言うとエド・シーランの「BLOW」(Ed Sheeran with Chris Stapleton & Bruno Mars)みたいに、ギターがガーン!と鳴ってる曲を自分たちがやったらどうなるのかなと。あとは単純に、カッコいいギターのリフを弾ける曲があってもいいなと。
──「XXXXX」に限らず、アルバム全体を通して斎藤さんのギター、須藤さんのベースも目立ってますよね。
斎藤 ギターソロはめちゃくちゃ多いですね。ベースソロ、ベースのインストもあるし。ギターとベースと歌はそれぞれがずっとやってきてることだし、そこを軸にしているところはありますね。個人的には、ギターボーカリストをさらに極めるというか、いろんなことをやりたいという気持ちもあって。
──プレイヤーとしても聴かせどころがたくさんある、と。
須藤 これみよがしに弾いてるソロもありますからね(笑)。ただのバッキングベースだけだと面白くないから、歌と同じくらい目立つ瞬間があってもいいのかなと。ほかの現場でこんなにベースを弾くことはないですからね。「思い切りいったれ!」っていう感じも楽しいです。
斎藤 レコーディングもめちゃくちゃ楽しいんですよ。須藤くんが弾いてるときは、エンジニアさんと「うまいっすね」って言ってます(笑)。
歌詞は「歌とセットでどうなるか」が大事
──歌詞についてはどうですか? 斎藤さんが書く歌詞もXIIXのポイントだと思うのですが。
斎藤 どうしても言いたいことを歌詞に入れるということは正直なくて。ただ結論までたどり着かなくてもいいから、聴いてくれる人にとって、毒または薬になるようなものを書こうとは思ってますね。あとはなんでもいいと言いつつ、たまに本音がポロッと出てることもあったり。作詞は今まで知らなかった世界だから楽しいですね。以前の歌詞を読み直して、「なんでこんなこと書いたんだっけ?」ということもあるし。
須藤 見失ってるんだ?(笑)
斎藤 (笑)。経験がない分、これから続けていく中で、もしかしたら書き方も変わるかもしれないなって。基本的には歌とセットでどうなるかが大事だから、それが軸になると思いますが。
──2人で歌詞について話すことは?
須藤 ほぼないですね。デモの段階でいいなと思っていたメロディと言葉のハマりがレコーディングのときに変わってたりすると、「最初のやつもよかったよね」という話をしますけど、歌詞の中身についてはまったく話さないです。あくまでもサウンドとの相性、耳なじみですね、気にするのは。
斎藤 そこも助かってます。「この歌詞はどういう意味?」って聞かれると恥ずかしいので。いろんな形があっていいと思うんだけど、書き手の思いと受け取り側の思いが100%一緒だと疲れる気がするんですよ。あと、いい意味で適当というか、力を抜いて作ったほうがいいものができるというのも、自分なりにたどり着いたところなんです。煮詰めすぎると味が濃すぎてしょうがないので。
──ソロではなくて、パートナーがいることもよかったのでは?
斎藤 もちろん。制作していて「ここはいいね」と言われるとすごく響くというか、その言葉がこびり付くんですよ。「ここはいいって言われたから、確定」と思えるし。
須藤 褒め合ってますからね、基本的に。「いい気分でやろう」と話してはないけど、いがみ合ってもしょうがないので。ワクワクが原動力なんですよね、やっぱり。
アルバムは白帯、茶帯、黒帯
──アルバムタイトルの「White White」の由来も聞かせてもらえますか?
斎藤 適当と言えば適当なんだけど(笑)。須藤くんと僕が新しいことを始めたと聞いて、リスナーが何を思い浮かべるかはそれぞれ違うと思うんです。自分たちが思い描いている白と、周りが思う白が違うだろうし、そこははっきり提示したいなと。2人いるから“White”を2つ並べました。あと、アルバムを全部で3枚はバーッと出そうと思っていて。
──え、そうなんですか?
斎藤 はい。まだ1stアルバムが出てないのに新曲も相当できていて。アルバムを3枚出してからがバンドとして本番という気持ちが僕の中にあるんですよ。3枚出せばいろいろと整ってくるだろうし、「それが“白帯”“茶帯”“黒帯”だったら面白くない?」というのもちょっとあります(笑)。
須藤 はははは(笑)。
──先のビジョンも明確なんですね。
斎藤 自分たちが目指しているところは大きいし、その分時間がかかるだろうなという自覚があって。今回のタイミングじゃなくても、いつか知ってもらったときにさかのぼってアルバムを聴いて「いいことをやってたんだな」と思われるものを作りたかったし、それができたと思ってます。
須藤 新しい可能性を試したいですね。やりたいこともどんどん出てきてるし、次のアルバムに向けて早く制作に入りたくて。もっと音楽を作りたい、純粋にそこですね。
──ライブのやり方についてはこれから考えるところですか?
須藤 そうですね。音源にはいっぱいギターが入ってるから「どれを弾く?」というところから。
斎藤 現時点ではプランはゼロですけどね(笑)。「まあ、できるっしょ」って。
須藤 音源をがっつり再現するというより、ライブならではというか、その場にいる人しか体験できないものを見せられたらそれが一番いいと思っていて。
斎藤 そこを含めてバンドという形にしましたからね。最初のライブまでに「ライブがいいね」と思ってもらえるところまで持っていきたいです。
ライブ情報
- White White
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- 2020年1月27日(月)東京都 マイナビBLITZ赤坂
- 2020年1月30日(木)大阪府 BIGCAT
- XIIX LIVE 2020
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- 2020年6月10日(水)大阪府 なんばHatch
- 2020年6月11日(木)愛知県 DIAMOND HALL
- 2020年6月19日(金)東京都 新木場STUDIO COAST