WEBERが2月20日にニューシングル「READY」をリリースする。
WEBERはTaka.(Vo)、Hayato(Vo)、J(Dancer, Leader)、little Skeet(Dancer)からなる4人組ダンス&ボーカルグループ。2017年にメジャーデビュー。約1年ぶりのニューシングルとなる「READY」はWEBERのビクターエンタテインメント移籍第1弾作品として発表されるシングルで、4人は再出発に際しての“覚悟”を込め、勇気を胸に1歩を踏み出す思いを歌っている。
新天地で新しいスタートを切ったWEBERの4人に、音楽ナタリーでは初めてインタビューを実施。「READY」のリリースに至るまでの経緯や楽曲、パフォーマンスに込めた思いなどをじっくりと聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 映美
僕らの音楽を知らない人の耳にも届けたい
──まずは今回ビクターエンタテインメントに移籍された、その経緯を教えてもらえますか?
J 単純に縁ですね。人と人とのつながりでビクターさんと出会えた、というのが一番わかりやすいかなと思います。僕らとしては「また新しく進みたいな」と考えていたタイミングだったんですけど、そこにいいきっかけをくださったのがビクターさんだったんです。
──そうだったんですね。
J 2018年3月以降CDを出していなかったんですけど、そこで「リリースできることが当たり前じゃないんだ」とも僕らは感じていて。そんな中でツアーをやらせてもらったりしていたけれど、やっぱり僕らの音楽をたくさんの、まだ僕らを知らない人たちの耳にも届けるCDリリースという機会はあったほうがいいなと。そういった思いがそれぞれの胸の中にあったんですよね。
──そして移籍が決まって、ファンや周囲の反応みたいなものはいかがですか?
J リリースを待ってくださっていたと思うので、期待されているのは感じます。その期待にしっかりと応えていくことは当たり前としても、さらに「こんな楽しみ方をさせてくれるんだ」と思われるようなことを、これからやっていきたいですね。
「え、この曲で踊るの?」という曲で踊るグループです
──今回のリリースは心機一転でもう一度WEBERというグループを世の中に発信していく機会になると思いますが、改めてWEBERというグループは、どんなグループだと言えるでしょう。
J 純粋な「歌って踊るダンスボーカルグループ」ではない4人組です。歌、ダンスを基本に活動はしていますが、例えばTaka.が脚本と演出を担当して自分たちが振り付けをする自主企画の「Masquerade Bitter Night」という舞台では、マジックやタップダンスなど人を楽しませる要素をいろいろ詰め込んだエンタテインメントをしてみたりだとか。この間はlittie Skeetがヒューマンビートボックスをやって僕がピアノを弾いて、Hayatoが歌ってTaka.がギターで……と、「誰も踊らないじゃん!」みたいなことも普通にやりますし。
Hayato 純粋に、エンタテインメントだよね。
J 「ダンスボーカルグループ」という言葉が一番わかりやすいけど、その範疇には収まらないのがWEBERだと思います。
──皆さん多才なんですね。
J 多才になれるようにがんばっている、という面もあります(笑)。ただ、「こうなれたらいいよね」という願望をちゃんと実現していこうとする力はあると思う。
──自分たちの可能性をどんどん広げていこう、と。
J そうですね。
Hayato ボーカル目線で言うと、WEBERのよさは楽曲のメッセージ性だと思っています。そのメッセージを僕らの声でしっかり届けられたらいいなと思っていますし、さらにダンスが加わって曲を立体的に感じてもらえるのがWEBERの特徴かなって。
Taka. あと、単独ボーカルじゃない強さもありますね。Hayatoと僕は声もルーツもまったく違って「こんなに違うキャラの2人が集まる、普通?」って感じだと思う(笑)。今までそれぞれが培ってきた感性や経験をすり合わせるのが難しくて、最初は1曲歌い切ることも大変だったんです。だけど、メンバーとして同じ空間や時間を共有するうちに「WEBERの歌ってこうなんじゃない?」と、感覚がどんどん合わさってきた感覚がある。得意分野も聴いてきた音楽も違うけど、ボーカルとしては面白い2人なんじゃないかなと思います。
──それぞれ、どんなルーツを持っているんですか?
Hayato 僕はロックバンドが好きで、激しめの曲を聴いてきたんですけど、Taka.は洋楽とか、洋楽とか、洋楽とか(笑)。あと玉置浩二さんとか、歌謡曲も聴くよね。
Taka. そうだね。
Hayato ホントに今まで聴いてきた音楽のジャンルが違うので、リズム1つの取り方も最初は違ったし。
Taka. それに初めのうちは、お互いに持っている個性をすり合わせようとしてたんです。だけど今は違うことのよさを見出したし、WEBERとしての立ち方がわかった。このグループに入ってから、すごく成長できたと思います。
──Skeetさん的には、WEBERはどんなグループだと思いますか?
little Skeet 「え、この曲で踊るの?」という曲で踊るグループです。
J あはははは!(笑)
Taka. 間違いない(笑)。
little Skeet ダンスボーカルグループの楽曲でイメージするものって、いわゆるダンストラックだと思うんです。だけど、今回の「READY」もそうだけど、今までの僕ら曲って踊りやすさよりもメッセージ性を重視した曲が多い。それを僕らダンサーがいかに身体で最大限に表現して伝えられるか、なんです。個人的に勉強になることがいっぱいありますし、そこがWEBERのいいところだなと思っています。あとダンスはツアーを回るごとにそのときにしか観られないパフォーマンスを用意したりもしますし、それは皆さんに楽しんでもらえる要素じゃないかな。
──ちなみに、ボーカルお二人のルーツに違いがあるように、ダンサーのお二人にも違いが?
little Skeet ありますね。それこそ踊ってきたジャンルが違うので、最初は戸惑いました。基本Jさんが振り付けをしてくれるんですけど、僕の中になかった動きの流れがあるから最初は覚えづらくて。ね、Jさん。全然違うもんね。
J そうだね。根本的に踊る意味が違ったんですよ。僕はチームのダンスをやったりバトルに出たりしていたんですけど、Skeetはずっとソロでやっていて、1人で大会に出ていたりしてたんで。チームでのダンスとソロでのダンスの違いって、すごく大きいんです。あとは、自分を見せるためのダンスと人に見せるためのダンスも違うんですよ。気の持ち方や伝え方ですごく変わってくる。なので結成当初、僕が求めることは彼にとっては酷なことだったと思います。「この人はダンス嫌いになっちゃうかもしれない」と思うほどだったんですけど(笑)。
little Skeet あはははは(笑)。
J 逆にSkeetのダンスを見て勉強になることもありますしね。ソロパートを見て「そういう見せ方をするんだ!」となって、「だったら俺はこうしてみよう」みたいな。「そんな楽しい表現するの!?」と気分が上がることもあります。今までは違うレールの上を走っていたダンサーがこうやって交わっているということは、簡単なことではないと思うんですけど……けど、うまくいったときに今までになかった新しい景色が見られるんですよね。
ここまで僕らの思いを乗せた言葉が詰まっている曲はない
──移籍第1弾シングルの「READY」は“覚悟”をキーワードに制作されたということですが、なぜこういったテーマで作品を作り上げていったのでしょう。
Taka. リリースをしていない期間にツアーなどをしていた、その時間はもう一度WEBERを見つめ直すいい時間だったと僕らは思っているんですけど、そのときにツアーの目標に決めたのが「一生分汗をかこう。全力で、死に物狂いでツアーをやってみよう」ということだったんです。そんな思いを持ってライブをやった結果、来てくれたみんなが楽しんでくれたし、自分たち自身の中にも“WEBERの形”みたいなものが1つ見つかった気がして。そうやってまた新たにWEBERが見えたときに、「同じ失敗は繰り返したくないよね」「移籍第1弾シングルとして出す作品に、どんなメッセージが必要なんだろう」と考えて出てきたのが「覚悟」だったというか。チャンスは何度も来ないですし、今回の移籍は“最後のチャンス”だと僕らは捉えていたから、ありのままの思いがテーマになり、「READY」という曲になりました。本当に、WEBERの今の思いがギュッと詰まった歌になっていると思います。
Hayato ここまで僕らの思いを乗せた言葉が詰まっている曲はこれまでにないです。みんなでいろいろ話し合いながら、今の気持ち、覚悟や決意を歌詞として取り入れていただいたので、個人的にも思い入れの強い曲になりました。
──また「READY」の制作陣はWEBERの最初のオリジナルソング「First day」と同じですが、これには理由や意図が?
Hayato そうですね。「First day」は「出発」がテーマなんですけど、今回の曲は“再出発”の意味合いを持つ曲になるから最初に曲を作ってもらった作家さんにお願いして。「もう一度踏み出してみよう」という思いを込めました。
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「『千と千尋の神隠し』を意識して」と言われたんですよ