ここまでの5カ月は「大変だけど、楽しい」
──デビュー曲から5カ月連続リリースという異例のスタートを切ったWHITE SCORPIONですが、ここまで一気に突っ走ってきていかがですか?
ACE まずデビューしたばかりの立場でありながら、毎月、曲をいただけているということ自体がありがたいですよね。本当に恵まれた環境だなと感謝しています。レコーディングに関わるスタッフさんやプロモーションに力を注いでくれるスタッフさんも大勢いるわけですし。私たちも毎月いいものを作り出していかなくちゃいけないという気持ちは当然ありますので、ダンスのレッスンやレコーディングを全力でがんばっています。「大変だけど、楽しい」というのが5作連続リリースを振り返ってみての素直な気持ちです。
COCO 確実に言えるのは、1作目の「眼差しSniper」より振り覚えが全員早くなっていることですね。レコーディングもスムーズに進むようになりました。
ACO 確かにね。思えば「眼差しSniper」は振り入れに3日くらいかかりました。でも「Satisfaction graffiti」は5時間でフィニッシュ。それぞれ基礎ができてきたんだと思います。
──3rdデジタルシングル「非常手段」はYouTubeでのミュージックビデオの再生数が約480万回を記録しています。スーパーやコンビニで買い物をしていると、有線でよく流れていますね。
COCO 私、地元が北海道なんですけど、北海道の田舎にあるスーパーでもけっこう流れているらしいんですよ。お母さんがLINEで「あなたたちの曲かかってるよ!」と教えてくれて、感動しました。そういう話を身近なところから聞くと、少しずつ世の中に浸透しているのかなって実感しますね。
ACE 毎月デジタルシングルをリリースするということは、毎月リリースイベントをやるということでもあるんですよね。同じ会場でも回数を重ねるたびに来てくださるお客さんの数が増えているなって、リアルに自分の目で確認できるんですよ。WHITE SCORPIONのイベントは基本的に写真や動画の撮影がOKになっているので、それがSNSで拡散されているのも大きいと思います。ファンの方がWHITE SCORPIONを広めてくださっています。
HANNA 4作目の「雑踏の孤独」のMVはNICOにスポットをあてた“FMV”として制作されて、撮影を原宿でやったんですけど、「あっ、NICOちゃんだ!」って騒がれたらしいんです。ひと目見ただけでNICOだってわかるということは、ひょっとしたら熱心なファンの方だったのかもしれないですが、そうやって街中で見つけてもらえるのってけっこうすごいことだと思います。
──そういえば、WHITE SCORPIONはSHIBUYA109前でもイベントを行ったそうですね。
ACO あの日は「TGC」(「東京ガールズコレクション」)にまず出演して、その流れで109に向かったんです。なので「TGC」に来てくださっていたファンの方の一部が、「今度は109でライブするらしいぞ」って感じで駆け付けてくださったんですね。私、それがすごくうれしくて。
HANNA 「TGC」の大きなステージから見た景色も忘れられないです。
COCO 代々木第一体育館が会場だったんですけど、WHITE SCORPIONの出番はオープニングだったのでまだ席が埋まっていなかったんです。それでも白いペンライトを振ってくださっていた方がいて……人数としては、10人いるかどうかというところでしたけど。
ACO 私たちの出演が発表された時点で、すでに「TGC」のチケットが完売していたから、きっと来たくても来れないファンの方もいたと思います。
COCO この大きな会場がWHITE SCORPIONを応援してくれるファンの方だけで埋まったらどんなに素敵だろう、早くここでワンマンライブがしたいって、あの日は強く思いました。グループにとって、新たな目標ができたと思います。
──ほかに、今までの活動で印象に残っていることはありますか?
ACE 私は去年12月に出演させていただいたアイドルフェス「IDOL WAVE in TOKYO」ですかね。前回のインタビューでもお話しさせていただきましたが、ほかのアイドルさんたちに圧倒されちゃったんですよ(参照:WHITE SCORPION「非常手段」インタビュー)。でも、落ち込んでばかりもいても仕方ないですからね。一度そこで完全にスイッチが入った感覚があります。3月後半はいろんなアイドルフェスに出演させていただきますし(※取材は3月中旬に実施)、ここからビシッとしたところを見せていきたいです。
──グループとして迎える初めての夏には、さまざまなアイドルフェスが控えています。
HANNA できることならロック系のフェスにも出てみたいですし、野外ライブにも憧れます。アイドルフェスの中だと……やっぱり「TIF」(「TOKYO IDOL FESTIVAL」)に出たいです!
ACE うん、出たいよねー。
HANNA さらに欲を言えば、ワンマンライブも! オリジナル曲がどんどん増えているので、いつか全国各地をツアーで回れたらいいですね。
短期間で一気に絆が強まった
──HANNAさん、ACEさん、ACOさんには過去にも音楽ナタリーのインタビューに出ていただきましたが、COCOさんは今回が初登場です。ほかのメンバーからCOCOさんの人となりを解説していただけますか?
HANNA 私はほかのメンバーから赤ちゃん扱いをされることが多いんですけど、私から言わせれば、11人の中で一番の赤ちゃんはCOCOです。卵みたいなまん丸のかわいらしい顔をしているし、頭をなでなでしながら「いい子、いい子」って言いたくなります(笑)。
ACO COCOは、あだ名がたくさんあるんですよ。1つ目は「剥き卵」。これはかわいらしい顔を見ていただければ説明は必要ないと思います(笑)。2つ目が「アヒル大先生」。サインに白鳥のイラストを描くんですけど、それがどう見てもアヒルなので。
COCO いやいや、どう見たって白鳥だって(笑)。
ACE 私がCOCOをうらやましいなと思うのは、まったく緊張しないところ! 逆に私は緊張しがちなタイプなので、楽屋でどう過ごしたら本番に強くなれるのか、ほかのメンバーを観察したことがあるんですね。ごはんを食べている子、スマホを眺めている子、鏡の前で黙々と練習する子……いろんなパターンがある中で、COCOはずっと楽しそうにおしゃべりしているんですよ。それで私が「緊張するよー」とか泣き言を言うと、軽い調子で「大丈夫だよ」と声をかけてくれる。オーディションのときから、そんなCOCOに何度も救われてきました。
──それは心強いですね。
ACE COCOみたいなメンバーが1人いるだけで、安心してステージに立てます。精神的支柱です。
ACO あと忘れちゃいけないCOCO情報としては、お風呂に入るのが異常に早いこと。遠征で一緒の部屋になると、5分ですべてを終わらせるからビックリします(笑)。
──YouTubeのコメント欄などを見ると、COCOさんのパフォーマンスを評価する意見も目立ちますね。ところで、WHITE SCORPIONのファン層はどんな人たちが多いんでしょうか?
COCO うーん、私はWHITE SCORPIONが初めてのアイドルグループなので比較はできないんですけど、わりと女性ファンが多いと思います。しかも、なぜかほかのアイドルさんを推していないパターンが多くて。「実はアイドルのイベントは初めてなんです」とよくイベントで言われます。
ACE 年齢的には、若い方が最近は特に増えましたね。制服を着た女の子から「応援しています!」と言われると、少しは若い子の憧れになれているのかなってうれしくなります。
HANNA あとは海外の方も多いです。特に台湾とか。
ACO なぜ台湾からのリアクションが多いのか私たちもわからないんですけど、特にHANNAが人気なんですよ。台湾に親衛隊があるくらいですから。
──もはや国際的スターじゃないですか。
HANNA イベントで「台湾の親衛隊になっていいですか?」と聞かれたんです。断る理由もないから、「ぜひぜひ!」ってお伝えしました(笑)。
ACE 私たちの目標は、海外でも活躍できるアーティストになることで。それはオーディションの段階から話していたことでもあるんです。HANNAの台湾での知名度に乗じて、さらにWHITE SCORPIONの存在が広まっていったら、海外でのライブも実現できるかもしれないですね。
──WHITE SCORPIONはオーディションでの競い合いを経て結成されましたが、昨年12月から全速力で走ってきて、メンバーの関係性は変わりましたか?
COCO 絆は確実に強くなったと思います。
ACE 今だから告白しますけど、私は最初、ほかのメンバーをライバル視していたんです。オーディションのときからそうだったし、「眼差しSniper」のMV撮影でもカット割りとかを気にしていました。でも活動が忙しくなってくると、インタビューや収録現場でメンバーの魅力を自発的に伝える場面が増えていって。そこで意識が自然と変わっていったんですよ。さらに仲間意識が強くなったというか、「自分だけを見てほしい」から「メンバー1人ひとりの魅力を知ってほしい」という方向にシフトしていきました。それは言葉にすると「絆」ということだと思います。短期間で一気にまとまった感覚はありますね。
ACO 遠慮なくなんでも話せる間柄になりました。例えば最初の頃は「それ、やめたほうがいいんじゃない?」と思うことも言えずに、ストレスが溜まっていた部分もあるんです。でも、今なら平気でダメ出しもできる。そんなことでギスギス感が出るような薄い関係でもないですしね。仲がいいからこそ、ズケズケ突っ込んだ話ができるのかもしれません。チームとしてのまとまりは確実に強くなっているはずです。
HANNA 本当に家族みたいな感覚なんですよ。このメンバーだったら何しても何されてもいいやっていう雰囲気。家族の前だと思い切りだらけられるのと同じで、少なくとも私にとってはWHITE SCORPIONが一番安心できる場所です。居心地がよすぎます。この仲間がいるからこそ私もがんばれるし、グループとしての可能性も感じるんです。まだまだ全力で走り続けるので、皆さんついてきてください!
プロフィール
WHITE SCORPION(ホワイトスコーピオン)
秋元康が総合プロデュースを務めるアイドルプロジェクト「IDOL3.0 PROJECT」から誕生したグループ。2023年4月より約半年間にわたってオーディションが行われ、投票企画の結果、11人がデビューメンバーに選ばれた。プロジェクトを手がけるのは、エンタテインメントコンテンツの企画、制作および開発を担う株式会社オーバース。メンバーはコンサートや握手会などのリアルな場と、メタバース空間やそのほかオンライン上などのバーチャルな場の両軸で活動を展開する予定。オーバースが発行する暗号資産「Nippon Idol Token(NIDT)」による資金調達でプロジェクトが進行し、NIDTの保有者にはさまざまな特典が付与される。2023年12月にキングレコードよりデビュー曲「眼差しSniper」を配信リリース。これを皮切りに毎月新曲を発表し、2024年4月には5thシングル「Satisfaction graffiti」をリリースした。
WHITE SCORPION(ホワイトスコーピオン)オフィシャルサイト
WHITE SCORPION (@whsp_official) | X