「uP!!! SPECIAL ライブナタリー 201807」特集 オーイシマサヨシ×PENGUIN RESEARCH対談|好機だけどリスキー!? 満を持しての対戦カード実現

ナタリーのイベント企画「ライブナタリー」の第2弾となる対バンライブ「uP!!! SPECIAL ライブナタリー 201807」が、7月19日に東京・TSUTAYA O-EASTにて開催される。

今回、ホストアーティストとして白羽の矢が立てられたのはオーイシマサヨシ。Twitterで彼と対バンしてほしいアーティストのリクエストを募った結果、競演相手としてPENGUIN RESEARCHが決定した。この対バンの開催を記念して、音楽ナタリーではオーイシマサヨシとPENGUIN RESEARCHの対談を実施。以前から接点はあったものの、対バンは初めてとなる彼ら。話は双方の出会いのエピソードから始まった。

取材・文 / 須藤輝 撮影 / 三浦一喜

いよいよか……

──まず対バンが決定したときの率直な感想からお聞きしてよいですか?

オーイシマサヨシとPENGUIN RESEARCH。

オーイシマサヨシ 僕は、自分のファンの方から「PENGUIN RESEARCHと対バンしてくれ」みたいな声が上がってるのをよく聞いてたので「いよいよか……」みたいな感じは正直あったかなあ。

堀江晶太(B) どういった層の組織票が動いたんでしょうね。

オーイシ 組織票っていう前提なの!?(笑) でもさ、僕とペンギン(PENGUIN RESEARCH)さんには1つだけ共通点があるの。「プリスト」(「プリンス・オブ・ストライド」)っていうメディアミックス作品のアニメ版の主題歌を歌ってるのが僕、と言うかOxT(オーイシとTom-H@ckによるユニット)なんです。で、舞台版の主題歌を歌ってるのが……。

生田鷹司(Vo) 僕です。わ、今ちょっと鳥肌立ちました。

オーイシ だから、ファンの方はそういうのにも敏感に反応してくれてるんちゃうかな。あと、例えば堀江くんと僕は……あれってペンギンを結成する前だよね?

堀江 バンドをやるっていう発想すらなかった頃ですね。

オーイシ 4年くらい前かな、一緒に仕事してるんだよね。あるゲームの音楽を堀江くんが作って、僕がボーカルを乗せるっていう。

堀江 あのときが初対面ですよね。

オーイシ そうそう。もちろん堀江くんのことは知ってたけど、第一印象としては「ああ、こんなに背が高い人なんだあ」って。

一同 ははは(笑)。

オーイシマサヨシ

オーイシ それから鷹司くんは、前々から、僕の曲が好きやっていうのをふわっと聞いてたんですよ。で、実際会ってみたら、曇りなき目で開口一番「オーイシさん、いつもカラオケで歌ってます!」って。だから「なんていいやつなんだ!」ってのが第一印象なんですけど……でも鷹司くんさ、それホンマなの?

生田 ホンマっすよ! 僕はペンギン結成前、高知から上京して間もない頃にカラオケ屋でバイトしてたんです。その店では受付やってるときはiPodで好きな曲を店内BGMとしてかけられたんですけど、そこでもオーイシさんの曲をかけてたし。ちょうど「君じゃなきゃダメみたい」が話題になってた頃で、休みの日にバイト仲間とカラオケに行ったときも、僕が歌おうとしたら「オーイシさんは歌唱力もヤベーし、ギターもヤベー」っていう話でめっちゃ盛り上がって。2サビ後のミックスボイスとか、どうやって発声してるんだろうとか……。

神田ジョン(G) 褒めちぎるねえ(笑)。

堀江 ただのファンだから。

オーイシ いやあ、うれしいです。

水面下でつながっていた2組

オーイシ あとさ、僕が友達のライブを観に行ったとき、客席に赤い髪の人がいるなと思ったらジョンさんだったりとかね。

神田ジョン(G)

神田 ありましたね。あのとき「対バンしたいね」って話もしましたよね。

オーイシ したした。

神田 僕は、オーイシさんがART HOUSE(兵庫・神戸市にあるライブハウス)に出てた頃から知ってるんですよ。

オーイシ あ、Sound Scheduleとして?

神田 はい。アルカラさんとかも出てましたよね。

オーイシ なんなら僕はアルカラのボーカルの稲村(太佑)と一緒にART HOUSEでバイトしてたから。でもそんなこと知ってるなんておくびにも出さなかったじゃない?

神田 それは、いつか話せるかなって。

オーイシ それが今だったんだ(笑)。だから、水面下ではいろんなところでつながるんですね。

柴﨑洋輔(Key) 直接のつながりではないんですけど、僕は3月にオーイシさんが出演されていた「アイスタ」(「i-STAR Fes.2018 in TOKYO」)っていうイベントを観てるんですよ。あのときのオーイシさんのバックバンドが全員、僕の長年の知り合いで、今でもペンギンとは別に一緒にセッションやったりしてて。

オーイシ マジですか? すみません、お恥ずかしいステージで。

柴﨑 いやいやいや。

オーイシ 歌い手さんがひしめき合う中、僕だけアニソンシンガーとして出ていって。ちょっとぐらいミュージシャンシップを見せなあかんかなと、バックのセッションミュージシャンの方々に「僕は今からお着替えするので、いい感じのBGMを流しといてください」って無茶振りしたんですよ。「例えばドラムはこう」つってボイスパーカッションで見本を示して、ベースもギターも同じようにしてずっと演奏していただいて。それで着替え終わってステージに戻ったら、締め方がよくわからないっていう。

一同 ははは(笑)。

柴﨑 でも、それも含めて見どころしかないライブで、めちゃめちゃ感動したんですよ。と同時に、バックのミュージシャンが友達だったので、共演したかったなっていう気持ちもあって。だから、まさかPENGUIN RESEARCHとして対バンできるなんて思ってなかったので、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。

新保恵大(Dr) うん。ペンギン側の総意としては、間違いなくそれが一番にあるよね。

オーイシ いやいや、こちらこそですよ。

PENGUIN RESEARCHは持たざる者たち

──オーイシさんは、バンドとしてのPENGUIN RESEARCHをどうご覧になります?

オーイシ ライブバンドだなと思いますね。こないださ、Zepp(Divercity TOKYO)とか普通に埋めてたでしょ?

堀江晶太(B)

堀江 ああ、ツアーファイナルの(「PENGUIN RESEARCH LIVE TOUR 2017-2018 PENGUIN QUEST~お台場に導かれし者たち~」)。

オーイシ ほら、その「それが何か?」みたいなトーン。実際そのツアーも全公演ソールドアウトで、次は野音でしょ? 当日、ガチで雨降れへんかな。

一同 ははは(笑)。

堀江 雨は降ると思います。ワンマンのときは必ず降るんで。

オーイシ いや、それは冗談ですけど、要はペンギンのライブって、めっちゃ人入ってると思うんですよ。それは自覚ある? ちなみにどんな層のお客さんが多い?

神田 ホント、びっくりするくらい、いろいろな層の方が来てくれてると思います。

オーイシ でもさ、僕はカタカナの「オーイシマサヨシ」のときは「アニソンシンガーですー」って感じでやってるんで、みんな光る棒を持ってたりするけど、ペンギンのライブで光る棒振ってる人は……。

神田 1人もいないです。

オーイシ 普通にロックバンド然としてて、まあハコによってはダメかもしれないけど、モッシュが起こったりするわけじゃないですか。それって“陽キャ”の集まりでは?

堀江 それについては最近思うところがあって。まず俺らメンバーの共通項は、陽キャではなく陰キャなところなんですよ、完全に。カーストでいうと最底辺(重いものを下から支えるジェスチャー)。

オーイシ それピラミッド支えてる人じゃん(笑)。カーストにすら入れてない。

堀江 少なくとも学生時代にピラミッドの上層、つまり支配層にいたやつは俺らの中にはいない。もともとどちらかというと虐げられる側と言うか、持たざる者だと思ってる。お客さんの中にも、そういうPENGUIN RESEARCHに何かしらシンパシーを感じてくれて、情熱を持って応援してくれてるように感じる部分があります。それが個人的にも居心地がよくて、そういう人間が1カ所に集まって「今ここに支配層はいないから何してもいいんだ」ってフラストレーションを爆発させてる感じとか、開放感を共有できてる気はしますね。

uP!!! SPECIAL ライブナタリー 201807

2018年7月19日(木)
東京都 TSUTAYA O-EAST
OPEN 18:00 / START 19:00(予定)

出演者 オーイシマサヨシ / PENGUIN RESEARCH

チケット一般発売

受付期間 6月30日(土)10:00~7月18日(水)23:59

詳細はこちら

オーイシマサヨシ「Hands」
2018年7月18日発売 / ポニーキャニオン
オーイシマサヨシ「Hands」

[CD]
1350円 / PCCG-70431

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PENGUIN RESEARCH「WILD BLUE / 少年の僕へ」
2018年9月12日発売 / SACRA MUSIC
PENGUIN RESEARCH「WILD BLUE / 少年の僕へ」

初回限定盤 [CD+DVD]
2000円 / VVCL-1290~1

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PENGUIN RESEARCH「WILD BLUE / 少年の僕へ」

通常盤 [CD]
1400円 / VVCL-1292

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期間生産限定盤
[CD+DVD+グッズ]
2200円 / VVCL-1293~5

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大石昌良 / オーイシマサヨシ
大石昌良 / オーイシマサヨシ
愛媛県宇和島市出身のシンガーソングライター。大学の軽音楽部の仲間である川原洋二、沖裕志と共に1999年に結成したSound Scheduleでボーカル&ギターを担当する。2006年にSound Scheduleが解散してから、2008年にシングル「ほのかてらす」でソロデビュー。2011年にはSound Scheduleの再結成でも話題を呼んだ。またアニメソングシンガー・オーイシマサヨシとしての評価も高く、オープニング主題歌を担当した人気アニメも多数。2015年にはTom-H@ckとのユニット・OxTを結成。2017年7月にはアニメ「けものフレンズ」オープニングテーマのセルフカバーなどを収めたニューアルバム「仮歌」をリリースした。2018年7月にシングル「Hands」を発表する。
PENGUIN RESEARCH(ペンギンリサーチ)
PENGUIN RESEARCH
生田鷹司(Vo)、堀江晶太(B)、神田ジョン(G)、新保恵大(Dr)、柴﨑洋輔(Key)からなるロックバンド。LiSA、茅原実里、ベイビーレイズJAPANらの楽曲の作編曲を手がける堀江が生田に声をかけ2015年に結成される。2016年1月にシングル「ジョーカーに宜しく」でメジャーデビューを果たし、3月に1stミニアルバム「WILL」を発表。以降もコンスタントにリリースを重ね、2017年3月に1stフルアルバム「敗者復活戦自由形」をリリースした。2017年11月よりライブツアー「PENGUIN QUEST~お台場に導かれし者たち~」を開催。2018年1月に4曲入りCD「近日公開第二章」を発売し、7月に初の東京・日比谷野外大音楽堂ワンマンライブを行う。

2018年7月9日更新