アップアップガールズ(仮)結成14年目の改革!遊び心満載の新たなライブスタイルを目撃せよ (2/3)

それ、アプガ(仮)の“伝統”なんですよ

──固定セトリだけでなく、最近のアプガ(仮)はライブでさまざまな“仕掛け”を取り入れています。組体操の導入なども塩野さんの発案なんですか?

塩野 いや、組体操はメンバー発のアイデアです。

ライブ中に組体操を披露するアップアップガールズ(仮)。

ライブ中に組体操を披露するアップアップガールズ(仮)。

青柳 私たちにとって去年の12月30日のライブがすごく重要だったので、そこに向けてインパクトのある告知動画を毎日上げていこうという話になったんですよ。ひと目見ただけで「おお……!」とどよめくような絵面が欲しくて。その中で「だったら組体操じゃない?」という声がメンバーから出て、やってみることにしました。過去には、初期メンバーの先輩たちも「TIF」(アイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」)のステージで組体操をしていましたし。……で、そうこうしているうちに、なぜか新曲の振付に組体操が導入されていた(笑)。

小山 うちら、「新曲に取り入れてほしい」とまでは言っていないんですけどね。そこはけっこうミステリーな要素(笑)。

塩野 僕は山田さんから「組体操を振付に入れてください。メンバーがやりたがっていますから」とうかがったんですけどね。微妙なボタンの掛け違いがあったのかもしれない(笑)。

古川 それ、アプガ(仮)の“伝統”なんですよ。メンバーの思いつきが少しでも社長の耳に入った時点で、実現に向けて動き出すという……。富士山ライブも、自衛隊ライブも、無人島ライブもそうやって決まっていったので(笑)。

アップアップガールズ(仮)と古川小夏

アップアップガールズ(仮)と古川小夏

──アプガ(仮)は今、水着衣装でライブを行っていますが、そのアイデアもメンバー発信だったんですか?

青柳 そうです。去年の「TIF」で“プレミアム企画”というものがありまして、何か新しいことをしようという話になったんです。確か「水着衣装で歌いたい」という話の言い出しっぺは関根さんだったのかな? 私たちも「いいね! やろう、やろう!」と盛り上がりまして。

──話をうかがっていると、メンバー発信のアイデアを塩野&古川コンビが具体的な形に発展させるという流れが多いようですね。フロアにモッシュを発生させる試みも同様ですか?

古川 モッシュを始めたのは塩野先生の発案でした。8月24日の単独ライブで初めてやったんですけど、前からやろうという話は出ていたんですよ(参照:水着衣装!客席乱入!組体操!新生アプガ(仮)夏の横浜で観客巻き込み大騒ぎ)。

塩野 普通はサークルモッシュって自然発生的にファンが起こすものですけど、アプガ(仮)の場合は演者側が公認して段取りまで整えるのが特徴(笑)。しかも通常のモッシュに比べて安全でケガ人が出ないという利点もあります。この試みでやりたかったのは、お客様と一緒に汗をかくということでした。アプガ(仮)のメンバーはいつも全力で汗をかいていますけど、お客様にも気持ちのいい汗をかいていただいて、一体感ある盛り上がりを作りたかったんですね。そして幸せな気分で家に帰っていただきたい。ありがたいことに8月24日のライブでは、お客さんがみんな満面の笑顔だったのでホッとしました。

鈴木 あと最近のライブでは、「ときめき!テキパキ!!ハレルヤサンシャイン!!!」という曲でステージから客席にいろんなものを投げているんですよ。巨大なサメの浮き輪とか、ビーチボールとか……。それによってビーチにいるような感覚になり、いつも以上に一緒に盛り上がれるんです。でもこの曲はまだまだ進化途中にあって、これからはモップとか、水が使える会場では水鉄砲も導入していきたいですね。とにかく遊び心満載のライブにして、「アプガ(仮)って最高に楽しいな」と感じてもらいたい!

鈴木芽生菜

鈴木芽生菜

先輩たちの姿勢は忘れたくない

──まさに今のアプガ(仮)は新しいスタイルを作り上げている最中だと思います。塩野さんは、どういうところでメンバーの進化、成長を感じますか?

塩野 正直、最初はメンバーも戸惑いが先行していたんですよ。「これをやってみようか」と、こちらから投げかけたことしかできなかったですし。だけど最近は5人のほうから自発的に「だったら、こういうのはどうですか?」とアイデアを出してくれるので非常に頼もしいです。僕としても「OK、やってみようか」みたいな返事ばかりですね。

青柳 塩野先生、なんでもやらせてくれるんですよー(笑)。

──14年も続いているグループだから、変化していくのは当然だと思います。初期のアプガ(仮)がガツガツがむしゃらに上を目指す集団だとしたら、今はエンタメ路線に舵を切ったということなんですかね。

鈴木 その通りなんですが、先輩たちが築いてくれた「歌もダンスも全力投球!」という姿勢だけは私たちも忘れたくないんです。誰よりもいっぱい動いて、足を上げて、頭を振り回して踊りたい。でも、それだけでは先輩たちを追い越すことはできないので、塩野先生や古川さんの協力も得ながら、エンタメ性も盛り込んだ新しいアプガ(仮)を作っていきたいと考えています。

古谷 うんうん。自分たちで作っていくしかないもんね。

古谷柚里花

古谷柚里花

鈴木 言ってしまえば、新しいアプガ(仮)ではテーマパークみたいなライブがやりたいんですよ。私は固定セトリに最初から大賛成だったんですけど、やっぱりこれをやり続けることで新規さんが増えたという面も確実にあるんです。昨日も今日も同じ曲をやるわけだから、ステージでは昨日よりも成長した姿を見せるしかないし、髪型とかMCとか煽り方とかにも変化をつけていく必要があって。

──なるほど。「同じセットリスト=同じライブ」にならないように心掛けているわけですね。

鈴木 そうです、そうです。そこは最大限に意識していますし、観てくださる方が「おっ、前回に比べてここが違うな」と発見してくれたらうれしいですよね。

住田 これは私個人の課題なんですけど、もともと型にハマったパフォーマンスしかできないタイプだったんですよ。自分でもどうしたものかと悩んでいたんですけど、最近ファンの方から「はっちゃけてきたよね。殻を破れたんじゃない?」って言われたんですね。それがすごくうれしくて……。その理由ははっきりしていて、ライブが固定セトリになったから。「今、ステージから降りちゃおう!」といった感じで、その場の思いつきでパフォーマンスできるようになったし、ライブでしか味わえない楽しみが確実に増えた気がするんです。その楽しさが観ている方にも届いているのなら最高ですね。