悔しくて泣いたオーディション期間
──ちなみにオーディション中は、皆さん今とは違う名前でしたよね。芸名はどのようにして決まったんですか?
NICO オーディション中の名前は自分たちで決めたんです。候補を3つくらい出してって言われて、その中で「これがいいんじゃないの?」という感じで。
CHOCO 例えば私の場合、安直すぎるかもしれないですが(笑)、名前の由来はチョコが好きだから。「好きなお花の名前」とか「好きなフルーツ」とか王道系は、ほかのメンバーがすでに使っていたんですよ。個人的には「好きな食べ物」としてネギトロとかサーモンも外せないんですけど、さすがにそれを名前にするのはどうかなと(笑)。
MOMO 私はオーディション中、モモテレという名前で活動していて。そこから少し変わってMOMOになりました。
ALLY 私もアリーという名前だったし、基本的にはオーディションのときとあまり変わってないパターンが多いです。
──なるほど。さて、オーディションは応募者約1万人が何度もふるいにかけられ、最終的に現在の11人に決まりました。その過程でオーディション参加者のお披露目やファン投票も行われましたが、特に印象に残ってる出来事はなんでしょう?
HANNA すべてが印象深いんですけど……一番となると、やっぱり合宿ですかね。8つのグループに分かれて練習し、最後に歌とダンスの審査が行われたんです。当たり前だけど、みんなアイドルになりたいという共通の夢を持っているわけじゃないですか。同じ気持ちの人たちと集まって切磋琢磨するという経験が、私にとってはすごく新鮮でした。
CHOCO HANNAちゃんとNICOちゃんと私は同じグループだったんです。おかげさまで私たちのグループは1位通過できて、そのときはすごく一体感がありました! 私は歌もダンスも未経験なので、みんなの足を引っ張ってしまったんですけど、チーム一丸となってパフォーマンスを作り上げる感覚はゾクゾクするものがありましたね。みんなでごはんを食べて、集合時間を決めてダンスをそろえる練習をしたりとか。
HANNA ライバルではあるんだけど、同時に仲間でもあって……。最後の夜は「おつかれさま」って感じで、バーベキューや花火をやったんです。あれは楽しかったなー。
ALLY 私は最年長ということで、3人とは別のグループでリーダーをやることになったんです。ところが最終日のグループ審査の前日に高熱を出しちゃって……。SNSなどの個別評価によって結果的に私は次に進めたんですけど、10人くらいいたチームメンバーのうち、2人しか選ばれなかったんですね。8つあったグループの中で、合格者2人というのは一番少なくて。みんな、すごく魅力的な子だったんですよ。「リーダーの自分が不甲斐ないばかりに……」って、すごく心苦しかったです。
──突然の病気だから、仕方なかったのでは?
ALLY そうかもしれませんが……正直言ってグループの中で私が実力的に優れているかと言われたらそんなことはなかったし、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまって。悔しい気持ちが爆発して、めちゃくちゃ泣きました。
MOMO 確かに途中でどんどん人数が減っていくのは、しんどかったですね。せっかく仲よくなったのに、バイバイしなくちゃいけないときは本当に苦しくて。(目に涙を浮かべながら)もちろんオーディションだから仕方ないのはわかっているんですけど……。
──ここに至るまでにさまざまな別れがあったんですね。
MOMO メンバーになったAOIちゃんと私は、家に帰る方向が一緒で、オーディション期間中からよく話をしていたんです。もともとAOIちゃんは明るい子なんですけど、ネガティブな私に引きずられるように2人で泣き言を言うようになって。何回「もう無理だよね」と口にしたかわかりません。だって周りを見渡すと、みんなかわいくて、細くて、目がめっちゃ大きくて、まつ毛も長くて、ダンスも上手で……要するにアイドルとして完璧な子ばかりだったから。
NICO オーディションは後半になるにつれ厳しくなっていった印象があります。Final Stageの1stで114人から45人に、2ndで45人から29人に絞られたんですよ。この2ndが精神的にキツかったです。それまではグループ単位でジャッジされていたんですけど、このあたりから個人戦になったんですね。どうしたらほかの人よりも頭1つ抜けた存在になれるのか? 試行錯誤しながら、必死でアピールしていました。あとは運営の方が何を求めているのかということも意識しましたし。
──当然、WACKのときとは力点が違ってくるでしょう。
NICO 表面的な技術よりも内面的なところをチェックされている気がしましたね。考え方とか、そういう部分も含めて。
──オーディションの途中、特にインパクトを感じたメンバーはいますか?
NICO NAVIちゃん! 8月のFinal Stage進出者お披露目の段階では114人が残っていたんですけど、放つ光が段違いでした。私は出席番号が1つ後ろで、圧倒されていました。アイドルオーラが全開なんだけど、ほかのグループにはないタイプのきれいさがある印象でしたね。「IDOL3.0 PROJECT」のコンセプトに合うんじゃないかという気がしたし、審査が進むたびに「この子は絶対に受かるんだろうな」と思っていました。結果は案の定という感じです。
ALLY それを言うんだったら、私はHANNAちゃんに圧倒された! それこそ114人が並んだ写真の中でも、かわいさが際立っていました。しかも年齢を見たら14歳と書いてあるから、「なんなの、このクオリティは? アイドルモンスター?」と唖然としちゃって。自慢じゃないですけど私は最初からHANNAちゃんのかわいさに目をつけていたし、なんだったら私が一番古参のファンかもしれません(笑)。
HANNA やめてー。恥ずかしくなってくるよ(笑)。
デビュー曲のダンスは超ハード
──11人のメンバーが最終決定すると同時に、グループ名が「純真さ、誠実さを持ちながらも、強さも兼ねそろえているグループになってほしい」という思いが込められたWHITE SCORPIONになると発表されたのは、10月7日のことでした。
NICO グループ名の第一印象は「サソリか……。カッコイイな」と(笑)。横文字なところも個人的にはうれしかったです。
CHOCO アイドルとしては珍しいタイプの名前で、ほかのグループと差別化ができると思います。秋元康先生の手がけるグループはたくさんあるから、アイドルに興味がない人からすると区別がつかず、少し混乱するかもしれませんよね。だけど私たちは秋元先生プロデュースのグループの中でも異質な存在で、印象に残りやすいんじゃないかな。
MOMO 最初にオーディションを受けた段階では、どういうグループになるのか想像もつかなかったんです。だけど審査が進んでいくにつれ、課題曲とかからグループの方向性がなんとなく伝わってきたんですよ。それは簡単に言うと、カッコいい系のアイドル。そこで「私、カッコよくないから絶対落ちる……」って絶望したんですけど。
──MOMOさんは、ことあるごとにネガティブ発言を挟み込んできますね(笑)。
MOMO 自分でも直したいです(笑)。絶対に無理だと思いますが……。
NICO 言ってるそばからネガティブになってる(笑)。
──デビュー曲「眼差しSniper」でもクール路線が存分に発揮されています。
ALLY カッコよくて力強い楽曲です。でも、その中にも切なさやもどかしさが感じられると思います。パフォーマンスにおいても力強さを念頭に置きつつ、自分なりに歌詞を解釈して曲の細かいニュアンスを表現していきたいです。
NICO ダンスはゴリゴリです! 超ハードに踊っています。
ALLY 振付を手がけてくださったのは、欅坂46さんなどで有名なTAKAHIRO先生で。いかにもTAKAHIRO先生らしいダンスになっているので、ダイナミックさを感じていただければと思います。
CHOCO メンバー1人ひとりの動きはバラバラなのに、全体としてはそろっているところが大きな特徴になっています。ダンスの中で、いい具合にそれぞれの個性が出ているんですよ。
HANNA あとこれはTAKAHIRO先生のほかの振付にも言えることなんですけど、すごく難しそうなことをやっているように見えて、実は何度も同じ振りが続く部分もあったりして、全体としてはキャッチーなんです。真似しやすい作りになっていますし、ライブで披露するときはサビの部分などを一緒に踊っていただけるとうれしいですね。
──CHOCOさんとALLYさんはダンス未経験者ということですが、振り入れはいかがでしたか?
CHOCO 超大変でした(笑)。レッスンのときに先生から軽い調子で「そこで逆側にウェーブしてね」とか言われるんですけど、こっちとしては「へ? ウェーブって何?」って固まることしかできなくて……。基礎の基礎から学ばなくちゃいけないから、教えてくださる先生やメンバーたちに申し訳なかったです。少しでも早く追いつきたい!
ALLY 私ももちろん苦労しましたが、何が大変って、ほかのメンバーが初心者に合わせるわけにはいかないから、ゆっくり覚えるような時間的な余裕がないことで。デビューしてからはこれまで以上に短い時間で振りを覚えなくちゃいけないだろうし、スピード勝負になりますよね。そこが一番の課題です。
アイドルのイメージを覆したい
──最後に今後についてお伺いします。ズバリ、このグループで何を目指していきたいですか?
HANNA WHITE SCORPIONはビジュアルもグループ名も含めカッコいいテイストのアイドルグループなので、世の中のアイドルに対するイメージを私たち全員で覆していきたいです!
MOMO ファンの方に愛されるグループになると同時に、アイドルに興味がない方からも「WHITE SCORPIONは聴いたことある。いいよね」みたいに言われたいですね。みんなが気になる存在になりたい。
CHOCO 私自身アイドルが大好きで、今まで何度もアイドルに励まされてきました。これからは自分がWHITE SCORPIONのメンバーとして、ファンの方たちの人生を明るく照らしていきたいと思っています。ファンの皆さんにとっての日々の生活のモチベーションになれたら素敵だなって。
ALLY やっぱり「世界を目指す」というコンセプトを掲げて始まったグループなので、ワールドワイドに活躍できるようになりたい。世界中のどこでも「WHITE SCORPION? 知ってるよ」と言われるアイドルになるのが夢ですね。
NICO 世界を目指すのは私たちの宿命ですけど、「世界」と言っても対象が広すぎるのも事実で……。世界にメッセージを届けるには、まず目の前にいるファンの方1人ひとりに「応援したい」と思ってもらえることが大事ですよね。まだ始まったばかりのグループなので、一歩ずつ確実に前に進みながら、最終的には世界のWHITE SCORPIONになりたいです。
プロフィール
WHITE SCORPION(ホワイトスコーピオン)
秋元康が総合プロデュースを務める新アイドルプロジェクト「IDOL3.0 PROJECT」から誕生したグループ。2023年4月より約半年間にわたってオーディションが行われ、最終投票の結果、11人がデビューメンバーに選ばれた。プロジェクトを手がけるのは、エンタテインメントコンテンツの企画、制作および開発を担う株式会社オーバース。メンバーはコンサートや握手会などのリアルな場と、メタバース空間やそのほかオンライン上などのバーチャルな場の両軸で活動を展開する予定。オーバースが発行する暗号資産「Nippon Idol Token(NIDT)」による資金調達でプロジェクトが進行し、NIDTの保有者にはさまざまな特典が付与される。2023年12月にキングレコードよりデビュー曲「眼差しSniper」が配信リリースされた。
WHITE SCORPION(ホワイトスコーピオン)オフィシャルサイト
WHITE SCORPION (@whsp_official) | X