WHITE SCORPIONインタビュー|初のフィジカル作品で新たなフェーズへ (2/2)

ライブを重ねることで感じる精神面の変化

──9月8日には「WHITE SCORPION 1st ONEMAN LIVE ~初撃。~」が時事通信ホールで開催されます。この記事が公開される頃にはすでにライブは終わっていると思いますが、WHITE SCORPIONはデビュー以来、アイドルフェスや対バンイベントでパフォーマンスの場数を踏んでいますし、その成長を感じられるステージになりそうですね(参照:WHITE SCORPIONが初のワンマンライブ開催、息の合ったパフォーマンスで観客に“初撃”与える)。

ACE はい。やっぱりリリースイベントをたくさんやらせていただいていることが大きくて。回を重ねるごとに観に来てくださるお客さんの数が増え続けていますし、その点で手応えは感じています。

HANNA 今はパフォーマンスすること自体がすごく楽しいです。デビューしたばかりの頃は緊張のほうが大きかったけど、最近のリリイベでは自分でも生き生きしているなと感じることが多くて。ライブが終わったあとも「またやりたい!」という気持ちになりますし、そういった精神面の変化が一番大きいんじゃないかなと思います。

左からALLY、ACE、HANNA、CHOCO。

左からALLY、ACE、HANNA、CHOCO。

CHOCO 私たちはメンバー全員が同期だし、同じ事務所に先輩グループがいるわけでもないし、正直に言うと、何を目指せばいいのかもわからないところからスタートしたんですよ。「右も左もわからない」という言葉がありますけど、まさにそれがデビュー当時の私たちを表すフレーズで(笑)。そんな中で昨年12月に「IDOL WAVE in TOKYO」というアイドルフェスに出させていただいたんですけど、そこでショックを受けたんです。周りは有名なアイドルさんたちばかりだし、パフォーマンス力はもちろん、盛り上げ方とか煽り方に圧倒されちゃって。当時の私たちは目の前のことやパフォーマンスをやり切ることに精一杯で、ファンの方を楽しませるという部分にまで意識がいっていなかったんです。

ALLY 確かにね。ライブ本番もリハーサルの延長みたいなところがあったかも。

CHOCO そのときに気付いたのは「WHITE SCORPIONってコールが全然ないな」ということ。そうしたら、2ndシングル「コヨーテが鳴いている」のリリースタイミングでファンの方がコールを作ってくださったんですよ。「超絶かわいい!」みたいな感じで(笑)。実はこの出来事が大きかった気がします。今では「コヨーテ」のときにALLY姉さんが勢いよく煽ったり、アイドルがファンの方を沸かせるときのスキルが身に付いてきたと感じます。

ACE 振付に関しても、最初の頃は教わったことをやるだけしか頭にありませんでした。でも最近は「この曲では横一列になってみようか」とか、自分たちで工夫して盛り上げることができるようになりました。

HANNA 些細なことからもしれないけど、デビュー当時に比べると振り入れも早くなった(笑)。それもちょっと成長を感じるところです。

ALLY デビュー曲「眼差しSniper」の頃のレッスン映像なんて、下手くそすぎて自分でも観ていられないです(笑)。いまだにNAVIからはめちゃくちゃ笑われますし、「よく人前でこれを見せていたな」って感じます。でも、それって成長していることの証だと思います。

HANNA

HANNA

ALLY

ALLY

今の時代だからこそ可能なバーチャルでの活動

──WHITE SCORPIONは結成当時から「暗号資産での調達資金により運営を行う」「メタバースなどWeb3.0の技術が活動に生かされる」など、既存のアイドルにないアプローチを標榜していました。今年6月にはメタバースアプリ「バーチャル東京タワー」でメタバースライブを行ったとのことですが、これはどういった内容だったんでしょうか?

CHOCO ものすごく簡単に言うと、離れている場所でも私たちを近くに感じられるようにする試みで。WHITE SCORPIONはこれまでかなりの数のリリイベをやらせていただきましたが、やっぱり「会場に行きたくても行けない」という方もたくさんいらっしゃるんですね。バーチャル東京タワーでのメタバースライブは、「リリイベ自体を生配信する」というテーマが前提にありまして。物理的な場所の問題に関係なく、画面上でWHITE SCORPIONのパフォーマンスを楽しむことができるんです。ただ、これもまだ試験段階で、今後はアバターを使ってファンの方同士の交流を深めたり、現場に来なくても世界中どこからでも“オタ活”できるような環境を整えていく予定です。

──ただライブの様子を生配信するのではなく、アイドルシーンにおいて前代未聞の取り込みにチャレンジしているみたいですね。

ACE 「ZEPETO」というアバターを作るアプリを使った配信もスタートさせています。これは私たちのバーチャルキャラクターが、実物の私たちと同じような動きで配信に登場するんです。

CHOCO わかりやすく言うと、WHITE SCORPION版のVtuberですね。

ACE

ACE

CHOCO

CHOCO

HANNA ZEPETOとコラボしてから、WHITE SCORPIONを応援してくださる年齢層がすごく幅広くなった印象があります。リリイベに来てくださるお客さんも若い方が増えて、私たちと同年代くらいの方も目立つようになりましたし。注目していただく機会が増えたということだと思います。

──アイドルファン以外にもアピールできるチャンスがバーチャル上には多くあると。

ALLY ZEPETO自体が世界的なアプリなので、WHITE SCORPIONの存在もグローバルに届いているなという手応えがあるんですよ。本当に今の時代だからこそ可能な方法なんじゃないかと思っています。

ラスボス感のある存在になりたい

──待望の1stミニアルバムのリリースや1stワンマンライブの開催に加え、バーチャルの世界でも可能性を発揮し始めたWHITE SCORPION。まさに新しいフェーズに突入するタイミングだと思いますが、最後に今後の活動に対する意気込みを聞かせてください。

ACE 私たち、もう新人と言えない立場だと思うんです。ここからはフレッシュさや初々しさに頼るのではなく、洗練された精度の高いパフォーマンスで勝負していきたいです。

HANNA 徐々にではありますが、大きなステージに立たせていただくことも増えました。とにかくレベルアップし続けることが大事だと思うので、1人でも多くのファンの方にライブに来ていただけるように、目標に一歩一歩近付いていけるようにがんばります。

ALLY 私も考え方としてはHANNAと同じで。1stワンマンライブの会場である時事通信ホールは、キャパが300人くらいなんですね。ファンの方の中には「小さすぎる」と言ってくれる方もけっこういらっしゃるんですけど、ここからどんどん会場を大きくしていくことが大事で。結成1周年、2周年、3周年を迎えたとき、今よりも何倍も多くのお客さんに観に来てもらえるようなグループを目指します!

CHOCO 「Caution」は私たちにとって初めてのCDなので、セールス枚数という具体的な数字も問われることになると思うんです。「おっ、WHITE SCORPIONってすごいね」と世間の人たちからも思ってもらえるような結果を出したいです。おかげさまで最近は対バンライブでも徐々にトリを任せていただける機会が増えてきたんですね。「WHITE SCORPIONがいるからこのイベントに行ってみようかな」「推しのいるイベントにWHITE SCORPIONも出ているみたいだから、最後まで観ていこうかな」と思われるような、そういうラスボス感のある存在になりたい(笑)。パフォーマンスも存在感も何もかも「レベチだな」って感じられる存在になれるようにがんばります!

左からALLY、ACE、HANNA、CHOCO。

左からALLY、ACE、HANNA、CHOCO。

プロフィール

WHITE SCORPION(ホワイトスコーピオン)

秋元康が総合プロデュースを務めるアイドルプロジェクト「IDOL3.0 PROJECT」から誕生したグループ。2023年4月より約半年間にわたってオーディションが行われ、投票企画の結果、11人がデビューメンバーに選ばれた。プロジェクトを手がけるのは、エンタテインメントコンテンツの企画、制作および開発を担うオーバース。メンバーはコンサートや握手会などのリアルな場と、メタバース空間やそのほかオンライン上などのバーチャルな場の両軸で活動を展開する予定。オーバースが発行する暗号資産「Nippon Idol Token(NIDT)」による資金調達でプロジェクトが進行し、NIDTの保有者にはさまざまな特典が付与される。2023年12月にキングレコードよりデビュー曲「眼差しSniper」を配信リリース。これを皮切りに2024年4月まで毎月配信シングルを発表した。9月には初のパッケージ作品となるミニアルバム「Caution」をリリースし、東京・時事通信ホールで初のワンマンライブ「WHITE SCORPION 1st ONEMAN LIVE ~初撃。~」を行った。