もっと愛をテーマにした曲を歌いたい

──1stフルアルバム「SWING」の次の作品は、最初からミニアルバムにしようと決めてたんですか？

星花（Vo）　私たちの中ではシングル的な扱いのミニアルバムをイメージしていて。シングルよりも曲数が多くて、いろんな側面を見せることができる盛りだくさんの内容にしたかったんです。

──今回は「LOVE」というテーマを設けていますが、「LOVE」という言葉にこだわった理由は？

星花　実は、この数カ月の間に私たちのスタッフさんが変わったんですよ。で、Savannaの曲を改めて聴いてくれたときに「Savannaって愛の歌が多いね」って言われて、確かにそうだなと思って。私にはいつまでも愛について歌っていたいっていう願望があるんですけど、改めて言われたことで「もっと愛をテーマにした曲を歌いたい」と思うようになって、メンバーに話したら「じゃあそれでいこう！」ってことになったんです。ちょうど今年は震災があって多くの人がいろんな愛に気付いた時期だと思うし、改めて愛をテーマに作品を作るというのも素敵だなと考えて。

──そういえば、Savannaのメジャーデビューシングルのタイトルも「OH LOVE YOU」でしたし。

星花　そうなんですよ！

──一貫してますね。今作の収録曲は、テーマに沿って新たに書き下ろしたものなんですか？

川合栄次（B）　アルバムのために新たに作った曲もあるし、「It's Power of LOVE」みたいに以前からあった曲も入ってます。

星花　札幌で活動してた頃からある曲で大好きなんだけど、今まで一度もCDに入れようって話にならなくて。

──じゃあなぜこのタイミングで入れることに？

星花　佐久間正英さんと一緒に仕事させていただけるって話がきたときに、「一緒にやるなら『It's Power of LOVE』しかないでしょ！」ってアイデアが出て。別に取っておいたわけでもなくて、なるべくしてこうなったんじゃないかなって思います。

小野貴博（G）　ライブでもずっと演奏してきたし、エースで4番みたいな曲なんだよね。

星花　いつでも出せるけど、常にベンチを温めてるみたいな（笑）。

佐久間正英との出会い、そして再会

──そもそもなぜ今回、佐久間さんと一緒に仕事することになったんですか？

星花　実はインディーズの頃に一度、ご一緒させていただいたことがあって。そのときは1曲だけだったんですけど、佐久間さんがプロデュースしたことで曲がものすごく華やかになったんですよね。ご一緒する前からこれまでの経歴は存じてましたけど、本当にすごいんだなって改めて実感して、またチャンスがあれば一緒にやりたいなと思っていたんです。でも、私たちのわがままでできることでもないし。今回こういうチャンスをいただいて、「だったら『It's Power of LOVE』を絶対やってもらいたいです」って言ったんです。

──佐久間さんが手がけた曲って、ほかの曲とはそんなにも違った仕上がりだったんですか？

星花　はい。そのとき、初めて東京でレコーディングしたんだよね？

小野　そう。東京ってすごいなって、そのとき思いました。

星花　東京ってすごいなって思ったことの1つが、佐久間さんの仕事の仕方というか。そこにちょっと圧倒された感じが強く残っていて。

川合　ものすごく緊張したレコーディングで。レコーディングの時間があまりなくて、僕らが緊張して何していいかわからない状況でも、佐久間さんは筋道を立てるのが早くて、しかもそれが正確なんです。すごく感動したんですよね、一緒にやらせていただいて。だから再びご一緒させていただくことが決まってからは、「大丈夫かな？ 前より成長してるかな？ 緊張しないかな？」って不安ばかりでした。

星花　佐久間さんが手掛けてきたGLAYとかJUDY AND MARYとか私たちと同じ北海道出身だし、なまら聴いてた世代なんですよね。だから、その時点でまず「すげえ！」って思って。そういうこともあって、漠然と仕事がしたいって強く思ってた部分もあります。

工藤竜之介（Dr）　僕もJUDY AND MARYが大好きで、一番初めに買ったシングルもジュディマリだったんで、最初はすごく緊張してたのを覚えてます。レコーディングでは、ドラムを叩くときにクリックに合わせられなかったし。でも、今回「It's Power of LOVE」を録った後に佐久間さんから、「何年か前より、当たり前だけどうまくなってるね」って言われて、めっちゃテンション上がりました（笑）。

──Savannaはこれまでに佐久間さんをはじめ、片寄明人さん、島田昌典さん、石田ショーキチさんといったそうそうたる面々をプロデューサーに迎えてますが、佐久間さんならではの特徴ってどういうところですか？

小野　あまりギターを重ねて録音してないのに、完成した曲を聴くとすごく華やかになってるところかな。ストレートだけど派手みたいところは、佐久間さんならではだと思いました。