「プログラム15th」はちゃんと15周年を総括するライブ
──では、15周年に伴うアニバーサリー企画についても聞かせてください。まず7月27日には大阪・舞洲で野外ライブ「プログラム15th」が行われます。
田淵 これが15周年の目玉ですね。10周年のライブが東京(日本武道館)だったので、今回は大阪でやりたくて。
鈴木 そんなこと考えるなんて、いいバンドだな(笑)。
田淵 (笑)。今までさんざん「野外ライブは嫌い」「デカい会場も嫌い」と言ってましたけど、今年はイレギュラーということで。「『君たちの町まで行くよ』って言ってたじゃないか!」と不満に思っている人もいるでしょうけど、お祝いの一環だと思って、ぜひ来てほしいですね。
鈴木 うん。ツアーバスなども用意しているので。
──「プログラム15th」というタイトルは、10周年のタイミングで発表した楽曲「プログラムcontinued」から来てるんですか?
田淵 そうですね。「プログラムcontinued」は10周年記念ソングだったんですけど、タイトルを見ただけで「アニバーサリーなんだな」ということがわかるようにしたかったから。いい曲だしね、「プログラムcontinued」。
──これだけ大規模の野外ライブは初めてなので、スペシャルな日になりそうですね。
田淵 そうしたいと思っています。ちゃんと15周年を総括するというか、振り返ることができるライブにしたいんですよね。5年前の武道館は「オリオンをなぞる」もやらない、「いつもと変わらないライブ」をアピールしたつもりなんですけど、今回はそうではないので。
鈴木 グッズ担当としても力が入りますね。ほぼイメージは固まってるんですけど、「これは売れるな」と思えるモノができそうなので。グッズに関しても、年々いい感じで作れるようになってるんですよ。あとは天気だけですね。
田淵 怖いけど、そこは覚悟を決めないと。
斎藤 去年の夏、めちゃくちゃ暑かったじゃないですか。30~40分のフェスのステージもきつかったから、2時間のライブがやれるのかなって。感極まりがちなライブになると思うので、余計な体力も使いそうだし。そこは入念に準備しないと。
鈴木 宏介の立ち位置に専用クーラーを付けようか。
斎藤 ずっと服がヒラヒラしてるかも(笑)。怖さもありますけど、バシッと決めてこそのお祝いごとですからね。皆さんに喜んでもらえて、自分たちも楽しめる、質の高いライブを見せたいと思います。まあ、やるときはやるバンドですからね。
鈴木 そうなんだよね(笑)。真夏の野外ライブだから、成人のお客さんにはビールも飲んでいただいて。
斎藤 ライブが終わった瞬間にビール飲みたいね。ビールかけやろうか?
鈴木 マジで?(笑) そういうことは避けてきたけど、楽しいかもね。
カップリング曲は方程式から外れたこともやれる
──さらにB面集アルバム「Bee Side Sea Side~B-side Collection Album~」のリリースも発表されました。シングルのカップリング曲をコンパイルした作品ですが、B面集を作ろうと思ったのはどうしてですか?
田淵 15周年の企画やイベントをたくさん考えていく中で、「B面集はどうだろう?」というアイデアが出てきたんですよね。単純にB面の曲が増えてきたし、そろそろ出してもいいかなと。欲しい人がいるかどうかは、正直よくわからないんですよ。なので初回限定盤で面白いことをやるとか、「こういう企画をやれば手に取ってもらえるのでは?」ということも提示していけたらなと。総選挙(シングルのカップリング曲を対象にした人気投票)で1位になった曲のMVを作るというのも、その1つです。ただ、最近自分たちに興味を持った人に「ベスト盤が出る」と思われると困るので、タイトルにも「B-side Collection Album」を付けて。「Bee Side Sea Side」には大した意味がなくて、語呂の良さで決めたんですけど(笑)。
──UNISON SQUARE GARDENのディープな部分を感じられるアイテムになると思いますが、皆さんにとってシングルのカップリング曲はどんな存在なんですか?
田淵 僕はアルバムのことを第一に考えているので、そこに入らなかった曲なんですよね。シングルの表題曲に合わせて「これを入れたらいいんじゃないか」っていう。もちろん、よくない曲は1つもないんですけど。
鈴木 「この曲をカップリングにします」「いいよ」という感じなので、僕は特にこだわりはないんですよね(笑)。あえて言うなら、シングルの表題曲でもアルバム曲でもないので、普段とは違うドラムを叩けるんですよ。挑戦というと大げさだけど、変わったことができるのは楽しいです。
斎藤 僕も同じですね。ギターのフレージング、使う機材、歌唱法を含めて、普段とは違うことを試せるというか。たくさん曲を作ってると、方程式みたいなものができてくるんですよ。「まずはこういうギターを録って、次はこういうフレーズを重ねて」とか。カップリング曲は方程式から外れたこともやれるし、その中で意外な発見もあって。それを次につなげられることもあります。
「あいつら、ハシャいでるな」と思ってもらえる1年にしたい
──今回発表された7月のライブ、B面集アルバムとツアー以外にも、いろいろなアニバーサリー企画が用意されているとか。
田淵 はい。これ以外にもリリースできるアイテムもあるし、あんなライブ、こんなライブもあるので。何が発表されても、お祝いだと思って前向きな気持ちで受け止めてもらえばなと。いつもは批判も大歓迎なんですが、今年は無条件にお祝いしてほしいです(笑)。そのために準備しなくちゃいけないことはたくさんあるんですけどね。自分で企画したんだけど、「けっこうベース弾かないとダメだな」っていう。
鈴木 それを含めて自分たちが楽しいことばかりですけどね(笑)。普段のワンマンツアーは責任が伴うし、100%カッコいいと思う表現をやり切ることだけを考えていて。すごく楽しいんですけど、精神的に削られるところもあるんですよ。今年はそうじゃなくて、ずっと音楽を楽しめる1年になりそうだし、そうしたいと思ってます。それはそれで「自分自身が一番楽しむ」という責任が伴うんですけど。
斎藤 そう、責任を放棄するということではないので。個人的にはどんどんスキを見せていきたいですね。そうやって音楽を楽しむ中で、意外な発見もあると思うので。
田淵 うん。とにかくワクワクしているので、皆さんもぜひお祝いしてください。「あいつら、ハシャいでるな」と思ってもらえる1年にしたいんですよね、今年は。