「こういう切ない恋をしてるの？」

──そういう時期も乗り越え、メジャーデビューとなりますね。シングルではトオミヨウさん、蔦谷好位置さん、武部聡志さんと、そうそうたるアレンジャーが参加しています。

今まで1人で活動してきたので、誰かにアレンジをお願いして、音源がまた返ってくるというやり取りはすごく新鮮でした。1曲ができるまでにいろんな段階があって、何度もやり取りしながら形にしていくということが初めてわかりました。

──自分の歌い方がまさにオリジナルとなるわけで、カバーとはまた違う感覚なのかなと思いますが、そのあたりはどうでしたか。

自分がカバーをしたいと思う曲って、やっぱり聴いたときの第一印象がいいんですよ。「あ、この曲を歌いたい！」って思うような。自分が作った曲だと第一印象というものがないので不安なところもありましたが、楽しんで歌えました。

──カップリングの「WORKAHOLIC」はUruさんが作詞されたR&Bナンバーですね。

はい。こういう曲調もすごく好きです。歌詞は「こういう切ない恋をしてるの？」って、この曲を聴いた人たちからよく質問されましたけど（笑）。

──ガールズトークだと「やめときなよー！」って言われるタイプの（笑）。

あははは、そうですね。「思ってる程ピュアじゃないの私」って歌詞が出てくるんですけど、本当はピュアだからこそ、男性に振り回される恋愛にハマっちゃうんだと思うんですね。なのでこのフレーズを歌うときは、その雰囲気が出せるよう心がけています。

──言葉とは裏腹な感じが聴きどころですね。そして3曲目の「すなお」もUruさんらしい歌い回しが堪能できると共に、まさにご自身のことを歌った曲なのかなと感じましたが。

この曲は先ほどお話しした、音楽をやろうと決めたのに心が折れてしまった時期に書いた曲です。この先もまだまだ長い道のりが待っているだろうけど、泣きたいときは泣いて、笑いたいときは笑おうという気持ちで書きました。

──後半部分の歌詞、胸に迫りますね。「明日私が今日誓った事を 簡単に破ってしまった時は / 何でダメなんだろう どうしてできないんだろうって / 自分を責めるんだろうな」と。

そこがこの曲の中で一番言いたいところでした。「すなお」に関しては詞がスラスラ出てきて、等身大の自分で書けました。

作った曲で自分自身を励ませるように

──自分自身の思いを歌に吐き出したい、という欲求も強くあるんですね。

今でも、きっとこの先も、多少の感情の波はあっても性格はきっと変わらないと思うので、その時々に自分が作った曲で自分自身を励ましていけたらいいなと思っています。

──「私ってダメだなあ」とか思うことも多いんですか。

自信があるときもあるんですけど、全然ないときもあるっていう。私、かなり波があるんです。

──波がある人のほうが曲はいっぱい作れそうですけどね。調子がいいときも作れます？

作れますね。悩んでいても、翌朝になるとケロッとしてたりするんで（笑）。どっぷり沈みたいときは悲しい曲を聴いたりして浄化させたほうがいいなと思いますし。

──やっぱりUruさんご自身が音楽に支えられながら生きてきた人なんでしょうね。

はい。普段の私は日記を書こうと思っても続かなかったり、早起きしようと思ったのにできなかったりとか、そういう小さなことで落ち込んだりしてるんですけどね（笑）。でも、音楽だけは長く続けててよかったなと思います。

──また9月には東京グローブ座でのワンマンライブ「SS」もありますし、これからの活動が楽しみですね。

音源がリリースされたあとのライブなので、聴いてくださった方と一緒に歌えたらいいなって思いますし、私自身すごく楽しみにしています。これからデビューして、1つずつ経験を積みながら進んでいけたらいいなと思っています。