「ワンチャンフェス」での“テキハラ”
──MONGOL800は「ワンチャンフェス」皆勤賞で、そこでも2組の絆が深まってるのかなと思います。
キヨサク 毎回楽しませてもらってるんですけど、「愛彌々2」を作ったことで、2組での新曲披露もあったし、いつもとはちょっと違う感じだったかな。大トリのアンコールで2曲やらせてもらって。お互いのお客さんが盛り上がってくれていたのはもちろんだけど、ワニパチのファンの存在も感じたし、最高でしたね。あとはKENTAが打ち上げで「テキーラ! テキーラ!」と叫んでいて。あれは何ハラですか?
FUJI テキハラ(笑)。
KENTA 3次会まであって、テキーラのボトルが合計20本くらい空いたんですよ。
FUJI もう、テキーラ振る舞い隊ですよ。
高里 どんどんみんな消えていってね。
FUJI ついにはKENTAも離脱しましたよ。
KENTA 最初に言い出したのはBE:FIRSTのSHUNTOっていう若い子で。その子の「テキーラ飲みますよ」というひと言から始まった一晩でした。
FUJI 人のせいにして(笑)。
高里 あとは、WANIMAが「先輩」と言ってくれてはいるけど、「ワンチャンフェス」に参加するたびにどんどん扱いが変わってきていて。
KENTA 変わってないですよ!
高里 いや、だんだんいじられキャラに変わってきてる(笑)。
FUJI 被害妄想ですよ!
KENTA 根っこではリスペクトしています!
高里 サッシーって呼んでるだろお前。サッシーさんとか言わんかい!(笑)
KENTA サッシーはだってもう……ね?
高里 打ち上げのときに俺がエレベーターに乗って逃げようとしたら「サッシー! サッシー!」って捕まえに来るみたいな感じで。愛は感じていますけどね(笑)。
完全に常夏の「Summertime Blue」
──「Summertime Blue」は、MONGOL800のサポートメンバーであるKuboty(G)さん、Seasir(Trumpet)さん、Nari(Sax)さんもレコーディングに参加されていて、華やかでトロピカルなサウンドになっていますね。三線のような音も入っていますし。
KO-SHIN 三線に聞こえるように、ギターで弾きました。
キヨサク エフェクター使って?
KO-SHIN いえ、弾き方で三線っぽくしました。
高里 へえ! 器用ですね。
キヨサク 三線に聞こえる、聞こえる。
KO-SHIN ありがとうございます。曲を作る段階で、KENTAからの「沖縄らしいイメージで」というリクエストを具現化しました。
──より沖縄らしさが増しているなと感じました。この曲は作詞がKENTAさんとキヨサクさん、作曲がKENTAさん名義ですが、お二人はどういう1曲になったと感じていますか?
キヨサク 個人的には「愛彌々」の後継にも感じていて。あと「Summertime Blue」と「ラズリ」は表と裏のような感じでバランスがいいなと思います。制作に関しては、KENTAがベーシックな部分を書いてきてくれて、それをパズルのようにしてピースを埋めていきました。「このフレーズ気に入ったからここ繰り返さない?」「もうちょっとここ使おう」とか。WANIMAが生み出すメロディがホーンとも合っていてね。完全に常夏というか、“島感”がある。
KENTA 「What a Wonderful World!!」(MONGOL800主催の野外フェス。今年は11月に沖縄・宜野湾マリーナ・トロピカルビーチ特設会場で開催)でやって、ビーチでお客さんが飛び跳ねているのをイメージして作ったんですよ。僕は歌詞を詰め込んじゃうんですけど、キヨサクさんが歌いやすいように手を入れてくれて。そのあとみんなでスタジオに入って構成を詰めていけたから、すごくいい曲に仕上がったんじゃないかと思います。ホーンについては想像していたものよりもすごくいいなと思いました。粒(マスタード安次嶺)さんがステージで踊っているイメージも湧いたし。
キヨサク 張り切って振付考えていますよ(笑)。
KENTA 粒さん、プチバズリしてません? 初期の頃と比べたらめちゃくちゃパフォーマンスの完成度が上がってるし、アーティストとしての見せ方もうまくなってるというか。
キヨサク 命削ってるから。「ワンチャンフェス」のときにも声援をもらえていたから、ちゃんとお客さんに浸透してるんだなと思いました。まあ、いまだにシフト制で出てもらってるんですけどね。これはしっかり書いておいてほしい(笑)。
FUJI 太文字で「シフト制」って(笑)。
しっとりゆったりな「honne」
──お互いへの提供曲についても聞いていきたいと思います。まずはMONGOL800がWANIMAに提供した「honne」。ゆったりとしたメロディで、WANIMAの歌の魅力が引き出されているなと感じました。キヨサクさんはどのようにこの曲を作っていったのでしょうか?
キヨサク 「愛彌々2」を通して聴いたときのバランスを考えたときに、「ラズリ」と「Summertime Blue」があって、そのあとはどういう曲があるといいかなと思って。勢いのある曲が続いたから少しトーンダウンするじゃないけど、しっとりゆったり聴いてもらえる曲があってもいいのかなと。WANIMAのみんなと話しているときに、モンパチの昔のアルバム「百々」(2001年9月リリース)とか、その時期あたりの作品の話が出てくることが多いから、その当時の曲のように、シンプルな曲にできたらと思って作りました。うちらはWANIMAとは反対に曲の中での言葉数が少ないので、その中で伝えたいことをまとめないといけない難しさはありました。言葉数の多いWANIMAに「honne」のような曲をやってもらうのは、ファンの人からしたら珍しいかもしれないね。
──余白のある歌詞で味わい深いなと感じました。あとはワルツのようなリズムをWANIMAが刻んでいるのが新鮮だなと。
キヨサク ああ、あのビートはモンパチもよく使うので。
──MONGOL800の音楽を愛するWANIMAからすると、デモを受け取ったときの喜びもひとしおだったのでは?
KENTA いただいた音源がウクレレとキヨサクさんの歌で構成されたものだったので、「もうこれでリリースできるやん!」と思いました。その音源の魅力をバンドサウンドでも表現できないかなと思ってあのリズムにして。キーに関しては、キヨサクさんからもらった音源から変えずに挑戦したかったので、そのままで作っていきました。
──1月に配信リリースされたアコースティックミニアルバム「1Time」のインタビュー(参照:WANIMA初のアコースティックミニアルバム「1Time」特集|追憶にひたり、得たものとは)で「伝えたいニュアンスをきっちり伝えられるキーが徐々にわかってきた」とお話しされていましたが、この曲のキーはKENTAさんに自然に馴染んでいるように感じました。
KENTA そう言っていただけるのはうれしいです。まだまだ勉強中ですけど。
キヨサク コーラスワークも面白いし、いいよね。
KENTA ありがとうございます。それこそ「百々」あたりの時代のモンパチの音源を改めて聴いていて、「ここは高音が飛び出ていたらいいな」と自然と思い浮かびました。
キヨサク たぶんサビとか、1オクターブ上いってるんじゃない?
KENTA そうですそうです。
キヨサク それがまた面白いね。ライブで聴くとどうなるんだろうって楽しみです。
──FUJIさん、KO-SHINさんはこの曲を受け取ってどのようなことを感じましたか?
FUJI 自分がこの曲に最初に触れたのが、KENTAとKO-SHINがアレンジを終えて、ビートを入れる段階で。すぐにモンパチのバラードのビートが頭の中に浮かんできて、KENTAからリクエストされたのもそういうビート感だったので、自然に叩けました。「愛彌々2」の中ですごく好きな1曲です。
KO-SHIN キヨサクさんから音源をいただいたときに、哀愁感や懐かしさを感じたので、そのイメージを崩さずにそのままギターとドラムの音を乗せました。この曲をモンパチバージョンでも聴いてみたいです。
キヨサク 「キーとかビートとか全然崩していいからね」と言って渡しはしたんだけどね。空気感やリズム感はわりとそのまま生かしてくれて。「愛彌々2」の中でもいい立ち位置にいるんじゃないかなと思います。
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「かなさんどー」は気持ちのいいレゲエにしたかった