豆柴ブームを考える
──「水ダウ」における豆柴の大群の反響を見て、テレビの影響力は本当にすごいと感じました。
MiDORiKO CDのリリース週がEMPiREと一緒だったんですよ。タワレコに行くたび豆柴さんが展開されている棚の前に必ず人がいて、「これがテレビか、すげー!」って感じました。
ユメカ 私の友達が気付いたらチェキ会に行ってました!
アンズピア 友達同士が「『水曜日のダウンタウン』観た?」って話をしていて、みんな知ってるんだなって。
──しかもTwitterのフォロワー数もいきなり10万、20万超えという急激な増加数で。何かひと言呟くだけで大量の反応がある状況に冷静でいられますか?
ナオ いや……まだ私たちその状況に付いていけてなくて。応援コメントだけじゃなくて、変なコメントもあるんです。なんか……人間ってすごいな、いろんな人がいるんだなって感じています。
──いきなり多くの人の目にさらされるという経験って、なかなかないですよね。
MiDORiKO それで言うとEMPiREも、下積みもなくエイベックスからメジャーデビューしましたし、いきなりなのでプレッシャーをめちゃめちゃ感じながらのデビューだったんです。でもそれとは比較にならないくらい豆柴さんはものすごく大勢の人が注目しているから、プレッシャーはエグいだろうなと思います。
──豆柴の大群に注目が集まっていることについてどう思いますか?
チッチ うーん、BiSHは全然気にしてなくって。なぜかと言うと、数って見え方として一番大事だと思うんですけど、ぽっとテレビで出た数と5年間積み重ねてきた数って全然違うと思うんです。みんな重ねてきたものが1人ひとりあるので、それを大事にできたらWACKはいいかなって思います。だからあんまり気にしてる子はいないんじゃないかなと思うんですよ、WACKの中には。いるとしても、それってけっこう無駄な時間だと思う。豆柴も豆柴で絶対大変だと思うんですよ。今が一番のピークだから。そこをどう自分たちのものにしていくかが悩むところだろうなって。
月ノ 豆柴の大群さんがテレビに出るたびにWACKがTwitterでトレンド入りしているのを見て、WACKが世に広まるのを目の当たりにしている感じでした。豆柴さんもそうだし、テレビによって去年1年、WACKが世間に広まった年だと思います。だからより一層WACKの一員としての責任感は感じますね。テレビで豆柴さんを知ったお客さんの心をつかめるぐらいのライブを絶対してやろうという気持ちでいます。
トギー BiSは初めて歌ったとき、うまくいかなくてボロボロでした。だから豆柴の大群がテレビでパフォーマンスを初披露して、たくさんの人に観られている状況ってすごく怖いなあと。“やっとテレビに出られた”みたいな状態なら心構えができると思うんですけど。
月ノ 経験もあるしね。
トギー そう。経験もあるし、いいものを見せられると思うんです。みんな素人ではないにしても、場数を踏んでない状態で大きい場所でお披露目っていうのは、正直怖かったんじゃないかなって。
ナオ テレビで初披露っていう本当にめったにない経験をさせてもらったので、それに対するプレッシャーはすごくありました。期待してくれてる方が多い分、その期待に応えなきゃいけないですから。
──プロデューサーを解任されたクロちゃん(安田大サーカス)への感謝も大きいですよね?
ナオ メンバーを選んでくださったのはクロちゃんなので、本当に感謝しかないです……プロデューサーとしてはとてもいい人でした。
──豆柴の大群にWAggだったハナエモンスターさんが加入したことで、WAggを知る人が今までより増えました。
アンズピア 今までもナルちゃん、ウルウ・ルも卒業していったんですけど、一番WAggを知ってもらえたのは豆柴さんのおかげです。WAggも認知度が上がったので、個人的にはプレッシャーを感じている部分もあります。
──でも、チャンスですよね。
アンズピア はい。今がちょうどそのチャンスだと思うので、みんなでがんばっています。
ナオ ハナエはWAggでの経験もあってか、やっぱり見せ方がわかってるなあと思います。表情1つにしても、アドバイスしてくれてるんですよ。普通はほとんどの人が「笑顔か、笑顔じゃないか」の2パターンしかないと言われてるんですけど、細かく教えてくれます。笑顔だとしても、微笑みなのか全力の笑顔なのか、ちょっと不敵な笑みっぽいのかとか。
チッチ そんなこと考えてライブしたくないよ(笑)。
ナオ 確かに(笑)。でもそれを知っていれば、曲によって自然と表情が変わってくるということで。自分でそうやろうって思ってやるんじゃなくて、それが自然に出るようにパフォーマンスしようという気の持ち方が大事で。そういう意味で意識は高いです、やっぱりハナエは。
──WAggのメンバーとしてもハナエさんは誇らしいですね。
アンズピア はい。
チッチ でも悔しいと思うでしょ? 正直。
アンズピア 正直……思います。
──番組を観ていた人のほとんどは、ハナエさんがWAggにいたことを知らなかったわけですよね。
ナオ そうですね。
チッチ っていうか、ほぼ知らないですよね。友達に豆柴のことを聞かれて、「ああ、あの子はもともとWACKのグループにいた子だよ」と言うと驚かれる。でも「なんか騙されたわ!」と思う人がいるのはなんだかなあって感じ。
ナオ 「出来レースかよ!」みたいなことをずっと言われているんですけど、豆柴の大群の人選に渡辺さんは一切関与してなくて。本当にクロちゃんが選んだメンバーなのに、なかなか信じてもらえないというか。
チッチ 「もともとWACKにいたんかい」って思う人もいるんでしょうね。どうでもいいのに。
──衣装が変わった話にしても、批判が殺到していましたね。
チッチ それくらいWACKのことを知らない人が注目しているということですよね。あと、言いたいだけの人もたくさんいると思うから。豆柴って大変そう。
ベクトルの違うバカに情緒不安定、個性豊かなWACKメンバー
──豆柴の大群以外にも2019年で自身の所属グループ以外で印象的だと思ったことを聞かせてください。
ユメカ BiSさん! 2019年はいっぱいBiSさんと関わらせてもらいました。駅伝で対決もしたし、ライブを一緒にすることも多くて。しかも同じ4人組じゃないですか。みんな身長は小さいのに、ステージを存分に使い切るようなパフォーマンスがすごいなって思いました。今、振り付けを考えているんですけど、なんか面白いですよね、BiSさんの振り付け。
トギー え?(笑)
ユメカ いっぱい動画を観てますよ!
トギー あ、ありがとうございます。
ユメカ どうやったらもっと全力で踊ることができるかなと思って、トギーさんを見て研究してるんですよ! 「自分はもっと膝を曲げないとな」とか。BiSさんすごいです! 私もがんばります!
トギー あ、がんばりましょう!
ユメカ (トギーに手を差し出しながら)ありがとうございます。
チッチ なんかお互いバカだけど、ベクトルが違うバカで(笑)。
ユメカ 本当ですか!? ファンの皆さんにもけっこう言われるんですよ、「トギー並みの声のでかさ」って。でもなんかたぶん違う感じですよね。どんな感じの違いですか?
チッチ えー……どんな感じですかね(笑)。バカだなって思いますけど、うるさい……(笑)。
ユメカ そうですよね! すみません! でもチッチさんに言われたらうれしいです。
MiDORiKO うれしいって何(笑)。
チッチ BiSHが本当に静かだから、6人で会話をしても、よっぽどのことがないとうるさくならない。日常的にこのくらいうるさい人がいたら、たぶん辞めるなって思います。
ユメカ わー!
一同 (笑)。
──BiSHのメンバーは確かににぎやかなイメージがないですけど、ほかのグループはどうですか?
月ノ GANG PARADEは人によってはうるさいけど、苦じゃないです。
チッチ バランスが取れてるよね。
月ノ そうですね。寡黙にずっと携帯いじってる人もいれば、もうワーッてしゃべり倒してる人もいる。全体で見るならうるさいかもしれないです(笑)。10人いますから。
MiDORiKO EMPiREもにぎやかですよ。よくふざけてるんですけど、いつもYU-KiちゃんとMiKiNA(EMPiRE)ちゃんが大体うるさい。で、その2人につられて周りもテンション上がってきちゃうと全員で騒いだりして、怒られたことあります(笑)。1回楽屋にいたときにみんなで歌っちゃってたんですけど、隣の部屋で会議をやってたことを知らなくて。そしたら「会議中なんで」って。それぐらいにぎやかです。
──グループによってやっぱり全然違いますよね。BiSはどうです?
トギー BiSはうるさいです。歌っていたり、笑っていたりすることが多いですね。全員声がでかくて。
月ノ あはは(笑)。会話のボリュームが全部でかそう。
トギー そうなんですよ。だから普通の会話も騒がしく聞こえるかもです。
MiDORiKO BiSを見てて、仲よさそうだなって思う。
トギー 全員同期ということもあって、こうなってます。
──WAggはどうなんですか?
アンズピア みんな明るいんですけど、会議とかインタビューとかになったら、みんな涙もろいのですぐ泣いたりしてしまいます。
──感受性が豊かなんですね?
アンズピア 情緒不安定が多いんですよ。
MiDORiKO ちょっと! 心配なんですけど(笑)。
チッチ やだなあ……メンヘラグループみたいで(笑)。
アンズピア あっ! それは違います! 安心してください。
──CARRY LOOSEはうるさいと評判のユメカさんがいて……。
ユメカ でも私だけじゃないです!
MiDORiKO パンちゃんもうるさいよね。
ユメカ パンちゃんうるさいですー! YUiNAちゃんも変だし、ウルちゃんも意外とツボが浅くてすぐ笑い転げちゃうんですよ。やるときはやる! でも笑っちゃう。
MiDORiKO 何を言ってるんだよ(笑)。
──ライブではそういうゲラな感じが出ていないですよね。
ユメカ そうなんですよー! こんなに仲がいいのに、フリートークが下手くそなんです。ツアーでもMCが全然で。みんな超面白いのでもっとキャラを出して、1人ひとりのよさが出せる2020年にしたいです。
──CARRY LOOSEがBILLIE IDLEとツーマンしたときに、ユメカさんがプー・ルイさんに「解散を3回も経験した先輩」「こんなに辞めた人が集まるライブはもう一生ないだろう」と言って、お客さんの笑いを誘ってました(参照:BILLIE IDLEの魂をCARRY LOOSEに継承!? 最初で最後の新宿LOFT競演)。
月ノ あのMCめっちゃ面白かった! 1期、2期BiSも含めて「この中には辞めたことのある人がいっぱいいます!」みたいな。CARRY LOOSEにとって必要な武器になる気がします。ユメカちゃんのこの勢い。
ユメカ そうですか! ありがとうございます!
──豆柴の大群は?
ナオ 精神年齢の低いメンバーが2人いまして、アイカ(・ザ・スパイ)とミユキ(エンジェル)なんですけど、ずっとわちゃわちゃしてます。でもアイカとミユキは場を盛り上げてくれるので、ありがたいなと思うときもあれば、「ちょっと今は静かにして!」と思うこともあります(笑)。カエデは入ったばかりなので1人で黙々と練習をしています。
──率先して意見を出す人がいるんですか? それともみんなフラットに話す?
ナオ 現状、意見を出すのは私とハナエがほとんどです。アイカとミユキはうるさいんですけど、あんまり自分から意見を出さないので、そういうときに出したほうがいいよってよく言います。
MiDORiKO その通りだね。
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渡辺淳之介はどういう存在か?