笑いながら「カッコいい！」って言えるセンスが大事

──WHERE'S ANDYというバンド名の由来は？

CHIKA　映画「チャイルド・プレイ」から。上映会したんだっけ、3人で。

CHIBAchan　WHERE'S ANDYのアンディは「チャイルド・プレイ」に出てくる男の子の名前で、チャッキー（映画に登場する、殺人鬼の魂が宿った人形）の持ち主なんです。もともと「チャイルド・プレイ」は好きな映画だったんですけど、バンドのイメージになんとなく合うと思ってみんなで観て。チャッキーってちょっとかわいらしい人形なのにやることはエグいじゃないですか。で、チャッキーとアンディの関係をうちらとファンに当てはめて、うちらがチャッキー側になって「アンディ（＝ファン）はどこだ！」って探しに行くという。

──バンドとしてはさっき名前が挙がったようなバンドの音をギャルバンでやろうと考えたんですか？

CHIKA　あんまり明確じゃなかったかも。とりあえず一緒にやるにあたって、サバスを観てカッコいいと思うかなとか、IRON MAIDENを聴かせたら笑ってもらえるかなとか思ったくらい。でも笑いながら「カッコいい！」って言えるセンスが大事で、作る曲については特に話し合わずに好きなものをそのまま作っていった感じかな。

──今回のアルバム「FIRST CRY～逆襲の産声～」もカッコいいギターリフ満載で、一聴するとハードロック、ヘヴィメタルからの影響を感じさせるんですが、例えばリズムがちょっと跳ねていたり、ベースラインがメタルっぽくなかったりで、そういった要素の融合がこのバンドならではのオリジナリティを確立させている気がしました。

CHIKA　実はそのへんについては無自覚というか。周りから「80年代のハードロックっぽいね」と言われても、自分がその当時のハードロックをあまり聴いてなかったりして、無意識のうちにやっていたことがWHERE'S ANDYらしさになっていたんです。逆にそのへんを意識してやってたら、完全にモノマネになっちゃってただろうし。

──昨今ヘヴィメタルをやってる女性バンドは増えてきてますが、WHERE'S ANDYはそういったシーンとは別の場所にいますよね。

CHIKA　そうですね。私たちはメタルが好きだけど、メタルはやってないし。メタルが好きだからこそ「メタルやってます」とは言えないみたいな。ただ好きなだけで、聴いた人がメタルっぽく聞こえたってだけ。単なるガールズバンドです。

TOKIEとの出会いはunkieコピバンオーディション

──今回のアルバムはTOKIEさんがプロデュースを手がけてますが、TOKIEさんとはどのようにして知り合ったんですか？

CHIBAchan　unkieのオープニングアクトを選ぶコピーバンドオーディションがあって、なんとなく「出てみようか」という話になって。

CHIKA　オープニングアクトになれなくても、とりあえずWHERE'S ANDYをTOKIEさんに知ってもらおうと。

MAI　そう。知ってもらうことを目標で出たんです。

CHIKA　だってぜんぜん違うんだもん。まず周りはunkieを聴いてる子たちばかりだからテクニカルだし上手にコピーするし。でも自分たちはもうすべてをゴチャゴチャにぶち壊して。

MAI　そんなに聴き込んでないジャンルだったから、逆にうまくいったのかもね。

CHIKA　おしりをスタートに持ってきたりとか曲の構成をメチャクチャに並べ替えて、好き勝手にやったら逆によかったと言ってもらえて。

CHIBAchan　それで優勝しちゃったんです。

──ええっ!? そうだったんですね。

CHIKA　「帰ろっか。どうせ選ばれないから」と言ってボケーッとしてたら、「優勝はWHERE'S ANDY」って名前が呼ばれて。

MAI　会場がシーンとなって（笑）。

CHIBAchan　ビックリした。それでunkieのオープニングアクトをやらせてもらうことになったんです。

CHIKA　もうステージ上に寝っ転がったりして演奏したら、ギターの青木（裕）さんが「そこ、すごくいいよ。ロックだったよ」「うまい下手とかどうでもいいんだよ」って褒めてくれて。TOKIEさんもライブが終わったあとに「すごく好き！」って言ってくれたんですよ。

MAI　本当に意外でした。

CHIKA　そこからTOKIEさんがプロデュースしてくれるっていう話になって。すごくうれしかった。