生まれついてのスペシャルな子
──トミコさんはアメリカで日本のカルチャーに憧れて、「ミスiD」を受けに来日したんですか?
トミコ 人生の中でいろいろと違うことをやってみたいんです。お芝居も好きだし、お絵描きも好きだし、いろんなことが好きで。必ずしもアイドルになりたかったわけではないんですが、2年前にアイドルになりたいという気持ちが芽生えました。
小林 きっかけになった人はいるんだっけ?
紗英 きゃりーぱみゅぱみゅさんだよね?
小林 それはYouTubeで映像を観て?
トミコ はい。いろいろな日本のアーティストのMVを観てました。
小林 オタクみたいな感じはないけど、歌うことが好きなんだよね。
──昨年「ミスiD」を受けたときの感想はいかがでしたか?
トミコ すごく緊張しました。人前でプレゼンすることは苦手で、さらにそのときひどい風邪を引いていて。でも、すごく楽しめました。
──小林さんはトミコさんがプレゼンしてるのを見て、どう感じました?
小林 今もだけどトミコはずっと笑っていて。最終面接ではミュージカルを踊ったんだよね?
トミコ シュレックのミュージカルをやりました。
小林 それを踊ってくれて。大森さんが「私はこの安直な表現をはじめて使います『天使が舞い降りました』」とコメントしていたように、森にいる妖精のように見えて衝撃的だったんです。大森さんの「彼女の笑顔は空気清浄機五億個分に匹敵します」という言葉が嘘じゃないくらいでした。緊張して風邪を引いていたのも、こっちは一切わからなかったです。
トミコ 本当ですか!?
小林 高野はプロフェッショナル的にそういうことをできるけど、トミコはネイティブにできるんですよね。なぜそういう子が生まれたのか、理解も分析もできないんです。本当に生まれついてのスペシャルな子だと思います。つらいこともあるだろうに、こんなに笑っていられるのはすごいですよ。
──日本で暮らしていて、つらいと思うことはないんですか?
トミコ うーん、日本はアメリカより安全だなと感じました(笑)。友達がいないのは寂しいし、食べ物や文化、人種の違いに戸惑うこともありますけど、日本もアメリカもどっちも好きです。
思考が完全にオタク
──さぃもんさんは中国から来たんですよね。日本に来たきっかけを簡単に教えてもらえますか?
さぃもん 小さい頃から日本の文化が好きでずっとアイドルになりたかったんですけど、中国ではそういう機会がなくて諦めていたんです。でも、日本に留学するチャンスがあって。
──「ミスiD 2016」を受けたときの心境はいかがでしたか?
さぃもん そのときはまだ日本に来てから半年しか経ってなくて、何もわからない状態で受けて。「CHEERZ」というアプリでは片言の日本語で、毎日作文みたいなめっちゃ長文のコメントを投稿してました。日本語を勉強する目的もあって、がんばってましたね。
小林 「CHEERZ」に載せてた自撮り写真がすごく上手だったんですよね。日本に来る前からうまかったの?
さぃもん アイドルが好きだから、アイドルの自撮り写真ばっかり見てたんです。
小林 研究の成果だよね。でも、写真と違って文章はそんな簡単にいかないし、勉強しながらやってたんだ。
さぃもん 書いたのを1回読んで、文法が間違っているところを辞書とか本を読んで勉強してました。
小林 そんな大変なことをしてたんだ。でも、あんまりそういうことをアピールしないよね。
さぃもん そうですね。私はそういうところは隠したほうがカッコいいと思っていて。
小林 いい意味でカッコつけるから、努力してるところが見えてこないんだよね。岩井俊二さんの映画を観ていて、アイドルや2次元以外の日本のカルチャーにもすごく詳しくて。中国にいながら日本の映画を観て、アイドルの自撮りも研究して、オタクとして研究することが苦じゃない人だからアイドルに向いているのかも。なっちゃったと言うよりは、いろいろ研究してなったから、愛も知識もあって。トミコの行動力もすごいけど、また彼女とはアプローチが違ってすごく面白いですね。
──小林さんは「ミスiD」のときに、「誰と比べても負けないくらいの透明感を放っていました」とコメントしていますね。
小林 彼女はよくアイドル現場にいて。メガネかけて地味な格好してて、完全な女オタだったんです。でも透明感があってお客さんの中にいても目立っていたから、「ミスiD」にエントリーしてくれたときはアイドル側に来てくれたんだなと思いました。まあまあ有名な大森靖子オタクで、中国で大森靖子さんが好きというのも面白いですよね。湖南省出身だっけ? けっこう田舎な街なの?
さぃもん いや、日本で言ったら名古屋くらいですね。
小林 ってことはそこそこ日本のカルチャーは入ってきたんだ?
さぃもん そうですけど、日本のサブカルを好きな人は少ないです。自分で言うのもアレですけど、私は時代の先を走ってたと思います(笑)。でも、正直自分がステージに立つ側になれるとは考えてなかったです。今でも自分には不可能なことだと思いながらやっています。
小林 好きだからこそっていうね。思考が完全にオタクだよね。
さぃもん 今は表舞台に立っているので、完全なオタク思考じゃいけないなと自分でも思っていて。葛藤しながら前に進んでます。
将来性があり過ぎてわからない
──では、グループ最年少の白鳥さんについて。
小林 今12歳で、「ミスiD」を受けたときは11歳?
白鳥 小学6年生の11歳でした。
紗英 受けた子の中で最年少だったよね。
小林 「ミスiD」の対象年齢的にギリギリセーフだったんですよね、確か。本人は何もわからずに受けてたのかな?
白鳥 事務所の先輩の(黒宮)れいちゃんが出てたことを聞いて、なんとなくは「ミスiD」のことは知ってたんですけど、詳しいことはわかってませんでした。
小林 「ミスiD」がただかわいいだけのコンテストじゃないことを、とても理解してくださってる事務所なんです。彼女は「ミスiD」でずっと鳥の話をしてて、白鳥という芸名もそこから来てるんだよね?
白鳥 白いお洋服や白い小物が好きで、鳥も大好きなので白鳥になりました。来夢には夢が来るという意味が込められています。でも、来夢が考えたわけじゃなくて。ママとパパが考えた中から来夢が選びました。
小林 吾妻ひでおさんが「すでにプロだが、2~3年後、もっといい感じになりそう」とコメントしていて。11歳ってまだピークじゃないし、これからどんどん変わるっていくし、将来性があり過ぎてわからないと言うか。さぃもんや高野にはそれまでのストーリーがあるけど、白鳥には将来性しかなくて。いつ芸能界に入ったんだっけ?
白鳥 小学5年生の12月5日!
小林 そんな細かく覚えてるんだ(笑)。ってことは「ミスiD」を受けたのはそれから半年後ぐらいで、いい意味でストーリーが何もなくて、本来は「ミスiD」的には評価しにくいタイプなんですよ。マイナスのストーリーも拾っていくのが「ミスiD」だから、そういうのがない子は下手したら書類で落ちちゃうこともあるんですけど、なんか面白いし3年後に絶対化けるなということでファイナリストに残ったんだと思います。あのときはモデルになりたいと言ってたんだっけ?
白鳥 はい。でも、保育園のときに友達と将来の夢はアイドルになることだって話していたとママに聞きました。来夢は全然覚えてなかったけど。
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間違いなくアイドルに向いてない
- 収録曲
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- 始まりのカレッジ
- lovely shooting star
- 始まりのカレッジ(TV Version)
- 始まりのカレッジ(-Instrumental-)
- lovely shooting star(-Instrumental-)
- Wi-Fi-5「始まりのカレッジ」
- 2017年11月8日発売 / アルテメイト
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[CD]
1300円 / XQMQ-1011
- Wi-Fi-5「始まりのカレッジ」リリース記念イベント
- 2017年11月12日(日) 東京都 タワーレコード渋谷店 4Fイベントスペース
START 18:00 - 2017年11月19日(日) 神奈川県 イオンスタイル湘南茅ヶ崎 2Fアトリウム
[第1部]START 12:00
[第2部]START 14:00
- Wi-Fi-5(ワイファイファイブ)
- 2017年10月に活動をスタートさせた、講談社主催のオーディション「ミスiD 2016」と「ミスiD 2017」のファイナリストからなるアイドルグループ。さぃもん、紗英、白鳥来夢、高野渚、トミコ クレアのメンバー5人で構成され、2017年11月8日にテレビアニメ「妖怪アパートの幽雅な日常」第2期のオープニングテーマであるデビューシングル「始まりのカレッジ」をリリースする。
2017年11月8日更新