「『千と千尋の神隠し』を意識して」と言われたんですよ

──そうしてたくさん思いの詰まった曲を歌で伝えるとき、ボーカルのお二人はどんなことを意識して歌入れをされましたか？

Hayato　僕らの気持ちがすべて反映されている曲なので、今までの曲よりは気持ちが乗せやすい、レコーディングに臨みやすい曲でした。マイクの前に立ったらスッと歌えたなと言う印象があります。ライブでもやっているんですけど、すごく気持ちが入ってしまう曲だなと思いながら歌ってますよ。

Taka.　歌詞のこともそうだけど、今までのWEBERとはひと味違う、バンドの音が特徴的なトラックにもなっているんです。なので僕は歌詞をめちゃくちゃ意識するというよりは「どれだけ楽器の音に合わせられるか」とか。曲になじむことを考えて、今回は歌いました。歌詞への思いは普通に歌っていても出てきてしまうと思うんですよ。なので意識的にしていたことは、トラックに自分の声をどう馴染ませるか、ということでしたね。

──部分的なことで言うと、大サビの前の2人のボーカルの絡み合いがすごいですね。

Taka.　そのパート、プロデューサーさんに「『千と千尋の神隠し』を意識して」と言われたんですよ。ハクが千尋と一緒に名前を思い出す、あのクライマックスシーン。

一同　あはははは！（笑）

Hayato　そう、ずっと言ってた！ あの2人のスピード感とか、セリフが絡み合う感じとか。

Taka.　あのDメロは、今までにはない掛け合いだと思います。

Hayato　疾走感もすごいよね。

──なるほど（笑）。ちなみにダンサーのお二人が気に入っているパートはありますか？

little Skeet　１番のBメロでHayatoが歌っているところ、語尾が跳ね上がる歌い方がすごい好き。振り付けはリズムを取っているだけなんですけど、「気持ちいいな」と思ってます。

Hayato　ありがとう。

J　僕は曲全体の印象になっちゃうんですけど、純粋に音楽としてすごく気持ちよく聴けたんです、最初に聴いたとき。トラックがシンプルで、すごく歌詞が残る曲だなと思いましたし、Taka.とHayatoの成長も感じるというか……。

Hayato　お父さん！

Taka.　やったぜ。

J　なんて言うんだろう、「ダンス面でもちゃんと成長していかないといけないな」と思いましたしね。いろんな思いがこの曲に詰まっちゃっている分、いろんな気持ちにもなりました。

4人で見せる「READY」と1人ひとりが見せる「READY」

──ではそのダンスパフォーマンスでは、どういった表現を？ Jさんが振りを付ける中で意識したことを教えてください。

J　1つのテーマとして、「解放」という言葉を大事にしてダンスを付けていきました。踊りを観ただけでも音楽の背景が見えるというか、何か伝わって来るということを目標にしつつ、曲が進むにつれてどんどんダンサーの身体や心が解放されていく様を振りで表現しようと。で、もう1つのテーマは4人で見せる「READY」と1人ひとりが見せる「READY」を同時進行で表現するということ。4人で1つのものを表現した部分もあれば、全員が違うことをしている場面もある。だから、皆さんには5回観てほしいんですよ（笑）。

Hayato　目が足りない！（笑）

J　全体を観てもらったあと、例えばTaka.だけ観ていたらTaka.の「READY」が伝わるし、Skeetだけを観たらSkeetの「READY」が伝わる。それぞれがそれぞれの「覚悟」を持って曲を表現しているんです。パフォーマンスを観た人はさまざまな受け取り方ができると思いますが、それと同時に僕らも1つの曲をさまざまなアプローチで発信できるよ、という思いもありましたね。

──こうして話を聞いているだけでも、すごく複雑な構成ですね。

J　ええ。なので、今までで一番難しかったと思います。全員ががんばってくれたというか、僕のワガママに付き合ってくれたという感じです（笑）。

一同　あはははは（笑）。

Taka.　そうですね、付き合いました。でもJさんはすごく考えてくれていて、歌うことへの負担はないんですよ。ダンスに関してはすごく知識があるわけじゃないけれど、Jさんがすごく練って僕らのところに持ってきてくれているのはわかるので。それはもう、ワガママにも付き合いますよと。

J　あはははは。すいません、ありがとうございます！（笑）

little Skeet　僕はなんだろうな……感じたまま素直な気持ちで踊っています。自分の気持ちを乗せられる余地があるところには容赦なく乗せていくし。それが重すぎたときはJさんに軌道修正してもらうんですけど、けっこう思うままに。それと、この曲にはキレイなシルエットが出るような動きが多いんです。そういう動きは僕自身不慣れではあるんですけど、曲にすごく合っていると思いますし、のびのび楽しくやろうと思いながら踊っていますね。

Hayato　WEBER史上、一番汗かく曲じゃない？

Taka.　そうかもしれない。でもすごく楽しいですよ。