音楽ナタリー Power Push - Versailles
“耽美派最強バンド”再び出陣
やっぱり耽美派最強だな
──皆さんの話を聞いていると、活動休止はVersaillesにとって必要な時間だったんだなと感じます。この3年半はVersaillesを客観的に捉えるための時間だったとも言えると思うのですが、そこで気付いたことはありますか?
TERU そうですね……。今パッと思ったのは「Versaillesの要素を持ったバンドはいたけど、誰も自分たちを超えられなかったな」ということですね。例えば衣装がヨーロピアンだったり、サウンドがゴージャスというバンドはちらほらいたと思うんですよ。でも、すべてを持っているのはVersaillesだけだし、やっぱり耽美派最強だなって。このまま君臨するべきだなと思います。
MASASHI 中途半端なことが一切なく、すべてが極められているということですね。音はもちろん、映像、衣装、メイクを含めて、あらゆる要素が研ぎ澄まされているので。以前の作品にしても「ここまでやってるんだ!」と感動するし、すごいバンドだなと思います。
YUKI 活動休止前はスケジュール的に厳しいこともありましたが、すべてにおいて徹底的にやったからこそ、あそこまで高いクオリティの作品ができたんだと思うんですよ。過去の作品を聴き直したときに「これを自分たちがやったんだな」と思うと自信にもなりますからね。
HIZAKI 僕はこの3年半の間もまったくVersaillesを客観視できなくて、それができたのはリテイクベストのレコーディングだったんです。改めて過去の楽曲と向き合ってみて、「5人の個性が前面に出ているな」と感じたんです。個々の音が1つになっている印象があるというか。それに気付いたときに“HIZAKIというギタリスト”を自分でイメージできるようになったんですよね。バンドがどうあるべきか、ギタリストとしてどうするべきかが再認識できたのは大きかったです。
──今だから気付けたことかもしれないですね。
HIZAKI そうですね。活動休止前は表現の場所がVersaillesしかなかったけど、今は別の活動もあって。だからこそ「Versaillesはこうあるべき」というのも明確になってきたんだと思います。新曲の制作もすごくスムーズだったんですよ。「お互い、こういう曲を作ってくるだろうな」というのも見えてたし。
KAMIJO そうだね。あと、意外にもTERUくんが素晴らしいバラードを書いてきてくれたり。
TERU 今回のベストには入らないんですけどね(笑)。
──早くも新しいケミストリーが生まれているようですね。Versaillesは普通のバンドに比べて明らかにクリエイティブの量が多いと思うのですが、そのモチベーションはどこにあるんでしょう?
KAMIJO やりたいから、ですね。それだけです。
──「期待に応えたい」という使命感ではなく?
KAMIJO それもありますが、まずは“やりたいから”ですね。あとは常に刺激的でありたいということかな。自分たち自身が、新しいVersaillesを求めているというか……。今までの歴史ももちろん大事だけど、それをさらに育てていきたいんですよ。そのためにも新しい創作は必要ですよね。
いつかはヴェルサイユ宮殿でライブ
──では最後に。Versaillesの未来をどんなものにしたいですか?
HIZAKI 目標や夢を言い出したらキリがないですが、自分たちの思い、メッセージを世界中に伝えていきたいというシンプルな気持ちで活動していきたいですね。
TERU 理想が詰まったバンドだと思うんですよね、Versaillesは。ゴージャスな衣装、徹底的に作り込まれた音楽で世界ツアーもできたわけですから。その姿を見て、皆さんも元気になってくれたらいいなと思います。
MASASHI Versaillesの活動を通して、自分がやりたかったこと以上のことが実現できているんですよ。まだ行ったことのない国もけっこうあるし、もっともっとデカいことをやりたいですね。
YUKI 僕らが自然に成長していけば、ファンのことを裏切ることはないだろうし、VersaillesがVersaillesでいられると思うんです。そうやって長く続けていきたいですね。
KAMIJO まず、このメンバーがそろったこと自体が奇跡だと思うんですよね。Versaillesは予測できない大きな出来事が何度も起こったバンドですが、ここにきて“復活”という明るいニュースを届けられたことがすごくうれしくて。暗いニュースが多い世の中だけど、Versaillesが華やかな時代の幕開けを飾れたらいいですね。しかも来年は10周年ですから。ぜひ期待していてください。そしていつかはフランスのヴェルサイユ宮殿でライブをやりたいですね!
- ベストアルバム「The Greatest Hits 2007-2016」2016年9月14日発売 / Warner Music Japan
- 初回限定盤 [CD+DVD] 5400円 / WPZL-31225~6
- 通常盤 [CD] 3240円 / WPCL-12434
CD収録曲
- The Revenant Choir
- The Love from a Dead Orchestra
- Shout & Bites
- Aristocrat’s Symphony
- After Cloudia
- zombie
- Ascended Master
- Serenade
- Destiny-The Lovers-
- MASQUERADE
- Philia
- 新曲2曲
※曲順未定
初回限定盤DVD収録内容
- ドキュメンタリームービー「Versailles復活への道(仮)」
Versailles(ヴェルサイユ)
2007年にKAMIJO(Vo)とHIZAKI(G)が中心となり、“絶対的な様式美サウンドと耽美の極み”をコンセプトに掲げ結成。活動初期は海外メディアのみの取材に応じたことで話題を呼んだ。10月にはドイツのレーベル・CLJ Recordsとライセンス契約を交わし、1stミニアルバム「Lyrical Sympathy」を日本とヨーロッパで同時発売。翌2008年7月には1stフルアルバム「NOBLE」をリリースした。2009年12月には東京・渋谷C.C.Lemonホールのワンマンライブ内でメジャーデビューを発表し、2010年1月20日にデビューアルバム「JUBILEE」を発売。2012年12月の東京・NHKホールでのライブをもって活動を休止するが、2015年に再開。12月に“復活の儀式”と題したライブを東京・Zepp DiverCity TOKYOで行ったほか、2016年8月には千葉・舞浜アンフィシアターで完全復活ライブ「Chateau de Versailles」を実施した。9月には過去の楽曲をリメイクして収録したベストアルバム「The Greatest Hits 2007-2016」の発売を控えている。