ナタリー PowerPush - ビジャンドゥ
みんなの音楽、みんなのうた。1stアルバム「Vijandeux」完成
Noriの初ボーカル曲はギターを持ちながらレコーディング
──アルバムの幅を広げるという意味では、おしゃれなハウスナンバー「SMILE」では、Noriさんが初めてボーカルをとっていますよね?
Willie アハハハ。Noriくん、歌ってたよねー。ギター持ちながら歌ってた(笑)。
Nori そう、井上陽水さんばりにね(笑)。実際は歌録りだけのときも、ギターを持ってるとやっぱり違うみたいなんですよ。それって何でだろう? って考えたら、歌うときって必ずステージでもギターを持ってるし、逆に持ってないのが不自然だったんです。
──それにしても、なぜNoriさんが歌うことになったんでしょう?
Nori この曲は歌詞も歌も自分のレンジに合ってそうだな……と思ったので。僕のワガママです(笑)。俺の歌が入っててもいいかなーって(笑)。あとは俺がメインを歌うとWillieのパートもまた違った感じで聴こえるので、そういうバリエーションがあると面白いかな、と。
──歌詞は、それぞれのパートを自分で作詞したんですか?
Nori そうです。僕のところは「自分の哲学」的な部分も表現したつもりなんで注目してほしいです。笑顔に対する考え方というか、捉え方というか、すごく素朴なことを歌ってるんですけどね。
サザンのアンコールみたいな盛り上がり方をしたい
──ちなみに、Willieさんのラップ「♪Hey T take your time~」などに出てくる「T」は、どういう意味なんですか?
Willie 英語だと、親愛な人や大切な人の名前をアルファベットの頭文字で呼んだり、あだ名でTとかVとか呼んだりするんですよ。そういうニュアンスですね。
──じゃあ、誰かの名前とかじゃなくて?
Willie これについては、僕の母親の頭文字で……。
Nori え!? それは初耳だぞ!「T」は「タエコ(Willieの母親)」だったの?(爆笑)
Willie あぁ、うん、そうだね(笑)。あと、プロデューサーさんも高橋さんだし。
Nori あー。(制作から)何カ月も経って今言うんだー(笑)。
Willie でも「Treasure」とか「宝」とか、「T」はそれぞれが想像するものでいいと思うんだよね。自分が大切なものや、愛を育んでるものなら何でもいいし、そこはリスナーに委ねたいです。
──Willieさんから見て、Noriさんのボーカルはどうでしたか?
Willie 僕は中学校のときからNoriがバンドでギター&ボーカルやってたのも見てるし、歌えるのも知ってたんで。
──なるほど。
Willie ライブでやるとしたら、それまでずっと俺が歌ってたのが、いきなりこの曲でNoriくんがボーカルになるんですよね。いつかデカいところでライブをやれるとしたら、サザンオールスターズみたいに突然アンコールでドラマーが歌い出す……みたいな。そういう盛り上がり方をしたいな。
Nori はい、まさにそれを狙ってる感じですね(笑)。
歌詞は「謎が謎を呼ぶ」
──ところで、世界平和を歌った「UNITE」を始め、アルバムの中には、とてもスケールの大きな歌詞や曲が多いなと感じました。そもそもデビューシングル「ビューティフル・ネーム」からそうですけど、とにかくみんなで一緒に口ずさんだり、歌えたりするというのがビジャンドゥの曲の特徴ですよね。
Willie あぁ、確かにそういうニュアンスは大事ですね。いろいろな場所でライブをして強く思ったことでもあるし。例えば「Beautiful Angel」という曲は音がファンキーにウネってるから、それと一緒にみんなの腰もウネっていって……みたいな。
──なんかそれ、想像できて面白いです(笑)。
Willie リリックは「♪ラバンバ ランバ ランバ」とか、謎なのが多いんですけどね(笑)。
Nori 基本、Willieが書いてくるのは謎なので。
Willie だよね(笑)。でも俺は「謎が謎を呼ぶ」って思ってて。アクロバティックに出てきた言葉でも、何となくつながってる! って感じるものであれば面白いし、想像力をかき立てられていい場合もあるし。あと、俺は日本人だけどジャマイカの血が入ってるから、そういう自分のアイデンティティも出したいしね。
Nori それは大きいかもね。Willieがジャマイカのミックスだから僕らの楽曲にはジャマイカのテイストが感じられるし、もちろん日本のテイストも入れてるから、そのバランスがすごく面白く聴こえてくれたらいいなって思ってますね。
──きっとWillieさんの感性でしか書けない言葉って、たくさんあるでしょうし。
Willie はい。全然まだまだですけど、そういうテイストを出していきたいとは常に考えてます。
CD収録曲
- LA TA TI TODAY YO!
- WAVE
- Voice in the Sun
- HERE WE GO!
- SMILE
- Beautiful Angel
- 月
- UNITE
- バーニン☆ダーリン~KOISEYO DANSHI~
- STAND
- ワンタッチしたいキモチ
- KING OF 片想い
- ビューティフル・ネーム
ビジャンドゥ
ジャマイカ人の父と日本人の母の間に生まれたWillie(Vo)と、日本人のNori(G,Cho)による2人組。ユニット名は2人で紡ぐ“未来のビジョン”、そしてジャマイカと日本の“2つのカルチャー”の意味が込められている。Willieの温かく明るい歌声と、Noriのオーガニックなトラックは新世代のJ-POPユニットとして話題。2009年5月、ゴダイゴの名曲を独自のテイストでカバーしたシングル「ビューティフル・ネーム」でメジャーデビュー。