音楽ナタリー Power Push - ビッケブランカ
人生は最高だ!みんなに送る「GOOD LUCK」
ビッケブランカが2ndミニアルバム「GOOD LUCK」を完成させた。
前作「ツベルクリン」は打ち込みを駆使してビッケブランカが1人きりで作り上げた作品だったが、今回の「GOOD LUCK」は佐々木康之(G / ex. bonobos)、山崎英明(B / ex. School Food Punishment)、畑利樹(Dr / ex. 東京事変)をレコーディングメンバーに迎えて制作された1枚。普段からビッケブランカのステージをサポートしている面々とともに作った「GOOD LUCK」は、バンドサウンドを全面に打ち出した作品に仕上がった。
「ライブで完結する作品にしたかった」とビッケブランカが語る「GOOD LUCK」について、本人に話を聞いた。
取材・文 / 清本千尋 撮影 / 上山陽介
ライブで完結する作品を作りたかった
──10カ月ぶりの新作ですね。「ツベルクリン」発売時のインタビュー(参照:ビッケブランカ「ツベルクリン」インタビュー)のときに「聴いた人からどんな反応が出るのか楽しみです」とおっしゃっていましたが、リリース後の反応はいかがでしたか?
お客さんから「よかったよ」とか「ビッケさんの歌を聴いてがんばれそうです」みたいな言葉をもらったり、FM802で「秋の香り」がヘビーローテーションに選ばれたりしたことで、自分に自信が付きましたね。
──「ツベルクリン」は歌とピアノに打ち込みを加えて、すべて1人で作ったとおっしゃっていましたが、今回の「GOOD LUCK」は佐々木康之(G / ex. bonobos)、山崎英明さん(B / ex. School Food Punishment)、畑利樹さん(Dr / ex. 東京事変)という強力なサポートメンバーと一緒に作り上げたバンド色が強い仕上がりです。
「ツベルクリン」をリリースしたあとにワンマンツアーをやってみて、ライブでもっと自分の言葉を届けるにはどうしたらいいのかという課題が残ったんです。その課題をクリアするためにはどうしたらいいんだろうと考えたときに、ライブでサポートしてくれている人たちと作って、リリースツアーも同じメンバーで回って、ライブで完結する作品を作ろうという考えに行き着いたんですよね。
──それが「ツベルクリン」の反応を受けて、ビッケさんがたどり着いた2ndステップだったと。
そうですね。ツアーを経て、楽曲はCDの中で完結しているものという、作品に対して内側に向いていた矢印が全部外に向いた。みんなに届けっていう思いがより一層強くなりました。
ツーカーの仲のメンバーとだったから歌詞に集中できた
──ライブでいかに盛り上げられるか、みたいなところに重きを置いて作品を作るアーティストも少なくないと思います。でもビッケさんはそういうわけじゃないですよね?
はい。ライブバンドが有利みたいな、今の日本の音楽の情勢はまったく意識しなかったですね。僕はマイケル・ジャクソンのCDを聴いて音楽を好きになったし、音楽に対する初めての感動をCDから受けたから、音源というものに対する愛がすごく強い。CDだったり配信音源でもそうですけど、時代を越えていつでもどこでも聴けるのは素晴らしいことだとやっぱり思うし。
──ということは、音源の先にライブがあることが大事だった?
そうですね。ちょっと矛盾はするんですけど、“ライブありきの音源”ではなくて、“音源ありきのライブ”を作りたかったというか。それを軸にして「GOOD LUCK」を作っていきました。
──なるほど。このアルバムの制作にあたって、新しく曲を書きましたか?
「SPEECH」「ファビュラス」「TARA」はバンドで演奏することをイメージして書き下ろしました。ほかの曲はもともとあった曲を、バンドサウンドで聴かせたときにグッと来るようなアレンジに変えています。
──「アシカダンス」は「ツベルクリン」リリース直後にデモ音源をSoundCloudで公開してましたよね。
そうです。あのときは打ち込みだったんですけど、今回はゴリゴリのバンドアレンジです。もともと聴いてる人を勇気付ける歌詞なので、それに沿うようなサウンドを引っ張ってきました。
──ほかの曲も歌詞に引っ張られたアレンジが多いんですか?
はい。このアルバムで僕は言葉とサウンドを8:2くらいの割合で考えました。というのも、ツーカーの仲のバンドメンバーがいてくれたから、サウンドの面を自分で構築する必要がほとんどなかったんですよね。僕が8割歌詞のことを考えていても、思い通りのサウンドがちゃんとできあがっているという。そのおかげで今回はすごく歌詞に集中できました。
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収録曲
- Wednesday
- SPEECH
- ファビュラス
- アシカダンス
- You chick over
- TARA
- Wake up sweetheart
購入特典「GOOD LUCK ピアノ弾語り音源」収録曲
<タワーレコード>
- Wednesday
- ファビュラス
<HMV>
- アシカダンス
- TARA
<そのほかおよびライブ会場>
- SPEECH
- Wake up sweetheart
GOOD LUCK TOUR 2015
- 2015年8月21日(金)
愛知県 ell.FITS ALL
OPEN 18:30 / START 19:00 - 2015年8月22日(土)
大阪府 Music Club JANUS
OPEN 18:00 / START 18:30 - 2015年8月30日(日)
東京都 TAKE OFF 7
OPEN 18:00 / START 18:30
料金:前売3000円(ドリンク代別)
ビッケブランカ
愛知県出身の男性シンガーソングライター。高校卒業と同時に上京しピアノを習得した後、本名の山池純矢としてソロ活動を開始する。2012年にビッケブランカに改名。その後はライブを中心に活動を続け、美麗なファルセットボイスとピアノが紡ぎだすポップチューンを武器に各地のイベントなどに出場し話題を集めている。2014年7月に先行配信シングル「追うBOY」をリリース。同年10月に満を持して1stミニアルバム「ツベルクリン」を発売。2015年8月に2ndミニアルバム「GOOD LUCK」をリリースし、東名阪でバンド編成のワンマンツアー「GOOD LUCK TOUR 2015」を行う。