大森靖子&ピエール中野(凛として時雨)
による出演者紹介
「アイドルシーンの今」を切り取りたい
──お二人がプレゼンターになった経緯は?
ピエール中野 何年も前から、鹿野さんに「アイドルについて教えてほしい、その奥を知りたくて」って言われてて。
──そうだったんですね。そのときはどう思いました?
中野 「全然いいですよ!」って。なんなら「こっちおいでよ」って感じでしたね(笑)。で、その流れで去年「実は埼玉に根付き始めているビバラとして、アイドルとネットミュージックなどを主軸にしたフェスを開催しようと思っているんだけど、自分がブッキングしても絶対にうまく行かないし、そもそもブッキングするリアリティーもなくて。ご一緒にできたりするかな?」って相談されたんです。それで「やりたいです! むしろなんでもやります!」って伝えたら、正式に「ビバラポップ!」の話が来たっていう流れです。
──大森さんはどのタイミングで?
中野 そのときに「やるなら大森さんも誘ってほしい」と言われて、じゃあ3人で会いましょうって初めて会ったのが去年の12月とか。そのときに鹿野さんと「このフェスでどういうことがやりたいのか」「そういう場で僕らは何ができるのか」など話し合っていきました。
大森靖子 私は去年、いろんなアイドルの歌詞が入った「IDOL SONG」っていう曲を作ったんですけど、それは“アイドルシーンの今”を切り取ったものが作りたいという気持ちで作ったんです。例えばアニメとかマンガとかって、2次創作でその時代を切り取った作品がよくあるんですけど、アイドルにはそれがないなと思っていて。それはみんなそれぞれに推しがいて、それぞれが1つのところに行ってしまうからなんですけど。でも歌の中でならそれが作れるなって思って「IDOL SONG」を作ったんですね。で、そういうことをいつか現場でもできたらと思っていたので、「ビバラポップ!」でできるなら、という気持ちでプレゼンターの話を受けました。
──ブッキングはどうやって進めていったんですか?
大森 まずは夢を語り合うところから始めていきました。「理想のラインナップはこうで、こういうことをやりたい」というのを挙げていき、それから一緒に考えていこうと。その段階で、私はハロー!プロジェクトのアーティストさんを挙げましたね。
中野 ハロプロに詳しくないときから、大森さんが僕をハロプロのコンサートに連れて行ってくれていたんです。だからどういう人たちか、どういうパフォーマンスをする人たちかということはわかっていたので、大森さんがハロプロのアーティストを呼びたいと言ったとき、まったく異論はなかったですね。例えば今回出てくれるこぶしファクトリーは「バンドセットで観てみたいな」と思っていたんですけど、初めてバンドセットでのパフォーマンスに挑戦してくれることになって。そういうことも僕が関わることで実現することができたと思ってるんですね。だから今回ブッキングを進めていく中で、鹿野さん、大森さん、僕のうち誰か1人だけでやっていたらできなかったラインナップだなと思っています。
アップアップガールズ(仮) / 吉川友 / 欅坂46
──ここからは出演者を1組ずつ紹介してください。ではアップアップガールズ(仮)から。
大森 私は2013年の「TOKYO IDOL FESTIVAL」でアップアップガールズ(仮)と踊るっていう内容のパフォーマンスをしていて。そのときって、アイドルとロックのクロスオーバーが始まったくらいの時期で、同じ年に後藤まりこさんもTIFに出てるんですけど、2人共「アイドルに負けてたまるか!」って気持ちで臨んでいたんですよ。そんな中、一緒に出たアップアップガールズ(仮)がめちゃくちゃいい子たちで救われた(笑)。
中野 すごくいい子たちだよね。パフォーマンスも素晴らしいし。
大森 アップアップガールズ(仮)メンバーが2014年に富士山に登ったんですけど、そのときの感想を聞いたら「暇だった」って。めちゃくちゃいい子たちじゃないですか?(笑)
──(笑)。
大森 きっかの曲は私が作詞作曲、サクライさんがアレンジを担当してるんですけど、毎回「これをきっかに歌ってもらったらどうなるか?」ってサクライさんと勝負してる感じで。結果として勝敗はわかんないんですけど(笑)。きっかの人間的には……人間で一番適当なやつで……適当って言うか雑? うーん……褒めたいんだけど(笑)。
中野 でも2人で作ってる曲、めっちゃいいよね。
大森 でしょ! だからみんなに観てほしいです。当日はバンドで出てもらうので、面白いと思います。
中野 欅坂46はかなり早い段階に知って衝撃を受けて……でもなんか「好き」って言っちゃいけないような空気があったんですよね。でも大森さんと一緒に有明コロシアムでのワンマン(2016年12月)を観に行ってビックリして。さすがに「ハマった」って公言しましたね。楽曲もパフォーマンスもすごかった。欅坂46のライブって、今や全然チケットが取れないので、こういう場所でぜひ多くの人に観てほしいですね。
大森 最初に観たとき、「私に近いこと、ブクガとかゆるめるモ!とかがやってるようなことをこんな大きな規模でやられちゃうんだ」っていう感覚でした。「あなたの孤独と向き合うために私も孤独でいます」ってスタンスが表現されていると言うか……「それって私にしかできないことだと思っていたのにどうしよう、仕事なくなる」と思いました(笑)。それでも好きと言わざるを得ないくらいすごくて。呼ばざるを得ないですね。
こぶしファクトリー / 鈴木愛理 / sora tob sakana
大森 こぶしファクトリーはすごく歌を大切にしている人たちです。今回はバンドセットでやると、その歌がどうなるのかを見てほしいですね。最新曲は「これからだ!」って曲なんですけど、「やってやるぞ!」という気持ちが歌にこもっているので、そこも楽しみにしてもらいたいです。
中野 バンドセットは今回初めてなんですけど、バンドサウンドがハマると思う。今回のライブをきちんと見せられれば今後もバンドセットで出演する機会も出てくると思うので、「ビバラポップ!」がそのためのいい機会になってくれるといいですね。
大森 鈴木愛理さんはソロで活動を再開されたばかりなので、タイミングがよかったなと(参考:元℃-ute鈴木愛理がソロ始動、ダンスナンバー連発ソロライブ11公演決定)。アーティスト歴も長いので、抜群のパフォーマンスを見せてくれると思います。あとかわいいし!
中野 アイドルからもすごくたくさんの支持を得ていますよね。
大森 そうそう。例えば今回出演するLaLuceのセンターの阿部菜々実ちゃんは、「鈴木愛理ちゃんが理想のアイドル像」と公言していて。そういう子がフェスで一緒の舞台に立てるのはいいですよね。
中野 フェスって、そうやって出演者が楽しみになるようなフェスであるべきだと思う。
大森 うん。そういうつながりは今回けっこう考えてます。「こことこことを引き合わせたいな」とか。タイムテーブルも「この子はあのグループを見たいだろうから、見られるくらい時間を離してあげよう」とか考えて組んでいます。
中野 sora tob sakanaは「楽曲にビックリした」というのが第一印象ですね。
大森 絶対に好きだと思ったので、CDを聴いてもらったんです。
中野 そしたらやっぱり大好きだった(笑)。サウンドプロデューサーの子(照井順政 / ハイスイノナサ、siraph)がもともとやってたバンドも好きで。こういうエッジの効いた表現をしているグループはいいですね。
大森 「この人にもらうCDは絶対に聴こう」って思わせてくれる耳の早いオタク友達がいるんですけど、その人が持ってきたCDの中にsora tob sakanaがあって。聴いたらめちゃくちゃよかったです。以前「ピエールフェス」で一緒になったんですけど、アイスを買ってきてもらっただけで楽屋でめっちゃはしゃいでいて(笑)。その感じも好きです。
- VIVA LA ROCK EXTRA ビバラポップ!
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2018年5月6日(日)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 20:30 - 出演者
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プレゼンター大森靖子 / ピエール中野(凛として時雨)
LIVE大森靖子 / こぶしファクトリー / 鈴木愛理 / DJダイノジ(大谷ノブ彦) / Negicco / ばってん少女隊 / BiSH / Maison book girl / ゆるめるモ! / ラストアイドルファミリー(シュークリームロケッツ / LaLuce / Love Cocchi / Good Tears / Someday Somewhere) / アップアップガールズ(仮) / 吉川友 / 欅坂46 / sora tob sakana / バンドじゃないもん! / 道重さゆみ / LADYBABY
MC遠山大輔(グランジ) / ぱいぱいでか美 / 吉田豪 / 団長(NoGoD) / 西井万理那(APOKALIPPPS、生ハムと焼うどん)
- 大森靖子(オオモリセイコ)
- 愛媛生まれのシンガーソングライター。弾き語りスタイルでの激情的な歌が耳の早い音楽ファンの間で話題を集め、2013年3月に1stフルアルバム「魔法が使えないなら死にたい」発表後、同年5月に東京・渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブを実施。レーベルや事務所に所属しないままチケットをソールドアウトさせ大成功に収める。その後12月に2ndフルアルバム「絶対少女」をリリース。2014年9月にエイベックスからメジャーデビューし、同年12月にメジャー1stアルバム「洗脳」を発表。2015年には大森靖子&THEピンクトカレフ名義でアルバム「トカレフ」をリリースし、同バンドを5月に解散させる。同年10月には第1子を出産。2016年3月にメジャー2ndアルバム「TOKYO BLACK HOLE」、2017年3月に3rdアルバム「kitixxxgaia」を発表した。
- ピエール中野(ピエールナカノ)
- 凛として時雨のドラマー。高度なテクニックに裏打ちされたドラムプレイやステージで見せる独自のマイクパフォーマンスで多くの音楽ファンの支持を獲得している。カオティック・スピードキング、クリエイター集団・ZiNGのメンバーとしても活躍するほか、DJやコラム連載でもその才能を発揮。2011年より自主イベント「ピエールナイト」を開催している。2011年9月にドラム教則DVD+BOOK「Chaotic Vibes Drumming 入門編」「Chaotic Vibes Drumming 実践編」をリリース。2014年6月にさまざまなアーティストとのセッションを収録したミニアルバム「Chaotic Vibes Orchestra」を発表した。2018年7月には主催イベント「ピエールフェス THE FINAL」を開催する。