音楽ナタリー Power Push - VAMPS

HYDEのライブ論

ライブによってどんどん磨かれている

──VAMPSといえば年中ライブをしている印象があるんですが、どうやってモチベーションを保っているんでしょうか? 今年は年末までの公演を含めると国内外で80本近くのライブを行っている上、HYDEさんもK.A.ZさんもVAMPS以外の活動もしていますよね。

「VAMPS LIVE 2015 BLOODSUCKERS」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。

なんでしょうね……目標なのかな、やっぱり。最初の頃は海外進出という目標があったし。「BLOODSUCKERS」を出したあとはこのDVDに収められているアリーナ公演の成功を目指してたし。例えば、東京ドームでオールスタンディングでライブをやりたいとか、大きな目標も昔からありますからね。あとはアメリカでどこまでいけるかってことも考えるし。そういう目標は漠然とですけど常にあって。夢があると進んでいけるし、モチベーションが下がってつらいと思うことはないです。むしろライブによってどんどん自分が磨かれている気がする。

──VAMPSとして東京ドームを目指しているというのは昔からおっしゃってましたね。

やっている以上、それくらいの規模の会場でできるバンドにならないといけないんだろうなって。そういう気持ちが自分を動かしてますね。

──HYDEさんの場合、L'Arc-en-Cielでの活動も含め、国内外のいろんな規模の会場でライブをされていますが、会場によって緊張やプレッシャーを感じることがありますか?

ライブ中はどんな会場でもそんなにないですかね。逆に普段のほうがあるんですよ。

──普段というのは、オフステージですか?

そう。こんな活動じゃだめだな、もっとがんばらなきゃだめだなとかプレッシャーを感じる。作品を出したあとも、もっといい作品が作れたんじゃないかと反省することもあるし。ライブは常にやってるから、それが大きなステージになったからといって、いつも通りにやるように心がけるだけ。ライブに対してのプレッシャーはあまりないですね。あと、ライブ中はもう「やっちまえー!」って感じなんで(笑)。

──スイッチが入って、アドレナリン全開で突っ走ってるような?

そうそう。あまり頭で考えてないんです。

考え方によって歌が進化してきた

──HYDEさんは20年以上歌い続けていらっしゃいますが、歌い始めたときからの変化を自覚することはありますか?

HYDE(Vo, G)

ありますね。でも、それはライブをやり続けているからじゃなくて、歌を見つめる期間が増えたからだと思います。「こういう歌い方だとダメだな、もうちょっとこうしてみよう」って意識したり。自分の考え方によって歌が進化してきたと思います。

──歌を見つめるというのは、曲に入り込んでいくということでしょうか?

いや、自分が違和感を感じる部分を修正していくことです。楽器を演奏しているところって目に見えるから、「こうしたら?」って言えると思うんですけど、歌ってどうやってるか見えないから難しいんですよ。指摘するにしても抽象的になる。よく「腹から声出せ」とか言いますけど、僕、それがどういう意味かわからないですもん(笑)。だから、自分のイメージを掲げて、常に見つめて、結果を出していくしかない。昔に比べればクオリティは上がってるし理想に近付いてるとは思うんですけど、海外のアーティストを見てると表現力とかがまだまだだなと。

──ではHYDEさんにとっての理想のボーカリストというのは?

ジョージ・マイケルですね。Wham!の頃から、「この人天才!」って思ってましたから。声の表情を自在に操ってるし、ああいう人のことを歌がうまいっていうんだろうなって。ただジョージ・マイケルは天性の勘で歌ってると思うんですよ。最初から完成されてる印象でしたから。だから真似はできるでしょうけど、彼ほどナチュラルに歌うことはできないでしょうね。まだまだですよ僕は。

ひょっとしたら、僕、今が一番元気かもしれない(笑)

──VAMPSのライブの形は近年多様化してますよね。海外でワンマンライブを開催したり、国内でジョイントツアーを行ったりと目覚ましいものがあります。

今年の2月に「VAMPARK FEST」(参照:VAMPS、Nothing More、アレキ、ジェラルド・ウェイが白熱ライブバトル / HYDE、憧れのニッキー・シックスとのコラボに「泣きそう」)をやってみて、今まで以上に活動に広がりが出たんですよ。そこでもっと自分たちの視野を広げる活動をしなきゃいけないなと思って。国内でワンマンをずっとやってると、自分だけの世界に入ってしまうところがあるから。自分の世界に没頭することはいつでもできるから、今のうちにほかのバンドと関わったり、もっと刺激があるようなことをすることが必要なんじゃないかなと思った結果ですね。

K.A.Z(G)

──対バンにおける刺激はやっぱり大きいですか?

大きいですね。Sixx:A.M.と回ったアメリカツアーは、自分たちのことを知らない人の前でやるというシビアな状態でいろいろ試行錯誤しましたよ。ただ、そういう大変な状況をどんどん作っていかないと、海外のアーティストには勝てないなと思ってるんで。自分たちに発破をかけることが、VAMPSの進化につながると思うし、面白さになると思ってます。

──HYDEさんはVAMPSだけでなく、L'Arc-en-Cielとしての活動も並行して行っていますし、年々タフになっている印象があります。歌声もどんどん深みを増しているし。円熟味を増す一方で、デビューから20年以上を経て肉体の衰えに対する不安を覚えたりはしませんか?

あのね、僕、20代の最後に富士山に登ったんですね。

──はい。

30歳になったら体力が落ちて、富士山なんて登れなくなると思って登りに行ったんですよ。そしたら当時はなんの運動もしてなかったんで登るのがつらくて……。富士山をナメてましたね。でもおじいちゃん、おばあちゃんが僕をぐんぐん抜かしていくんですよ。これが衝撃で。だから、肉体の衰えは年齢じゃないと思ったんです。日々の生活で訓練をしていれば関係ないんだなって。今はずっとライブをやってるし、年齢に伴う衰えは気にしてませんね。ひょっとしたら、僕、今が一番元気かもしれない(笑)。これでお酒を飲まなかったらもっと元気になるんですけど、これだけはやめられないんです。

「VAMPS LIVE 2015 BLOODSUCKERS」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。

──(笑)。最後にお聞きしたいんですが、VAMPSはHYDEさんにとってどんな位置付けのバンドでしょうか?

自分の理想で作るロックバンドですね。L'Arc-en-Cielはメンバー4人がそれぞれ「いいな」と思うものが固まってできるもので、1人の理想だけでできるものじゃない。それが面白い。逆に、VAMPSはK.A.Z と同じ方向で音楽を作って、CDやDVDのジャケットから、グッズ、何から何まで僕が監修してる。自分がいいと思うことを、フットワーク軽くやっていけるのがVAMPSだと思ってます。

VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666(※終了分は割愛)

  • 2015年12月9日(水)大阪府 なんばHatch
    出演者 VAMPS / KNOCK OUT MONKEY
  • 2015年12月10日(木)大阪府 なんばHatch
    出演者 VAMPS / KNOCK OUT MONKEY
  • 2015年12月12日(土)大阪府 なんばHatch
    出演者 VAMPS / Nothing More
  • 2015年12月13日(日)大阪府 なんばHatch
    出演者 VAMPS / Nothing More
  • 2016年1月9日(土)愛知県 Zepp Nagoya
    出演者 VAMPS / Nothing's Carved In Stone
  • 2016年1月10日(日)愛知県 Zepp Nagoya
    出演者 VAMPS / ROTTENGRAFFTY
  • 2016年1月13日(水)愛知県 Zepp Nagoya
    出演者 VAMPS / Apocalyptica
  • 2016年1月14日(木)愛知県 Zepp Nagoya
    出演者 VAMPS / Apocalyptica
  • 2016年1月16日(土)愛知県 Zepp Nagoya
    出演者 VAMPS / Apocalyptica
  • 2016年1月17日(日)愛知県 Zepp Nagoya
    出演者 VAMPS / Apocalyptica
  • 2016年1月21日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
    ※ワンマンライブ
  • 2016年1月23日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
    ※ワンマンライブ
  • 2016年1月24日(日)福岡県 Zepp Fukuoka
    ※ワンマンライブ
  • 2016年1月28日(木)北海道 Zepp Sapporo
    ※ワンマンライブ
  • 2016年1月30日(土)北海道 Zepp Sapporo
    ※ワンマンライブ
  • 2016年1月31日(日)北海道 Zepp Sapporo
    ※ワンマンライブ
ライブBlu-ray / DVD「VAMPS LIVE 2015 BLOODSUCKERS」/ 2015年12月9日発売 / Virgin Music
初回限定盤Blu-ray / 9180円 / UIXV-90007
初回限定盤DVD 2枚組 / 8100円 / UIBV-90008~9
通常盤Blu-ray / 5940円 / UIXV-10007
通常盤DVD / 4860円 / UIBV-10026
初回限定盤グッズ付DVD / 11340円 / UIBV-90012
UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤グッズ付Blu-ray / 15120円 / PDXV-1904
本編(各仕様共通)収録内容

SE. REINCARNATION

  1. ZERO
  2. LIPS
  3. REDRUM
  4. REVOLUTION II
  5. REPLAY
  6. GET AWAY
  7. DAMNED
  8. EVIL
  9. VAMPIRE'S LOVE
  10. GHOST
  11. AHEAD
  12. ANGEL TRIP
  13. LOVE ADDICT
  14. BLOODSUCKERS
  15. MIDNIGHT CELEBRATION
  16. THE JOLLY ROGER
  17. INSIDE MYSELF
  18. DEVIL SIDE
  19. SEX BLOOD ROCK N' ROLL
初回限定盤Blu-ray&DVD 特典映像
  • ARENA Tour 2015 Documentary

※ツアーフォトブック(64ページ)付き

通常盤Blu-ray&DVD 特典映像
  • Beast Party 2015 Documentary & ACOUSTIC LIVE映像

※ブックレット(12ページ)付き

初回限定盤グッズ付DVD 封入内容
  • 通常盤DVD+オリジナルグッズ(Tシャツ、マフラータオル、ナップサック)+ボックス
UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤グッズ付Blu-ray 封入内容
  • 通常盤Blu-ray+オリジナルグッズ(バブルヘッドフィギュアHYDE&K.A.Z)+ボックス
VAMPS(バンプス)
VAMPS

HYDE(L'Arc-en-Ciel)とK.A.Z(OBLIVION DUST)が2008年に結成。結成以来、国内外でライブを行っている。全国のZeppにて連続公演を行う“籠城型ツアー”をはじめ、アリーナ公演、野外公演、ハロウィンイベントなど、多彩なスタイルのライブを実施。2013年にユニバーサルミュージックへの移籍を発表する。移籍第1弾作品として4月に映像作品「VAMPS LIVE 2012」をリリースした。7月に2年半ぶりのシングル「AHEAD / REPLAY」をリリースし、9月には全曲英語詞によるベストアルバム「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」を世界各国で発表。同月末よりヨーロッパツアーを開催した。2014年3月には2度目のロンドン公演を行ったほか、同年6月にイギリスの野外フェス「Download Festival 2014」に出演。10月にアルバム「BLOODSUCKERS」を発表した。2015年2月には東京・日本武道館で企画ライブイベント「VAMPARK FEST」を行い、Sixx:A.M.、sads、[Alexandros]など国内外のアーティストと競演を果たす。12月に4年ぶりとなったアリーナツアーの模様を収めたライブDVD / Blu-ray「VAMPS LIVE 2015 BLOODSUCKERS」を発表。