渡辺淳之介はどういう存在か？

──WACKが世間的にいろいろ言われている部分もありますけど、皆さんは所属アーティストとして、WACKをどう捉えていますか？

ナオ　私はAKB48さんとかハロプロのグループといったいわゆる王道アイドルではないというイメージがありました。カッコいい曲が多いからWACKを好きになって、それでWACKに入りたいと思いました。でも難しいですね、WACKがどういうものかを言葉で表現するのは。

MiDORiKO　プロデュースはもちろんしていただいているんですけど、そのままの自分で輝ける場所だなあと思います。ほかの事務所がどうかはわからないですけど、私はそう思います。

──渡辺淳之介さんは豆柴の大群の余波もあってか、SNSでいろいろと言われがちですが、渡辺さんがいなかったら皆さんの現在はないと思います。

チッチ　渡辺さんってたぶん、世の中的にすげー嫌な奴って思われている節がありますよね。でも渡辺さんは人を切り捨てられないくらい人が好きだし、本当に奇才だと思います。BiSHがここまで来られたのは渡辺さんと一緒にやってきたからだって全員わかってるから渡辺さんのこと大好きだし。WACKの子たちはみんな同じ意見だと思う。マジで面白い大人っていたんだなって。

月ノ　渡辺さんは誰よりもWACKにいる私たちを守ってくれる人ですね。WACKには「今まで誰もやってこなかったことをやっちゃおうぜ」という精神を感じます。そういう面があるからこそ周りから厳しいことを言われることもあるんですけど、そういうときに誰よりも自分が盾になるかのように渡辺さんが守ってくれているからこそ、私たちはここにいられるんです。WACKに入って渡辺さんのことを好きにならない人はいないと私も思う。渡辺さんに付いていける人間でありたいなと思ってます。

トギー　すごく愛があるなと思います。人のことをこんな愛せる人いるんだなって。社長だから自分の会社に所属してるグループに愛があるのは当然かもしれませんけど……その愛の大きさがすごくて。批判とかが私たちに向かないようにわざと、渡辺さんのほうに批判がいくように仕向けているようなときもある。「厳しいこと言ってるなー」と思うことがあるかもしれないですけど、すべてグループのためを思って言ってることなんです。例えば2期BiSの「BiS.LEAGUE」（BiSを2チームに分裂させ、CDやグッズの売上枚数を競った企画）とかけっこう批判されたんですけど、見ている方から批判されるようなことも、全部グループのことを考えてやってることなんです。そのあたりをもうちょっとわかってほしいなって思います。世間的に渡辺さんは「誰かをいじめたいだけの人」みたいに思われているときがあるから。ちげーよ！って。

ユメカ　悪く言われているのがSNSで流れてきたりすると悔しくなるときはあります。私は渡辺さんの考えに憧れて、尊敬の気持ちを持って関わりたいと思ったからオーディションを受けたんです。そういういい部分を知らないで好き放題に言っている人のコメントを見ると悲しい気持ちになります。もっと渡辺さんのことを知ったらきっと「こんなカッコいい大人の考えがあるんだな」と思うのに。

チッチ　WACKの中で渡辺さんが一番、好奇心旺盛で少年なんですよね。松隈さんもそうだし。あの2人がずっと少年だからいい曲ができるし、いいグループやメンバーが生まれてくる。それが一番大事なんだと思う。2人の純粋な探求心と、ベクトルが全部面白い方向に向かっているから。それあってのWACKだと思う。

MiDORiKO　少年の心を誰よりも忘れてないのに、誰よりも頭がよくてどんどん面白いことを見付け出して。マジ天才だと思うし、超エンタテイナーだなって感じてます。

──渡辺さんはファンを裏切らない人でもありますよね。例えばBiSHツアーの松山公演がイベンターの事情で中止になったとき、同じ日に「#BiSHお遍路」と銘打って愛媛県内をお遍路めぐりして、別の会場を押さえてライブも開催して。

チッチ　誰も悲しませたくないんですよ。だから何かマイナスなことがあったら、必ずそのお返しができるように埋め合わせをすることを一番に考える人だし、そういうときは赤字をまったく恐れてない。そんなことよりも、悲しませてしまった人を楽しませてあげたいという気持ちが一番にくるから。そういうのって、いいですよね。

MiDORiKO　EMPiREもツアーファイナルの前日にMAYUちゃんがインフルエンザになって、急遽5人でライブをしたんです。だけど本当に急にいろいろ手配してくださって年明けに6人でリベンジができました。「お客さんのためだから」と言っていましたけど、実際にアクションをすぐに起こすのって本当にすごいなと思いました。

3月の恒例行事「WACK合同オーディション」に向けて

──WACK所属メンバーは今や40名と大所帯です。ナオさんはほかのグループのメンバーと話すのがほぼ初めてに近いですよね？

ナオ　イベントでもお会いしたんですけど、そこまでお話をしてなかったので今日を含めてこれからという感じですね。

MiDORiKO　あ、MAYUちゃんがごはん食べたいって言ってました！「遊ぼうよ」みたいな感じで。

ナオ　え！本当ですか！やったー（笑）。私、去年の3月に「WACK合同オーディション」に候補生として参加させていただいて、そのときは落ちてしまったんですけど、合宿中MAYUさんは感謝し切れないぐらいよくしてくださったんです。

月ノ　今年は私も含め、この中にも合宿に参加するメンバーがいますね。

──今年3月に長崎・壱岐島で開催されるオーディション合宿には、現役メンバーからチッチさん、月ノさん、MiDORiKOさん、チャントモンキーさん、ウルウ・ルさん、ナオさん、任意でWAggのメンバーが参加しますね。ついにチッチさんも行くことになりました。

チッチ　そう。今年、行くんですよ。

──「WACKなりの甲子園」で発表があったとき、「リンリンだと思ってた」と言ってましたね。

チッチ　ああは言いましたけど、正直、自分だと思ってたんですよね（笑）。渡辺さん、絶対今年は私を選ぶなってずっと思ってて。でも発表前、渡辺さんが面白がってBiSHからリンリンが参加するっぽい雰囲気を匂わせてたんで、リンリンは「絶対自分に来る」って思ってたみたい。でも「いや、絶対に私を選んでるな」って直感的に感じてました（笑）。ただびっくりしたけれど、嫌じゃないんですよ。ちなみに合宿って1週間あるけど、24時間撮られ続けるの？

ナオ　そうです。

チッチ　寝てるときは？

月ノ　寝てるときもニコ生が回ってます。

チッチ　えー……ヤバ。

──MiDORiKOさんはどうですか？

MiDORiKO　私、ヤバいんですよ（笑）。修学旅行の就寝時間に絶対にみんなと一緒に寝たくないから逃げてたくらいだったので、私の場合は寝るところからチャレンジです（笑）。あとお風呂も床に落ちてる髪の毛とか考えるとゾワゾワして気持ち悪くなって、軽くゲロみたいなのこみ上げてきちゃう。風呂掃除のときに使う長靴を持って行って、足からゾワゾワが全身に伝わらないようにします。

──合宿に向けた意気込みは？

MiDORiKO　現役メンバーとしてEMPiREを背負って、やってやりますよ。私は候補生としても合宿に参加したことがないので、候補生のためにどう動けるかみたいなところを合宿までに考えないとなって思ってます。

月ノ　私は2年前に候補生として参加してGANG PARADEに加入しました。でも2年前とはやっぱり背負うものの大きさが違いますから、いろいろ考えないと。でも考え方によっては、グループを背負うという意味で1人じゃないので、心強さもあります。最初は重く受け止めちゃってたんですけど、「1人じゃない」という心持ちで臨みたいです。2年前に候補生として行った経験を生かして、まだ見ぬ候補生たちの子たちに教えられることを全部教えたいなと思いますし。厳しくも優しく接していけるような存在で。

──ナオさんは昨年が候補生、今年は現役メンバーとしての参加です。

ナオ　2年連続で参加するとは思わなかったので、すごく不思議な感じがします。今年は、「去年の自分とは違うんだぞ！」というところを見せたいです。グループを代表して行くので、まずはグループにいい影響を持ち帰れるようにしたいし、候補生の立場もわかるので……ちゃんとしたいです！

──BiSからはチャントモンキーさんが参加しますが、何か言ってましたか？

トギー　びっくりしてましたよ。あとグループを背負って行くことにプレッシャーを感じて怖いって。BiSとしてどう見られたいのか、そういうところをもっと4人で話し合って、気持ちを固めて行ってもらって、「BiSってこんなんなんだ」と悪く思われないようにできたらいいなって。1つ不安があって、チャントモンキーは苦手な食べ物が多くて。生魚とか納豆とか食べられないんです。

MiDORiKO　え！大丈夫なの？

月ノ　お魚とかたぶんめっちゃ出るよ。

トギー　ヤバーい！

MiDORiKO　チッチさんは……納豆が大丈夫かな……。

チッチ　私、嫌いなものがマジ多いんですよ。納豆もダメだし、基本的に体にいいものがめっちゃ嫌いで。早起きも嫌いだし。嫌いなものが多いんですけど……。でも選ばれたのには全員意味があると思ってるんで。

──そうですよね。

チッチ　今年は豆柴の影響もあって、「WACK合同オーディション」をチェックしてくれる人が例年よりも多いはずです。そんな今年の合宿に選ばれた1人ひとりは意味があると思って、自信を持って全員挑んでほしいなって思います。人ごとみたいですけど、私もがんばります（笑）。

一同　（笑）。

チッチ　私自身、合宿に参加する意義についてはすごく考えるところがあるし、みんなでがんばりたい。WACKは悲しいオーディションばっかりなんで、あんまり悲しくないのがいいなって思うんですけど……どうせ悲しくなるんだろうなって思う（笑）。

──まだどうなるかはわかりませんよね？

チッチ　うーん。「どうせ悲しくするじゃん」なんて思うんですけど、どうなるかな。

──去年は第2期BiSの解散発表があって。

チッチ　まああれはタイミングですよ。合宿ではきっと救ってあげられる人がいると思うので、がんばりたいですね。

──アンズピアさんは参加する予定ですか？

アンズピア　はい。実はWAggって立ち位置が一番難しいんです。候補生の方々に教えてあげる立場だけど、研修生なのでライバルでもあって。みんなWAggとして参加して、合格するかもしれないし、落ちるかもしれないっていう中で合宿に行くんですけど、去年はみんな初めてだから、どうしたらいいか困る部分が多かったです。例えばマリンちゃん（マリン・バ。2019年6月に脱退）とサヤアイトが合宿中に落ちたタイミングが一緒だったんですけど、マリンちゃんは1人でも大丈夫だってWAggのみんなが思っていたんです。そのせいで手を貸せなかった部分がたくさんあったんです。

──グループのメンバーでもあるし、ライバルでもあるし。難しいですね。

アンズピア　はい。去年の合宿では2日目に“WAgg対マリンちゃん”という構図になってしまって。でもそのときに「大丈夫？」と言ってあげられればよかったんですけど、“参加者はみんな敵”みたいな状態になってしまっていたので、そんな言葉もかけられませんでした。今年はWAggとしてみんなの決意が固まっているので、個人プレイじゃなくてWAggとして合宿に参加しようと決めました。

チッチ　がんばれば、今年も昇格あるんじゃない？何が起こるかわからないのがWACKだから。

MiDORiKO　そう。何があるか本当にわからない。

チッチ　○○と○○がトレードとか。

MiDORiKO　ちょっと待ってください！今のトレードのところ、例え話でも誰がどうなるって書いちゃダメですよ（笑）。

月ノ　言霊の力ってけっこうあるんですよね……。

チッチ　そういうの、あるよね。言っちゃったらそれが本当になっちゃうみたいなのが、WACKでたまにある。