ナタリー PowerPush - V-ANIME ROCKS!

人気V系バンド4組が緊急座談会!アニソンの魅力を語り尽くす

この歌をカバーするなんて、自分が一番びっくりしてますからね(笑)

──そんなSCREWは、「ドラゴンボールZ」の「CHA-LA HEAD-CHA-LA」をカバーしてますが。

インタビュー写真

 そうなんですよ。最初いろいろメンバー内で候補曲はあったんですけどね。

ルイ そうだね。やっぱり共通のアニメってとこで「ドラゴンボールZ」になりましたね。メンバー全員通ってましたから。

 逆に俺、他の曲がわからなかったですからね(笑)。そこまでアニメに詳しくないってのもあるんですけど、だからこそ、アニメといえば「ドラゴンボール」かなって。

──「パーマン」じゃないですよね(笑)。

 あははは(笑)。「パーマン」じゃないっすね。真緒兄に相談したら「オマエ、男だったら3つ目の玉、しっかり歌っとけ!」って言われたんで、よし、もうこれは「ドラゴンボールZ」の「CHA-LA HEAD-CHA-LA」しかないなと思ったんです。

真緒 そうそう。やっぱりね、男なら3つ目の玉をね……って、言ってないわ! そんなこと!(笑) 相談もされてないやろ!(笑)

一同 (笑)。

──しかし、SCREWのバンドスタイルやオリジナル曲を知ってると、「CHA-LA HEAD-CHA-LA」の選曲は意外でしたね。

 自分が一番びっくりしてますからね(笑)。

インタビュー写真

ルイ 自分たちの曲でこういう曲調はないですからね(笑)。

──でも、分厚いコーラスが入ってて、男臭い「CHA-LA HEAD-CHA-LA」になってたところが、さすがSCREWって思いました。

 たしかに、コーラスが男臭かったですね。オリジナリティを感じました。

ルイ 原曲には、追っかけ的なコーラスはあるんだけど、ああいう感じではないからね。

 そう。泥臭くいこうぜ、って話になってあのアレンジになったんです。

 イントロのところとか、ちゃんとタッピングで再現してるところが、さすがだなって思いましたね。俺、別のバンドで昔この曲カバーしたことあったんで、そこが気になったんですよね。

──おっ、ベース談義だね。

ルイ ですね(笑)。そこはこだわりましたね。よく聴き込んでもらえててうれしいです!

夕霧 僕、原曲より好きだったりしましたね。

ルイ ありがとうございます!

夕霧 それに、僕的にも選曲が意外でしたもん。もっとバンドのカラーに合ったダーク目な曲を選択することもできただろうに、こんな爽やかな曲を選んでくるとは!ってびっくりでしたね。

美月 ウチら選曲するのが遅かったんで、もうやる曲が決まってるバンドさんのカバー曲の一覧を見せてもらってたんですけど、SCREWの選曲を見たときは「ズルいっ!」って思いましたからね。でもね、僕的には、「絶対にここで分厚いコーラス入れてくるで!」って真緒さんに言うてたんですよ。

真緒 そうそう。「ここ、きっとツービートでくるやろな!」とかって予測してたんですよ、2人で。この曲を鋲ちゃんが歌うのか!みたいなね(笑)。

美月 だから最初に聴かせてもらったときは「ほら、やっぱり!」って思ったんですよ。これズルいわあ、みんな知ってる曲やし、意外性もあるし、いい意味での裏切りもあるし。これズルいとしか言いようがないわあーって。

風弥 本当に意外性がすごいと思いましたね。

絶対に誰もやってないアレンジで、ウチららしくいきたいって

──なるほどね。では、Sadieの「ペガサス幻想」は?

真緒 これね、ほんまにすごいタイミングやったんですけど、たまたまバンド内で「聖闘士星矢」ブームで、「聖闘士星矢」の話題が活発なときやったんですよ。そんで、既に決まってはるバンドさんの曲目リストを見せてもらったときに、まだ「聖闘士星矢」が出てなかったこともあり、これでいこうや!って話になって。

インタビュー写真

美月 そうそう。ウチのギターの剣は、そのバンド内での「聖闘士星矢」ブームから「聖闘士星矢」にハマり、そこから全巻さかのぼって読んだんですよ。

真緒 150話くらいあるんですよ! それを1週間くらいで全部読んでましたからね。それもあって、いい機会やし、こんなタイミングはないんじゃないかってことで、「ペガサス幻想」を選ばせてもらったんですよ。

美月 それに、真緒さんよくカラオケでも歌ってますからね。しかも相当、本腰入れて歌ってはるの、よく聴くんですよ(笑)。だから「ペガサス幻想」しかないやろ!って。曲的にもSadieっぽくなりそうやったし、ええんちゃう?って話になって。でも、真緒さんが「聖闘士星矢ー♪」って言うん!?っていうとこは若干引っかかりましたけど、本人ノリノリで言うてはったんで、ま、本人がいいならええわと思って(笑)。

真緒 この時代のアニソンって、歌詞の中にタイトルとかが入ってるのがステータスみたいなとこあったじゃないですか。それもあって、自分的には全く抵抗がなかったんですよね。そこも含めこの曲の良さやなって思ってたので。それに、個人的にカラオケで歌い慣れてたので、全く違和感がなくて(笑)。メロディがちょっと切ないとこも、個人的にはめっちゃ好きなんですよ。極力アレンジせずに、曲の良さをSadieらしく伝えられたらなと思ってカバーさせてもらいましたね。ちなみに皆さん、カラオケでアニソンって歌われますよね? 何歌われてます?

夕霧 僕、「ペガサス幻想」歌いますよ!

 ウチもドラムの悠と歌います。

夕霧 「ドラゴンボールZ」の「僕たちは天使だった」とかも歌いますよ!

 そうなんすね。俺はカラオケとか行かないんですよ。

ルイ 鋲ちゃん行かないよね。俺は行きますよ「幽遊白書」とか歌いますね。「微笑みの爆弾」とか「ホームワークが終わらない」とか。

真緒 ほほう。マニアックなほうやね。

美月 そういう返しができる真緒さん自身がマニアックですけどね(笑)。

──そんなSadieの「ペガサス幻想」を聴いた皆さんの感想はどうでしたか?

インタビュー写真

 俺的にはすごく好きでしたね。洋楽のメタル系のバンドで「聖闘士星矢」をカバーしてるバンドって結構多くて、どれもすごくカッコいいんですけど、Sadieの「ペガサス幻想」は負けず劣らず素晴しかったですね。始めは低く入っていって、そろそろくるかな?そろそろ上がるかな?と思わせといて、絶妙なところで上がるっていう。ニクイですよね。ツインリードでリフが入ってるとことか。カッコいいですよね。

美月 いや、本当にいろんなバンドさんがカバーされてるんですよね。だから、逆に全部そういうの聴いたんですよ。日本のこっち界隈だと、ナイトメア兄さんもライブでカバーされてましたし。でも、絶対にどこもやってない、どことも同じにならんようなアレンジで、ウチららしくいきたいっていうのがあったんで、いろんなカバーをめちゃめちゃ聴きまくりました。

 ウチのギターのAnjiくんからの伝言なんですけど、「Sadieさんのコスモを感じました!」って。

美月 あはははは(笑)。ありがとうございます!

ルイ すごく安心感がありました。Sadieのオリジナル曲聴いてるみたいな感覚でしたからね。

 確かに。Sadieの新曲かな?って思っちゃったくらいハマってましたよね。すごく入り込んできたっていうか、めちゃめちゃ何回も聴いちゃいましたからね、俺。

真緒 鋲ちゃん! この後、ごはん食べに行こか?(笑)

一同 (笑)。

夕霧 すごく中毒性のある声だなって。演奏ももちろんなんですけど、やっぱボーカリストとしては歌を聴いてしまうので、すごく引き込まれましたね。

真緒 (うつむき加減でおとなしくなる)

美月 くっくっくっ(笑)。見てくださいよ、こんなちっちゃくなってる真緒さん。あんまりこうやって公の場で褒められてるの見たことないんで、笑えますね(笑)。

真緒 恥ずかしいねん。

風弥 Sadieが「ペガサス幻想」をやるらしいって聞いて、夕霧がスタジオで「きっと真緒さんならこう歌ってくるよ!」って真緒さんバージョンの「ペガサス幻想」を歌ってたので、想像が掻き立てられてたんですよ。想像以上でしたね。すごいカッコよかったです!

──夕霧くん、歌ってみて。

夕霧 へっ!? 今ですか!? ここでですか!? 本人の前でですか!?

真緒 アカンアカンアカン、俺も恥ずかしいわ、それアカンて(笑)。

美月 あははは(笑)。マジで照れてるやん。っていうか、やっぱお互いのバンドを知ってるから、想像し合いながらできたのも楽しかったよね。

インタビュー写真

風弥 ですよね。いい裏切りもあって。Sadieさんはド頭からもっとガッとヘビーに攻めてくると思ってましたからね。

美月 そこはね、最後まで悩んだとこやったんですよ。いろんな人がやられてるから、被りたくなかったんですよね。個人的にはド頭からガツンと攻めたかったんですけどね。でも結果、意表を突けて良かったのかなと思ってますね。

夕霧 ですよね。あと、個人的に、真緒さんの「聖闘士星矢ー♪」の歌い方がめっちゃツボで。いい「聖闘士星矢」でした! あそこタイトル背負ってるとこですからね! すっごい良かったです!

真緒 ありがとう!この後ごはん行こか?

美月 みんなと行くんかいっ!

夕霧 ギターも超エグくてカッコよかったし。ホントにめちゃめちゃカッコよかったです!

美月 ありがとう! この後ごはん行こか?

真緒 オマエもかっ!

一同 (笑)。

コンピレーションアルバム「V-ANIME ROCKS!」/ 2012年8月1日発売 3000円 徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-73796

収録曲
  1. 創聖のアクエリオン / DaizyStripper
  2. ペガサス幻想 / Sadie
  3. CHA-LA HEAD-CHA-LA / SCREW
  4. 魂のルフラン / 摩天楼オペラ
  5. 空色デイズ / 168-one sixty eight-
  6. Pray / ZORO
  7. DAYS / heidi.
  8. 微笑みの爆弾 / 少女-ロリヰタ-23区
  9. 撲殺天使ドクロちゃん / ADAPTER。
  10. 夢を信じて / OZ
  11. ムーンライト伝説 / Mix Speaker’s,Inc.
  12. シ・ネ・マ / 花少年バディーズ
  13. 残酷な天使のテーゼ / Ricky + Little Alien
摩天楼オペラ(まてんろうおぺら)

2007年に結成されたヴィジュアル系ロックバンド。2008年に苑(Vo)、Anzi(G)、燿(B)、悠(Dr)、彩雨(Key)という現在の編成になる。叙情的な歌詞とシンフォニックメタルの影響を受けたサウンドが特徴で、国内のみならず海外でもCDリリースやライブ活動を展開。2010年5月に初のホールワンマンライブを渋谷C.C.Lemonホール(現:渋谷公会堂)で実施し、同年12月にはミニアルバム「Abyss」でメジャーデビュー。2011年7月にリリースしたメジャー1stシングル「Helios」は、オリコンウィークリーチャート初登場16位を記録した。同年10月にはメジャー2ndシングル「落とし穴の底はこんな世界」を発売。同月にさいたまスーパーアリーナで行われた「V-ROCK FESTIVAL '11」にも出演し、大きな注目を集めた。2012年3月、メジャー1stフルアルバム「Justice」をリリース。

DaizyStripper(でいじーすとりっぱー)

夕霧(Vo)、まゆ(G)、なお(G)、Rei(B)、風弥(Dr, Piano)からなる2007年3月結成のヴィジュアル系ロックバンド。夕霧の美しいハイトーンボイスと、風弥が中心となって制作するキャッチーなメロディに定評がある。結成1年足らずで発表された1stシングル「ダンデライオン」は予約段階で初回プレス分を完売し、初作品にしてオリコンインディーズウィークリーチャートで1位を獲得。2010年には日本青年館とSHIBUYA-AXでの2DAYSライブ、2011年には台湾で初の海外単独公演を敢行している。シングル「切望のフリージア」はテレビ東京系アニメ「遊☆戯☆王」のエンディングテーマに起用された。2012年には初の渋谷公会堂ワンマンライブを成功させ、フルアルバム「AIR」とミニアルバム「HUMALOID」をリリース。同年12月28日に結成5周年を締めくくるワンマンライブがZepp Tokyoで行われる。

Sadie(さでぃ)

大阪にて2005年に結成された、真緒(Vo)、剣(G)、美月(G)、亜季(B)、景(Dr)からなる5人組ヴィジュアル系バンド。重厚感のあるラウドでブルータルなメタルコアサウンドを得意とし、シーンに独特の存在感を放っている。2011年に発売されたシングル「Rosario-ロザリオ-」はオリコンウィークリーチャートで12位、同インディーズチャートで1位を獲得。なお美月はムックの逹瑯が中心となって結成されたバンド、カラスにも参加している。2012年7月にシングル「METEOR-メテオ-」をリリース。同年10月13日からワンマンツアー「THE BLACK DIAMONDS」を敢行する。

SCREW(すくりゅー)

2006年に結成されたPS COMPANY所属のヴィジュアル系バンド。現在のメンバーは鋲(Vo)、和己(G)、マナブ(G)、ルイ(B)、ジン(Dr)の5人。抜群の容姿と音楽性で着実にライブの動員を増やし続け、2012年には10カ国13会場を回るヨーロッパツアーを成功させるなど、国境を超えてファン層を拡大させている。2012年10月17日には徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャーデビューシングル「XANADU」(ザナドゥ)をリリースし、同日の東京・Shibuya O-WEST公演を皮切りに全国ツアーをスタートさせる。