WACK座談会2024+全45名の手書きメッセージ

2023年、音楽事務所WACKはBiSH解散という大きな節目を迎えた。BiSHは2021年に「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たすなど躍進を遂げたが、2023年6月に東京・東京ドームでのワンマンライブをもってその活動に終止符を打った。

現在WACKに所属するグループは全7組。2023年、第3期BiSには新メンバー3名が加入し、GANG PARADEからは一部メンバーによる新グループKiSS KiSSが始動した。またExWHYZがグループとしてはWACK初となる東京・日本武道館公演を成功させ、“BiSHの意思を受け継ぐグループ”として男女混成6人組のBiTE A SHOCKがデビュー、ASPが2度目の東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)のワンマンライブのチケットを完売させた。そうした華々しい話題もある一方で、TBS系バラエティ「水曜日のダウンタウン」発のアイドルグループである豆柴の大群と都内某所は、2023年末に合併するという驚きの展開を迎え、今年1月に新グループ「豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL」として再スタートを切ることになった。

音楽ナタリーでは各グループの代表メンバーに集まってもらい、2023年を振り返る座談会を行った。登場メンバーは、ASPのマチルダー・ツインズとウォンカー・ツインズ、BiSのシオンエピック、BiTE A SHOCKのHANANO、ExWHYZのmikina、GANG PARADEのユイ・ガ・ドクソン、GANG PARADEとKiSS KiSS兼任のキャ・ノン、豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOLのレオナエンパイアの8人。2023年の経験を彼女たちはどう受け止め、2024年の活動につなげていくのか。

なお特集の後半には「WACK座談会」恒例の現役による手書きメッセージ&イラストを掲載する。今年は各グループに加えて、WACK所属のアイナ・ジ・エンド(ex. BiSH)、リチ(ex. 都内某所)も参加し、合計45名が参加。座談会と合わせて楽しんでほしい。

取材・文 / 田中和宏撮影 / 塚原孝顕

左からキャ・ノン(KiSS KiSS / GANG PARADE)、HANANO(BiTE A SHOCK)、ユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE)、マチルダー・ツインズ(ASP)、ウォンカー・ツインズ(ASP)、シオンエピック(BiS)、レオナエンパイア(豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL)、mikina(ExWHYZ)。※レオナエンパイアの衣装が前後逆になっています。

左からキャ・ノン(KiSS KiSS / GANG PARADE)、HANANO(BiTE A SHOCK)、ユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE)、マチルダー・ツインズ(ASP)、ウォンカー・ツインズ(ASP)、シオンエピック(BiS)、レオナエンパイア(豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL)、mikina(ExWHYZ)。※レオナエンパイアの衣装が前後逆になっています。

BiSHの意志受け継ぐグループの今:BiTE A SHOCK

──WACK各グループのメンバーを代表して、皆さんに集まっていただきました。まず2023年の活動をそれぞれ振り返っていただきたいのですが、BiTE A SHOCKは7月にデビューしてから約半年が経ちましたね。

HANANO(BiTE A SHOCK) 2023年は「デビューできた」ということが一番大きい出来事でした。それと同時に“BiSHの意志を受け継ぐ”というコンセプトを掲げた状態でのデビューにはプレッシャーがありました。BiSHという大きな看板を背負いつつ、それを自分たちの色に変えていく方法を模索しながら、自分たちのよさを探す段階にいて。いろいろなことを経験する中、全部が未知の世界でほとんど記憶がない日々を過ごしてきました(笑)。7月1日にメンバーが決定して、その2時間後には「THE MUSIC DAY」(日本テレビ系の音楽特番)でデビューして、まったく地に足が着いていない状態を経験したので、そのときと比べると今はメンバーそれぞれ、グループで活動するにあたっての自覚があります。

ユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE) そうなんや。テレビでオーディションもやって、BiSHのメンバーも出演していて、注目されてたからプレッシャーは確かにありそう。

HANANO オーディション参加時は合格するために必死でしたけど、グループのメンバーが決まったあとすぐにデビューだったので本当に目まぐるしい変化が起きました。でも今はがむしゃらにやるだけではなく、自分のためだけでもなく、ファンの方々とともに歩んでいけるように試行錯誤をしています。

ユイ・ガ・ドクソンとHANANO。

ユイ・ガ・ドクソンとHANANO。

──ここにいるメンバーだと一番キャリアが長いドクソンさんは、結成半年のHANANOさんからしたら大先輩ですね。

ドクソン もう私が一番長いのか……。2016年加入なので今年で8年になりますね。BiTE A SHOCKのメンバーはみんな面白いです。HANANOちゃんはラーメン二郎が好きで、SAORiちゃんはピンク色が好きとか、そんな話をしたことがあります。自分が入りたてのときと比べものにならないくらいしっかりしてるなって思います(笑)。

──WACKに入ってくるメンバーのレベルが高くなってるんですかね?

mikina(ExWHYZ) どうなんですかね? 渡辺(淳之介 / WACK代表)さんが選ぶ基準、芯にあるものはずっと変わってないと思います。変化があるとしたら時代かな。今の時代にハマるキャラクターとか、いろいろ変わってると思うので。

ドクソン 時代ねえ。でもWACKを知っている人がオーディションを受けに来るようになったのは変化ですよね。同期のココ・パーティン・ココとかユユ(テラシマユウカ)とよく話すんですよ。最近のオーディションにうちらが参加してたら100%落ちてるだろうって(笑)。BiTE A SHOCKは歌もダンスもすごいし、メンバーそれぞれが本当に面白いんですよ。それを世間に伝えたい! バイショの広報部長に立候補します!

HANANO ありがとうございます! いろいろ発信していけるようにがんばります。

見てください、この汗!笑顔!:BiS

──BiSの1年はどうでしたか? シオンエピックさんは3月に加入した新メンバーですね。

シオンエピック(BiS) 今年に入ってからの話になっちゃうんですけど、特に印象に残っているのは、1月4、5日にやった24時間ライブです。人生で初めての徹夜がこのイベントで、途中で半目になりそうでした(笑)。でも研究員(BiSファンの呼称)の熱量が特にすごくて、一体感を感じました。24時間で大きな輪を描けたというか。

シオンエピックとmikina。

シオンエピックとmikina。

キャ・ノン(KiSS KiSS / GANG PARADE) BiSの24時間ライブ、ニコニコ生放送で観ていました。去年はシオンとかが加入した2カ月後くらいにBiSとギャンパレでツーマンツアーをしたんです。オーディションのときもシオンのことを見ていましたが、24時間ライブではすごく堂々としていて、日々がんばってきたんだなと思いました。“BiSギャン”のツーマンのとき、シオンがMCで「見てください! この汗!」と言ってたのがすごくよかったんですよね(笑)。誰にも真似できない独自の話術を持っていると思うので、もっとライブで観てみたいなと思う存在です。

シオン 私のMCですか? なんも考えてないですけどね。あと「thousand crickets」という曲でひたすらスクワットをする振付があって、最初はヘロヘロでしたけど、最近はがんばれてます。でももうちょっとがんばりたい。デビューライブのときは周りのメンバーに笑われたんですけど、今は私が笑っている感じです。

ドクソン X(Twitter)で「シオン、サボってない?」ってコメント見たことある(笑)。

シオン 私の笑顔から余裕がにじみ出て、そう見えてしまっている可能性があります。あとグループ内のことで言うと、メンバー同士の仲がよくなりました。私がこんな感じなので全然しゃべらなかったんですけど、「みんなでライブをがんばろう」という気持ちを以前よりも声に出して話すようになって。そしたら笑顔の多いチームになってきました。今、WACKの中で一番がんばらなきゃいけないグループはBiSだと思っていて、メンバーの誰がリーダーシップを取るとかいう話でもなく、すべてを全員で決めて、進んでいます。