UNISON SQUARE GARDEN|信頼する仲間7組と画面を通じて提示する「ロックバンドが生きている姿」

こういうバンドが生きていることを見てほしい

──出演バンドはユニゾンのほかに7組いますので、ここで1組ずつ、皆さんからご紹介をお願いします。まずはa flood of circle。

鈴木貴雄(Dr)

鈴木 たぶんこの中で一番付き合いが長いバンド。2006年ぐらいからじゃない?

田淵 アマチュアの頃からですね。

斎藤 ボーカルの佐々木(亮介)くんがユニゾンをえらく気に入ってくれていて、歳も1つ下で近くて。声をかけてくれたんで、どれどれと思ってライブを観たら、度肝を抜かれるようなステージングをしていました。その衝撃が今なおライブを観ても変わらずにいる、すごく貴重なバンドです。

田淵 こういう男が生きていてくれないとロックは死ぬ、的な感覚がすごくあります。僕も佐々木に精神的な影響を受けているところがすごくあって、本当にどんなときでもポジティブで、新しいものを面白がるというマインドが柔軟なので。彼がよく言っている「昨日までナシだったものが今日からアリになる」という言葉が好きで、近くにいることで僕もスーパーポジティブ人間になれている感覚はすごくあります。ほかの全バンドに言えることなんですけど、こういうバンドが生きていることを見てほしいんですよね。

──続いて9mm Parabellum Bulletを。

斎藤 9mmも彼らの2ndアルバムのツアーのときから一緒にやっているので、長い付き合いです。トリビュートアルバムが9月9日に出ましたけども、そこにも参加させてもらいました。去年は僕らのトリビュートアルバムに参加してもらって、ようやくお祝い返しができたので、ぜひそのアルバムも聴いてほしいです。

田淵 みんなに同じことを言いますけど、生きていてほしいバンド。9mmは時代を変えたヒーローというか、フェス文化の盛り上がりに関して、彼らが作ったものはすごく大きいと思っていて。僕らは細々と、じわじわと動員を増やすような地道な活動でしたけど、それが今対等な目線で「ロックバンドだよね僕たち」と言い合えるような関係性でいられるのは僕的にも誇らしいし。勝手に同世代だと思っているんですけど、「この世代でこういう面白いことが起きているんだぞ」ということを歳をとっても言い続けるためには、ずっと同じマインドでい続けなければいけない。長くやっていて残った仲間たちというのは、それぐらい貴重なんですね。

──THE BACK HORNは、キャリア的にはかなり先輩です。

斎藤宏介(Vo, G)

斎藤 僕らが高校生のときにTHE BACK HORNのコピーバンドをしていたところから始まっているので、すごく不思議な縁だと思います。手の届かないはずだった人と、今対等に付き合わせてもらっているのは、バンドをやっていないとありえないような不思議なことだなと思うし、そういう人がこうやって協力してくれるのはめちゃくちゃありがたいですね。あと最近、(菅波)栄純さんがマツコ・デラックスさんに気に入られているのがすごいなと思います(笑)。

鈴木 スガシカオさんにも愛されているし、宇多田ヒカルさんと一緒にやっていたり、いろんな才能ある人に愛される、すごい才能だと思います。

田淵 栄純さん、本当に音楽が好きなんですよね。ずーっと音楽を聴いているし、いろんなものを知っている。それと、人って歳をとるとあんなに大らかになるもんなんだなと思いますね。デビュー当時のインタビューとかを読んでいると想像もつかない。

斎藤 山田(将司)さんは、インタビューでひと言もしゃべらなかったこともあったらしい。

鈴木 (岡峰)光舟さんはちょっと違うけどね。そこからどれだけ這い上がれるか、そういう魂のある人たちですね。

生活の中の一部として楽しんでもらいたいライブ

──そして東京スカパラダイスオーケストラは、さらに上の大先輩です。

鈴木 同じ事務所ですけど、バンド同士でちゃんと関わりだしたのは5年前ぐらいかな。大阪のイベントで。

斎藤 大阪のイベンターの方で、僕らにすごく思い入れを持ってくれている女性がいて、その方が「あなたたちはスカパラのライブを1回フロアで観なさい」と言って見せてくれたのが、5年前だっけ? そのぐらい絶対的なライブをするバンドだって、僕らの信用する人が言うぐらいの人たちです。

田淵智也(B)

田淵 僕たちはとにかくステージで曲をやって終わり、客には絡まないという、ある種スカパラとは真逆なことを突き詰めてきて、ある程度自分たちのスタイルの完成を見ないと対バンしてはいけないという気持ちがあったんですけど、「そろそろいいんじゃねえか」と思ってやったのが、「fun time HOLIDAY 6」(2017年開催の対バンツアー)だったのかな。ひと足先に斎藤くんがゲストボーカルで参加していたといういきさつもありましたけど、僕らもいい意味で意地を張って、「僕たちのライブスタンスはこれなんです」というものを、スカパラに対しても真っ向から言えるようになったのは本当に最近のことで。それでも同じステージに立って、慣れ合わずにできるのはすごいことだなと思っています。

──パスピエはどうですか?

田淵 生きていてほしいバンドです(笑)。こういう音楽の才能がある人たちは、本当に長く音楽をやってほしい。僕ら世代の希望の星というか、音楽に対して挑戦する意欲とか、僕がものぐさなせいもあって、すごく輝いて見えるんですよね。パスピエやフレデリックって。新しいアルバムを出すたびに全然違うことをやるし、客にどうやって音楽で新しい景色を見せるか?みたいなことをマジで考えているんだなって、話していていつも思うし。そこに刺激を受けてきて「音楽人ってこういうことだよな」とすごく思うので、生きていてほしいと思います。ライブでも新譜でもいつもワクワクするし、それを聴き続けられる時代に生きていてよかったと思います。

──そして、昔から本当に関係の深いBIGMAMA。

斎藤 昨日、金井(政人)くんと一緒に夜ごはんを食べたんですけど、すごくおいしそうに食べてました。

鈴木 めっちゃいい話じゃん。よし、次(笑)。

──いやいや(笑)。ちゃんと紹介しましょうよ。

鈴木 BIGMAMAはいいでしょ(笑)。「BIGMAMAはいいでしょ」っていう言葉を使ってもらえれば、それで成立すると思います。

斎藤 この間BIGMAMAの配信ライブを観たんですけど、ドラマーが代わって新体制の1発目のワンマンライブで、すごくよかった。たぶんバンドにとっては楽しくも大変な時期だとは思うんですけど、僕らにとって本当に特別なバンドなので、ずっと近くで見ていたいなと思います。

田淵 生きていてほしいバンドですよ。カッコいいバンドマンはみんな生きていてほしい。

──フレデリックは、この中では一番新しい関係性ですかね。

田淵 日本でダンスミュージックをどうやるか?ということをすごく考えている、僕らの世代にはまずいないタイプのバンドです。フレデリックはマスにも行くし、でもロックバンドともやるし、その中であれだけ真摯にダンスミュージックを考えているバンドはほかにいないなと思っていて、彼らも希望の星ですね。彼らがやっていることの奥深さはもっと知られるべきだと思っていて、そういうところも見てもらいたいです。配信にも向いていると思うし。

鈴木貴雄(Dr)

鈴木 演奏、うまいしね。

田淵 2月に鈴木くんと一緒に横浜アリーナのライブを観に行きましたけど、すごかったですよ。横アリの音じゃなかった。

鈴木 やばいね。演奏うまいバンドばっかりじゃん。俺らだけ何か盛ろう(笑)。

──ここにユニゾンを入れて、全部で8組。かなり長いイベントになりますかね。

田淵 5時間、6時間ぐらいかな。休日のピクニックみたいに、ぼーっと画面を見続けて楽しめる1日になるといいなと思っています。

鈴木 つけっぱにしておけばいい、ぐらいの感じ。

田淵 そうそう。流しながらメシ食ったり、皿洗ったり、洗濯物たたんだりして、またライブ観て、みたいな見方でもいい。生活の中の一部として楽しんでもらえるといいのでは、と思います。それと、ラジオトークのコーナーでは僕らもなるべくたくさん出るようにしようと思っています。演奏したあと、ほかのバンドの代表者にも来てもらって、オチケンとユニゾンが迎えるみたいな、そういう感じにしたいなと思っています。

鈴木 ラジオに来たい人は、みんな来ちゃっていいんじゃない?

斎藤 そうだね。そのへんはユルくても許されそうだし。

田淵 「ラジオ番組としても成立するものを」と考えたときに、リスナーからのメールをオチケンが読むこともたぶんできると思うので。そのへんも含めて、観たことのないものを作れたらいいなと思っています。

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