改めて“歌”を聴かせたい
──ベストアルバム「The Best & More 2001~2022」にも収録されている、mabanuaさん、関口シンゴさん、Shingo Suzukiさん、Michael Kanekoさん、Hiro-a-keyさん、Kan Sanoさんをフィーチャーした過去曲のリアレンジバージョンについてお聞かせください。過去の楽曲はこれまでも数多くアレンジされてきましたが、今回はどのような手応えを感じましたか?
川畑 origami PRODUCTIONSという音楽チームの皆さんにそれぞれ楽曲をリメイクしてもらったんですが、もう新曲のようなものですね。僕らも歌を録り直したんですけど、当時の歌い方とはまた違いますし、20年経った今でもこうして自分たちの楽曲がアップデートされるというのは本当にうれしいです。ライブでもこのリメイクのアレンジでさっそくパフォーマンスしましたし、「よりこの楽曲を聴いてほしい」という新たなモチベーションが生まれました。
堂珍 皆さんそれぞれのリメイクアレンジに個性が出ていて、デモ音源が届くたびにワクワクしていました。やっぱりアレンジが違うと歌い方も変わるので、ベスト盤に収録されているリメイクバージョンとオリジナルを聴き比べてみても面白いんじゃないかと思います。微妙に歌い方とかも違うし、改めて発見することが多いですね。
──昨年から行われてきたライブプロジェクト「CHEMISTRY 20th anniversary Tour」は、「第一章『The Way We Are 2021』」「第二章『CHEMI×CHEMI 2021』」「第三章『This is CHEMISTRY』」と、それぞれコンセプトを変えて開催されましたが、制作の際にどのような話し合いをされましたか? また、それらは狙い通り実現できましたか?
川畑 「20周年イヤーは3つの章に分けてツアーをしよう」というアイデアはもともとあって。コロナの影響でライブの数などが変わったところはありますが、今回のツアーでは原点に返って“歌”を聴かせたいという思いがありました。第1章ではピアノ2人とメトロノームという編成で、より“歌”にスポットを当てたアレンジや演出でしたし、第2章ではみんなが声を出せないという状況だったので事前に「PIECES OF A DREAM」のサビのフレーズの歌声を送ってもらって、それを流しながら一緒に歌ってみたり。第3章は完全にバンドの生演奏と歌だけで、その場でセッションをして声を出しているような、その場のグルーヴで生まれる“歌”を大事にして届けました。
堂珍 “歌”にスポットを当てたアレンジをすることで曲のよさを再認識することができたし、この編成だからこそできたこともあって。「こんなにも気付くことが多いんだな」と思いました。そういったグルーヴもきっとお客さんに伝わったと思うし、チャレンジした甲斐があったと思います。
堂珍嘉邦は青、川畑要は赤
──いよいよ「最終章『PIECES OF A DREAM』」が東京・日本武道館で開催されます。日本武道館にはどういった思い入れがありますか?
川畑 武道館公演は13年ぶりなんですが、やっぱり気合いが入りますね。20年という節目に武道館というところでライブができることが非常にうれしいですし、やるからにはきちんとここで20周年の集大成を観せたいと思っています。
堂珍 武道館は大きい会場ですが非常に観やすいし、僕らもお客さんの顔がよく見える。ライブがなかなかできない今だからこそ、きちんとお客さんの顔を見て1曲1曲大切に歌おうと思っています。
──「最終章『PIECES OF A DREAM』」のコンセプトや見どころ、注目してほしいポイントを教えてください。
川畑 20周年イヤーで行ってきたツアー第1章から第3章までを総括したライブでもあり、CHEMISTRYの20年という歴史を凝縮したライブになると思います。ただ歌うだけでなく、20年経った今でも挑戦するようなシーンもあると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。
堂珍 自分はとにかくこの武道館公演を楽しみたいと思っています。僕らが楽しめるようなセットリストやアレンジ、そしてここでしか観ることができない挑戦もありますので、お客さんも一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。
──現地での観覧やWOWOWでの生中継を楽しみにされている方に、意気込みやメッセージをお願いいたします。
川畑 20周年の集大成のライブはこの2月23日の武道館公演という、本当に一夜限りのプレミアムライブとなります。昔から応援してくれているお客さんはもちろん、最近CHEMISTRYを知ったという方も楽しめる内容になっていますので、皆さんお待ちしています!
堂珍 この武道館公演はCHEMISTRYの歴史にとっても大事な節目となるライブになると思います。その大切な公演をぜひ一緒に共有できたらうれしいです。
──最後の質問です。活動開始から20年経った今、改めてCHEMISTRYを紹介する際、それぞれ相手をどんなシンガーだと伝えたいですか?
川畑 ストンと抜ける高い声だったり、やっぱり堂珍嘉邦にしかない声を持っているシンガーです。
堂珍 エモーショナルに歌い上げるパワーがあるシンガー。色で言ったら、自分は青で川畑要は赤。情熱的な感じ。結局はお互いが持っていない部分があるからこそ、2人で歌うことで“CHEMISTRY”が起きるんでしょうね。
公演情報
CHEMISTRY 20th anniversary LIVE 最終章「PIECES OF A DREAM」
- 2022年2月23日(水・祝)東京都 日本武道館
プロフィール
CHEMISTRY(ケミストリー)
川畑要、堂珍嘉邦によるボーカルデュオ。テレビ東京系「ASAYAN超男子。オーディション」で、約2万人の候補者の中から選ばれ、シングル「PIECES OF A DREAM」で2001年3月にデビューを果たした。1stシングルがオリコンチャートで16週連続トップ10入りというロングセラーを記録し、ミリオンヒットを達成する。同年11月に発売された1stアルバム「The Way We Are」はトリプルミリオンを記録。さらに同年12月には「NHK紅白歌合戦」に初出場した。2012年4月よりメンバーそれぞれがソロ活動に専念し、2017年2月から3月にかけて行われたワンマンライブ「CHEMISTRY LIVE 2017 –TWO-」でデュオとしての活動を再開。2022年2月に、デビュー20周年を記念したベスト盤「The Best & More 2001~2022」をリリースした。
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