DJ KOOの「BACK UP」|「僕の仕事はこれがなかったら成り立たない」トップDJが“たとえ乗っている飛行機が落ちても守りたい”大切な仕事道具とは

飛行機が落ちても「サンディスク Slim ポータブル SSD」は守る

──今日は実際にKOOさんが普段使われているUSBドライブをお持ちいただきましたが、めちゃくちゃたくさんあるんですね。

「サンディスク SlimポータブルSSD」は2つだけで、あとは全部USBメモリですけどね。見た目が全部ほとんど同じなので、見分けるためにスワロフスキーを自分で付けて区別しています。

DJ KOOが普段実際にDJの現場で使用している私物USBドライブの数々。

DJ KOOが普段実際にDJの現場で使用している私物USBドライブの数々。

DJ KOOが普段実際にDJの現場で使用している私物USBドライブの数々。

──この形で売られていそうなくらいキレイですね。スワロフスキー以外で、データ管理のこだわりは何かありますか?

出演するイベントごとに、例えば「盆踊り」とか「アニソンイベント」というフォルダを作るようにしています。普通にクラブでDJをやるときも、会場によってセットリストが変わってくるんで、そこで使えそうな曲を30曲とか50曲とかガッと入れるフォルダを作っておく。現場ではそのフォルダの中からセレクトしてつなげていく感じですね。

──これだけ数があると、どこに何を入れたか混乱しそうな気もするんですが……。

常に持ち歩くのはこのうち4つくらいで、残りはバックアップ用途なんですよ。「現場に持っていくのはこれ」っていうのだけ把握できればいいんで、特に混乱しない範囲で回せてますね。まあ、バックアップのほうはどこに何を入れたかわからなくなったりもしますけど。

──なるほど、そこはわからなくなっても特に困らないと。

あとは、あえて同じデータが入ったUSBドライブを2つ持っていくことにもこだわってますね。今はリンクケーブルというものがあるので、内容が同じならUSBドライブ1本持っていけば本当は事足りるんですけども、僕はあえて左右のDJコントローラにそれぞれ同じものを1本1本挿すという形でやっていて。

──だから同じ色のスワロフスキーが2台ずつに付いているんですね。ニコイチであることがひと目でわかるように。

そういうことです。あと、もう1つこだわりで言うと……これはデータ管理の話からは逸れちゃいますけど、例えばTRFの曲を持っていくときは元データをそのままコピーするんじゃなくて、DAW(音楽制作ソフト)上でリマスタリングみたいなことをしてからUSBドライブに入れています。なぜかというと、90年代のサウンドって今のEDMやテクノとつなげたときに音がパワーダウンして聞こえちゃうんですよ。現代のサウンド感と並べても違和感なく聴けるよう、レベルやイコライザーを調整したデータを使うようにしています。

「サンディスク Slim ポータブル SSD」を手にして思い入れを語るDJ KOO。

「サンディスク Slim ポータブル SSD」を手にして思い入れを語るDJ KOO。

──確かに、当時と今とでは特に低音の鳴り方が全然違ったりしますもんね。

そうそう。ただ単にプレイリストのように楽曲データを並べているだけではなくて、このUSBドライブにはそういうこだわりがたくさん詰まっているんです。もう僕の仕事はこれがなかったら成り立たないですから、たとえ乗っている飛行機が落ちたとしてもこの「サンディスク Slim ポータブル SSD」だけは守らなきゃと思ってますね。

──(笑)。ちなみに、DJ用途以外でUSBドライブを使う機会は何かありますか?

僕はやっぱりDJか、リミックスをするときに使うかなんで、音楽に使うことがほとんどですけど……あ、スマホのデータのバックアップには使ってますね。写真データを保存したり。

──お、素晴らしいです。スマホデータのバックアップにはクラウドサービスを使う人が多いですけど、それだと使用料もかかるし、データを手元に置いておけないのも不安じゃないですか。だからKOOさんのような用途でSSDやUSBメモリを使う人がもっと普通にいてもいいと思うんですけど、なぜかあまりいないですよね。

そうですよね。もしかしたらプロ用というか、機械に詳しい人が使うものと思い込んでいる人が多いのかもしれない。ちゃんと一般向けの、使いやすい製品なんですけどね。

ノートPCに挿した「サンディスク Slim ポータブル SSD」。

ノートPCに挿した「サンディスク Slim ポータブル SSD」。

DJ KOO

1人いればあらゆる音楽を楽しめる、それがDJの最大の魅力

──この記事を読む読者に向けて「サンディスク Slim ポータブル SSD」をオススメするとしたら、どんな薦め方をしますか?

ぜひとも皆さんにDJというものを体験してもらいたいです。その際にやはりお手軽なのがこのスティックタイプのUSBドライブなので、僕は断然これをオススメしますね。さっきも言いましたけど、昔はレコードやCDをたくさん持って現場へ行かなければいけなかったところが、今はこれ1本で行けちゃうわけですから。

──昔よりも入門しやすくなっていると。

はい、しやすいです。曲と曲のテンポを合わせたりするのも、昔は一生懸命ヘッドホンで聴きながら手動で合わせてましたけど、今はDJコントローラのボタン1個押すだけで勝手に合わせてくれますし。その分、シンプルに選曲センスだけで勝負できる時代になっている。やっぱりDJで一番何が大切かっていうと、選曲ですから。

──技術の習得ハードルが下がっている分、今はもっと本質的なところから始められるんですね。

技術は練習さえすればちゃんとできるようになりますから。まずは簡単なところから始めてもらえたら、人生の中で新しく楽しめることが増えますよ、ということをお伝えしたいですね。

──DJならではの魅力はどういう部分だと考えていますか?

DJが1人いればあらゆる音楽を楽しめる、というところですね。ブルーノ・マーズであろうとビヨンセであろうと、それからもうYOASOBIでも新しい学校のリーダーズでもなんでも、全部含めてオールジャンルできるので。それによっていろんな世代の人に楽しんでもらえるというのがDJの最大の魅力だと思います。世界中の才能あるミュージシャンがどんどんいい曲を出してくれるおかげで成り立ってる仕事なので、まあ……ずるい商売かもしれないですけど(笑)。

──ずるいってことはないと思いますが(笑)。

その曲にちゃんとリスペクトを持って、作ったご本人がいないところでもその曲でみんなに踊ってもらうことができるというのは、DJならではの楽しみなんじゃないかなと。

DJ KOO

「目の前の人に喜んでもらいたい」という気持ちが原動力

──では最後に、本特集のタイトル「BACK UP」にちなんで、KOOさんの活動を支える=バックアップする存在とは何かを教えてください。

家族とファンとスタッフですね。僕は音楽活動のかたわらバラエティ番組にも出させていただいているんですが、最初にバラエティに出だした頃は「DJ KOO、仕事なくなったのか?」「仕事選べよ」とかさんざん言われてきたんです。そんなときに、家族だけは「これからはバラエティもできたほうがいいよ」と言ってくれて、娘なんかは「アンチなんて気にしないで。パパが一番面白いから」と励ましてくれたんですよ。そういう、常に近くで応援してくれる家族の存在は間違いなくバックアップですよね。

──KOOさんくらいの人でも、世間の「何やってんだ」という声は気になるものですか?

もちろんですよ! それこそTRFを始めた頃も、当時はDJなんていう文化は日本に定着していなかったから「曲やってる最中に、あいつは何を後ろで違う曲ヘッドホンで聴いてんだ?」みたいな(笑)。そういう声はやっぱりものすごく気にします。それが気にならなくなったのは家族のおかげであり、何をやっているときも常に応援してくれるファンの人たちのおかげであり。めちゃめちゃありがたいですね。

DJ KOO

DJ KOO

──そうなんですね。雑音は気にせず我が道を行くタイプの方なのかなと勝手に思っていました。

いえいえ、全然気にしますよ。ただ、長くやっていると「自分の活動に携わってくれる周りのスタッフの心意気に応えないとな」という気持ちがそれを上回ってくるんですよね。例えばDJもそうだし、番組やイベント、CM……今日の取材もそうですよ。スタッフの方々は「どういう状況でDJ KOOに来てもらって、どういうものを作りあげて、どう届けるか」をガチで考えて準備してくれているわけじゃないですか。皆さんにもご家族があるでしょうし、家族を養う責任も背負いながらそれだけやってくれているところで、自分がヘナヘナじゃしょうがないっていう気持ちはやっぱりありますよ。

──誰が言ってるのかよくわからないような世間の声よりも、目の前にいる人の言葉のほうが大事ですもんね。

まさにその通りですね。「目の前の人に喜んでもらいたい」という気持ちが、逆に自分自身をアップデートしていける原動力にもなっていると思ってます。

DJ KOO

プロフィール

DJ KOO(ディージェーコー)

TRFのリーダー、DJ、日本屈指の盛り上げ番長。トータルCDセールスは2200万枚を超え、多くの人に今なお愛され続けている。現在はTRFの活動とともに、「日本を元気に!笑顔に!」をモットーとして、盆踊りとDJを融合させた“進化型お祭りエンタテインメント”を追求している。2024年5月に発売されたTM NETWORKのトリビュートアルバム「TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-」では、ヒャダイン with DJ KOO名義で「Maria Club(百億の夜とクレオパトラの孤独)」のリミックスを手がけた。

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