音楽ナタリー Power Push - WANIMA

イケるアルバム全曲解説

04. Japanese Pride

──「Japanese Pride」は歌詞の通り、レゲエ、パンク、ヒップホップなどさまざまな要素を織り交ぜたサウンドが印象的です。

KENTA 新しいWANIMAを出したくて……苦労しました。オケはシンプルなんやけど、ヒップホップっぽいノリにしたくて。でもKO-SHINとFUJIくんはヒップホップをあんまり通っていなかったので、イメージを共有するのが難しかったです。

FUJI 難しかったです。こういう感じかなって叩いても「ちょっと違う」「なんか違う」って言われて。感覚をすり合わせていくしかなかったですね。

KO-SHIN(G, Cho)

KO-SHIN これを作るときは洋楽をめっちゃ聴いたような気がします。Zebraheadとか。で、なんとなくイメージできるようになったという感じですね。

──これまでは自身の気持ちや夢といった身近なものを歌ってたと思うんですけど、この曲の歌詞は「日本人」という大きなテーマですね。

KENTA 海外に憧れてる人が多いけど、日本人ってもっといいものなのになあって思ってたんですよ、ずっと。それをリズミカルに歌いたいなと。だからWANIMAっぽい曲に仕上げられてすごくうれしいです。

──「今は立派な君のパパも 1度は聴いてたんだHi-STANDARD」という歌詞をPIZZA OF DEATH RECORDS所属のWANIMAが歌うというのも、意味がありますよね。

KENTA 改めてハイスタってすごいなって思ったんですよね。ピザのスタッフもみんな「ハイスタはすげえ」って言うし、(横山)健さんに直接話を聞いたりして。あの時代にハイスタが現れて、シーンを作ったっていうのはやっぱりすごいなと。

──ハイスタ登場前はメロディックパンクバンドをやる人は海外のバンドからの影響を受けていたけど、ハイスタが出てきてからは日本のメロディックパンクを聴いてバンドを始めた人が増えたってよく言われますよね。その話も関連するのかなと思ったんですが。

KENTA ああー、それも関係してるのかも。俺は、日本人がやるメロディックパンクやミクスチャーって、海外の人とは違うよさがあってカッコいいなと思ってるんで。あとCメロの「海外に行ってみたい 野外であんなことしたい やだ日本人嫌い だってNOも言えない」っていうところは、女の子に実際に言われたことで……(笑)。「はっきりしないよさもあるねん。YESとNOの間にいろんな気持ちがあるねん」って思ったので歌詞にしました。

──いろいろ曲作りの材料になるんですね。

KENTA はい。話をしたり“セッション”したりしていろいろ考えます(笑)。

05. SLOW

──この曲はゆったりしたサーフミュージックですね。こういう曲が入るのはフルアルバムっぽいなと。

KENTA 「WANIMAはこういうこともできるんだ」っていうところを見せたかったんです。FUJIくんが「こういう感じもいいんじゃない?」ってサーフミュージックっぽい原曲を持ってきて。俺はサーフミュージックもレゲエも好きやったから、いいなと思って3人のセッションで作っていきました。

──今までにない曲調とはいえ、違和感なくすんなり聴けました。

FUJI(Dr, Cho)

FUJI KENTAがスタジオでたまに、ベースを弾きながらゆったりした歌い回しでいろんな曲を歌ったりするんですよ。そこから、サーフミュージックをやってみたらカッコよさそうだなと思って。

──この曲の歌詞は「夏の面影」と同じく海が舞台で。環七を通って向かう、東京の海なんですね。

KENTA 頭の中で、女の子を車に乗せて、東京の海と地元の海、どっちも行きました。それぞれの夏の思い出をイメージして聴いてもらえればと思います。ドライブ中に聴きたい。ペーパードライバーですけど(笑)。

06. TRACE

──「TRACE」はシングル「Think That...」に入ってる曲です。リリース後、ライブで披露してみて何か感じることはありますか?

KENTA 最初はうまく形にできなかったんですけど。最近になって、ちゃんと訓練してやれるようになりました。

──最初形にできなかったというのは?

FUJI いい曲なんですけど、ライブになるとそれがいまいちうまく伝えられないっていう。シンプルがゆえに。でもだんだんライブでやってるうちに、3人の息が合ってきて、うまく伝えられるようになってきたなという感じがします。

──ライブでは、KO-SHINさんの弾くアルペジオに乗せてKENTAさんがゆったりサビを歌うところから始まるというアレンジで。

KENTA サビで歌ってることが、この曲の一番伝えたいことなので。最近はお客さんが一緒になって歌ってくれるのですごく救われてます。抱きしめたい。

07. 1CHANCE

KENTA この曲はWANIMAの“エロカッコいいシリーズ”の始まりの歌ですね。俺らの中でこのシリーズは「1CHANCE」「BIG UP」「いいから」の順番だったんですけど、「BIG UP」「いいから」を先にCDに入れてしまって。デモにも入ってる曲なんですけど、「まだCDに入らないの?」っていうファンの方の声も多かったので、このタイミングで入れました。

──今回は再録で、サイトウ"JxJx"ジュン(YOUR SONG IS GOOD)さんがオルガンで参加しています。

FUJI 再録するんだったら派手にしたいなと思って。

WANIMA

KENTA 俺はスカとかレゲエが好きなんですけど、中でもピアノだったりオルガンが入ってるのがすごく好きで。だから自分たちの曲にも入れてみたいなと思って、タイミングを探してたんです。

──実際に入ったものを聴いての感想は?

KENTA アガりましたねー。自分たちの曲にオルガンが入るとは。

FUJI しかもジュンさんですからね。

──YOUR SONG IS GOODは聴いてました?

KENTA はい。FRUITYも聴いてましたし。ジュンさんがMCを担当してるスペシャ(スペースシャワーTV)の番組とかも観てて、しゃべりは面白いし、音楽にも詳しくて憧れてました。でも実際に会って嫌な人だったらどうしようと思ってたんですけど、テレビのままの人やったので安心しました。

1stフルアルバム「Are You Coming?」 / 2015年11月4日発売 / 2484円 / PIZZA OF DEATH RECORDS / PZCA-76
1stフルアルバム「Are You Coming?」
収録曲
  1. ここから
  2. 夏の面影
  3. いつもの流れ
  4. Japanese Pride
  5. SLOW
  6. TRACE
  7. 1CHANCE
  1. リベンジ
  2. いいから
  3. Hey yo...
  4. エル
  5. THANX
  6. また逢える日まで
WANIMA「Are You Coming? Tour」
2015年11月21日(土)東京都 TSUTAYA O-WEST
2015年11月26日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2015年11月27日(金)京都府 KYOTO MUSE
2015年11月29日(日)岡山県 YEBISU YA PRO
2015年12月2日(水)群馬県 高崎club FLEEZ
2015年12月3日(木)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
2015年12月5日(土)青森県 Mag-Net
2015年12月6日(日)秋田県 Club SWINDLE
2015年12月8日(火)岩手県 Club Change WAVE
2015年12月9日(水)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
2015年12月10日(木)新潟県 新潟LOTS
2015年12月12日(土)富山県 Soul Power
2015年12月13日(日)福井県 福井CHOP
2015年12月15日(火)神奈川県 横浜 F.A.D YOKOHAMA
2016年1月15日(金)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
2016年1月16日(土)静岡県 Shizuoka UMBER
2016年1月29日(金)長野県 LIVE HOUSE J
2016年1月31日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
2016年2月4日(木)山口県 周南RISING HALL
2016年2月5日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
2016年2月7日(日)大阪府 なんばHatch
2016年2月9日(火)福岡県 DRUM Be-1
2016年2月11日(木・祝)鹿児島県 CAPARVO HALL
2016年2月12日(金)宮崎県 SR BOX
2016年2月14日(日)熊本県 熊本B.9 V1
2016年2月16日(火)長崎県 DRUM Be-7
2016年2月17日(水)大分県 DRUM Be-0
2016年2月19日(金)愛媛県 WstudioRED
2016年2月21日(日)愛知県 DIAMOND HALL
2016年2月27日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
WANIMA(ワニマ)

WANIMA

熊本出身のKENTA(Vo, B)、KO-SHIN(G, Cho)を中心に2010年初夏に結成されたロックバンド。2012年12月に同じく熊本出身のFUJI(Dr, Cho)が加入し、現在の編成となる。Ken Yokoyama、などさまざまなバンドのツアーに参加し、各地で知名度を高める。これまでに制作したデモ作品3枚は、現在までに手売りで4000枚を突破している。2014年にPIZZA OF DEATHが、レーベルとして初めてマネジメント契約をしたことを発表。同年10月、同レーベルより1stミニアルバム「Can Not Behaved!!」をリリースしロングセラーを記録中。「SATANIC CARNIVAL」「京都大作戦2015 ~いっ祭 がっ祭 感じな祭!~」「ROCK IN JAPAN FEATIVAL」といった各地のフェスやイベントに多数出演し、各会場で軒並み入場規制がかかるほどの注目度の中、8月に4曲入りCD「Think That...」を発表。その後のツアーやイベントのチケットは入手困難な状態が続いている。そんな状況の中、満を持して11月に初のフルアルバム「Are You Coming?」をリリースする。