WATARUとSoulのバイブス
──「一番星」ではノスタルジックな雰囲気のイントロから明るい曲調に変わっていき、合間にはキャッチーなフレーズも出てきます。非常にポップな楽曲に仕上がっていますね。
これは今回レコーディングに参加してくれた、Fis blockのSoulとセッションしてできた曲で。基本的なコードは俺が先に作って、そこにSoulがいろんなサウンドを入れて、まとめてくれたんですよ。だからこれまでとは違う曲調になっているんだけど、ベーシックな部分は変わってない。1、2日で完成したんじゃないかな? 歌詞も速攻でできあがったのを覚えてます。
──今まで、セッションで楽曲を制作したことはありましたか?
しっかり形にしたことはなかったかも。演奏メンバーに即興で音を鳴らしてもらって、その場で思い付いた歌詞で歌ってみたことはあるんですけど、そのときは曲ができあがるところまでには至らなくて。今回はギター、ビート、俺の歌をどんどん加えていったらすぐ完成しました。
──Soulさんが参加したことが大きかったのかもしれませんね。彼はいつ頃からWATARUさんの楽曲作りに参加しているんでしょうか。
Soulは「おしえて神様」制作時から参加していたけど、今ではいいフレーズが思い付いたらすぐに彼を呼んで、速攻で完成させちゃうぐらい関わってくれていて。「太陽」では「Hey Girl」「一番星」「My hometown」の4曲を一緒に制作してくれました。
──付き合い自体はいつ頃から?
もともとは地元の後輩だったんです。身近な存在だから制作のときも相談しやすくて、俺が「ここは違う」って思った部分もすぐに対応してくれる。実はSoulが「WATARUくんの存在って太陽みたいだよね。その場にいるだけで明るくなるし」って言ってくれたことがあって、そのひと言も「太陽」というアルバムタイトルを付けた理由の1つなんです。今回のアルバムは俺とSoulのいいバイブスが反映されているはず。
──アルバムの最後を飾る「かくれんぼ」は配信シングルとして先行リリースされました。この楽曲を先に発表したのはなぜでしょうか。
「自分のありのままの姿を見せていこう」っていう意思を伝えたかったので。「かくれんぼ」はもう隠れるのはやめよう、っていう歌で、“素の自分を出したい”っていう、今回のアルバムのコンセプトにもつながってるんです。この曲がきっかけで、ぜひアルバムにも興味を持ってもらいたいです。
大人になったときに思い出してくれたら、幸せですよ
──「太陽」はWATARUさんご自身のありのままの姿を反映しつつ、新たなサウンドや歌詞の表現を多く盛り込んだ作品となりました。どんな人に聴いてもらいたいですか?
都会で行き詰まってる人とか、子供たちかな。楽しいと感じてもらうだけでなく、「いいこと言ってるな」って思ってもらえたらうれしい。俺は今28歳なんですけど、ここ最近子供を持つ知り合いが増えてきて。それで俺のCDを渡したら親子で聴いてくれて、千葉のライブには子どもたちが観に来てくれたんです。すげえいいなって思ったんですよね。俺が子供の頃「だんご3兄弟」がものすごく流行ったんですけど、CDがなかなか売ってなくて、やっと見つけたときお母さんからお金をもらって、買いに行ったのをよく覚えてて。子供のときって曲だけでなく、そういう体験もすごい印象に残るんですよね。そんなふうに俺の曲も、子どもたちが大人になって「あのとき親に聴かせてもらったな」って思い出してくれたら、幸せですよ。
──子どもたちの記憶に残るものでありたい、ということですね。
年上の人たちに伝えるだけじゃ、意味がないから。下の世代の子たちにも俺のメッセージが響いてほしいし、彼らには今後世界を変えていってほしい。まっすぐなことだけを言いたい、俺の思いを伝えたいです。
──なるほど。
あと、アルバム制作時には必ずスタッフにも曲作りやレコーディングを経て、楽曲が完成する瞬間まで現場に立ち会ってもらったんです。ゼロから作り出すのは自分だけど、完成させるのはみんなの力があってこそだから。そういう体験があるからこそ、楽曲に対する思い入れも強くなったんです。
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生音を知るための新編成
- WATARU「太陽」
- 2017年4月26日発売 / OCEAN'S RECORD
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[CD]
2300円 / OCS-1002
- 収録曲
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- 本能
- Hey Girl
- 上を見よう
- 一番星
- 海に
- 愛してる
- My hometown
- I'm Alone
- かくれんぼ
- WATARU ONEMAN LIVE "Sunrise"
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- 2017年6月24日(土)
東京都 TSUTAYA O-nest
- 2017年6月24日(土)
- WATARU(ワタル)
- 1989年東京生まれ。幼少時から空手やサーフィンなどのスポーツに親しみ、高校時代に音楽活動を開始。ハワイアンレゲエやヒップホップ、R&B、カントリーの影響を受け、千葉・外房でサーファーとしての活動を行いつつ、自身の音楽スタイル“アイランドミュージック”を確立する。2016年より都内を中心にライブ活動を積極的に行い、7月に1stミニアルバム「おしえて神様」を発表した。2017年4月26日には自身初のフルアルバム「太陽」をリリース。6月24日には東京・TSUTAYA O-nestでワンマンライブ「Sunrise」の開催を控えている。