iriと旧知の仲であるESME MORI(Pistachio Studio)との共作で作られた新曲「Wonderland」は、代わり映えのない日々を抜け出そうとする思いをつづったリリックと、スタイリッシュなトラックが印象的なナンバー。「ウォークマンNW-A50シリーズ」とのコラボレーションが実現したミュージックビデオでは、さまざまなタイプの若者が音楽を聴くことで退屈な日常を抜け出していく様子が描かれている。
「A Night at the Gas Station」をテーマにしたMVの撮影場所として選ばれたのは、山梨にある廃ガソリンスタンド。「Wonderland」を歌うiriの姿と、ガソリンスタンドを舞台に繰り広げられる群像劇が交差していく内容だ。撮影は12月上旬に気温5℃という寒さの中で行われ、iriもスタッフもしっかり防寒をして撮影現場に入った。
現場に到着したiriはメイクを済ませたのち、MVの監督である新保拓人と念入りに打ち合わせを行った。新保監督はあいみょん、清水翔太、Official髭男dismらのMVを手がける1989年生まれの新鋭映像作家。艶やかなライティングやスタイリッシュな映像に定評がある。iriと新保監督はガソリンスタンドの待合室で向かい合わせになり、MVのコンセプト、ウォークマンの持ち方、ヘッドホンの掛け方など細かな部分について話し合う。
その後、待合室でリップシーンの撮影がスタート。カメラが回り始めるとiriは凛とした表情で、ワンコーラスをパフォーマンスした。「カット」の声がかかると監督が彼女のもとへ歩み寄り、ウォークマンの持ち方などをレクチャー。iriは監督の指示に真剣に耳を傾けたあと再び撮影に臨んだ。時間が経つにつれてiriの表情は和らぎ、動きもより伸びやかに。彼女はワンカットごとに監督と一緒にモニタをチェックし、真剣な眼差しで自身の表情や動きを確認していた。
休憩を挟んで、今度は待合室に入るシーンの撮影へ。iriが待合室のドアを開けるシンプルなシーンだが、外は息が白くなるほどの寒さ。凍えるような環境の中でもiriは笑顔を浮かべ、監督のリクエストに応じて撮影に臨んだ。
次のページ »
新曲「Wonderland」制作秘話