8月20日と21日の2日間にわたり、大分・城島高原パークで野外イベント「UNDER THE SCREAM!! 2022」が開催される。
このイベントでは巨大な木製ジェットコースター「ジュピター」が目印の遊園地・城島高原パークを舞台にバンド、アイドル、お笑い、シンガーと多彩なメンツによる熱いライブが繰り広げられる。
音楽ナタリーでは「UNDER THE SCREAM!! 2022」の開催にあたって、主催者である松隈ケンタに話を聞いた。松隈は音楽クリエイター集団・SCRAMBLES(スクランブルズ)の代表を務め、2021年に「NHK紅白歌合戦」への出場を果たしたBiSHをはじめとする音楽事務所WACK所属アーティストの楽曲を数多くプロデュース、地元福岡発のロックバンドBuzz72+のギタリスト兼コンポーザーとして活躍。さらに福岡に根差す音楽を中心としたカルチャーを若者に引き継ぐためにカルチャーユニット・BAD KNee(バッドニー)を立ち上げるなど、多岐にわたる活動を見せている。
この特集では、真夏の遊園地を舞台にした「UNDER THE SCREAM!! 2022」の魅力を松隈が紹介。出演アーティストの紹介を含め、この野外イベントのサブテキストとして楽しんでほしい。
取材・文 / 田中和宏
「UNDER THE SCREAM!! 2022」
会場マップ
タイムテーブル
前夜祭
2022年8月20日(土)大分県 城島高原パーク
OPEN 15:00 / START 16:00
<出演者>
「チャレンジオーディションGO!GO!GO!」決勝進出アーティスト6組 / and more
「UNDER THE SCREAM!! 2022」本祭への出演を懸けたオーディション「チャレンジオーディションGO!GO!GO!」の決勝と、本祭出演者からの選抜メンバーによるスペシャルバンドステージ。サブステージでは8月20日、21日ともにメインステージに出演するGANG PARADE、豆柴の大群によるミニライブ&特典会が行われる。
本祭
2022年8月21日(日)大分県 城島高原パーク(メイン会場:ウッドパワースタジアム)
<出演者>
Buzz72+ / どぶろっく / GANG PARADE / 豆柴の大群 / THE FOREVER YOUNG / ぴゅーひょろろ / The コットンクラブ / Hack the Ceremony / バリカタキッズ(オープニングアクト)
MC:栗田善太郎
UNDER THE SCREAM!! 2022 (@UNDERTHESCREAM5) | Twitter
松隈ケンタが語る「UNDER THE SCREAM!! 2022」の見どころ
「UNDER THE SCREAM!! 2022」開催にあたって
2020年に自分のバンド・Buzz72+を再結成させる少し前、僕は東京から地元福岡に戻って来ました。福岡でやりたいことの1つとして「サウンドスクランブル天神2020」というSCRAMBLES主催のイベントがあり、BiSH、豆柴の大群のほか、地元バンド11組を呼ぶ予定でしたが、コロナ禍の影響で中止に。こちらの動きとは別に、城島高原パークではコロナ禍以前からWACK所属アーティストが集まるイベント「WACK祭り」が定期的に開催されていました。城島高原と言えば、別府や由布院とも近くて、大分や福岡の人間からすると気軽に車で行ける行楽地。東京で例えるなら、箱根に旅行しに行くくらいの感覚です。僕自身、城島高原に何度も足を運んでいるうちに「この場所でアイドルだけでなく、バンドも呼んでイベントができたら面白いだろうな」と思い、会場側の協力を得つつ、実現できることになりました。
ジュピターに囲まれたステージでは、その昔ジャズフェスティバルをやっていたし、「JUPITER音楽祭」というイベントにはいろんなアーティストが出演していました。それと、城島高原パークのある大分はSIX LOUNGE、ircle、阿部真央さんなどいろんなアーティストの出身地ですし、音楽が盛んな文化圏なんです。個人的な話ですが、僕の妻が別府の人間ということもあって、ご縁を感じている場所でもあります。
家族連れも楽しめる「夏のイベント」を目指して
僕はプロのイベンターではないですが、イベントを開くにあたってビジネス的に考えたら集客が必要なので、名の知れたアーティスト、話題のバンドを呼ぶのがセオリーだと思います。だけど九州ではそういう有名な方がたくさん出演するイベントが増えてきているし逆に大きなフェスが増えてくると、地元の若手が出るチャンスが減ってきてしまうと思ったんです。だからそういう派手なイベントは大きなイベンターさんにお任せするとして、僕らのイベントは、自分が若い頃「野外フェスってどうやったら出られるんだろう」と夢見たように、「大きなステージに立ってみたい」という若手アーティストを手助けできたらと思っています。
お客さんには“夏のイベント”を楽しんでほしいんです。会場までのドライブがてら温泉に寄ってもいい。もちろん一番の目標が音楽のライブを観ることであればうれしいですけど、せっかくの野外イベントです。若手中心のライブを楽しみつつ、アトラクションで遊んでもらって大丈夫ですから(笑)。ライブ中もジュピターをフル稼働させてもらいますので、ステージの周りからはキャーキャー叫んでる声が聞こえると思います。メイン会場のウッドパワースタジアムはジェットコースターに囲まれてるステージなので、絶叫マシンに乗りながら余裕があれば、ジュピターからステージが見えると思います(笑)。
日本初の木製コースター「ジュピター」の走路に囲まれたウッドパワースタジアムがメイン会場になりますが、「UNDER THE SCREAM!!」はそれだけではありません。園内に普段ヒーローショーなどをやっている広場があって、その広場でのステージは、ライブのチケットを持っていない人も観覧できます。
ウッドパワースタジアムの周辺では「アンスク」限定のフード、ドリンクが楽しめます。キッチンカーが数台あって、GULDILOCKS(ガルディロックス / 福岡にあるカフェバー)の出張版もあります。名物ガリバタをイベント仕様で提供します。ライブのみならず、音楽が鳴り響いている野外空間でごはんを食べたり、ジェットコースターに乗ったりもして、1日を楽しんでください。
WACKアイドルがスペシャルバンドのボーカリストに
前夜祭ではオーディション企画「チャレンジオーディションGO!GO!GO! 2022」の決勝ライブがあります。全国から222組の応募がありまして、アイドル、シンガー、バンドといろんなジャンルの人たちがエントリーしています。すべての応募書類や音源をスタッフとチェックして20組に絞り、SNS審査の末に勝ち上がった6組が城島高原パークに集まります。
前夜祭では会場に前乗りしてくれるアーティストたちがバックバンドで演奏しつつ、GANG PARADE、豆柴の大群というWACKアイドルの選抜メンバーが歌います。WACKの子たちはこれまで「TOKYO IDOL FESTIVAL」(TIF)でシャッフルユニットを組んだり、WACK内の別のグループの曲を歌ったりすることはありましたけど、それ以外の曲を人前で歌うことってめったにないんです。生バンドをバックにWACKの子が別のアーティストの歌を歌うのはレアですよ(笑)。特集記事ということで、ここでバンドを発表します! スペシャルステージのバンドメンバー一覧をご覧ください!誰が何を歌うか楽しみにしていてほしいです。豆柴とギャンパレは20、21日の両日、園内でミニライブ、特典会もやります。ぜひタイムテーブルをチェックして遊びに来てください。
松隈ケンタによる「UNDER THE SCREAM!! 2022」出演者紹介
Buzz72+
僕が在籍する素晴らしくカッコいいバンド。解散して13年間、仲の悪かったメンバーが集結したのが2020年です。2005年にメジャーデビューして「a-nation」にオープニングアクトで出た経験などがありますが、それ以来の野外ステージです。メンバーも楽しみにしてますね。自分でイベントを考えて、自分で出るのはズルいと思われるかもしれませんけど、夢を見てくれたらうれしいです。40代のバンドだけど、若者にもアイドルにも負けずにエモーショナルなライブをやりますので!
どぶろっく
どぶろっくさんは地元の先輩で、デビュー前、深夜のコンビニで一緒に働いてたことがあるんです。森、江口、松隈の3交代で(笑)。大人から子供まで、家族ぐるみで楽しめるイベントにしたいという思いからお笑いは必須要素だったところ、どぶろっくさんはお笑いがベースだけど音楽もできる存在でぴったりだなと。ブレイクしてから連絡してなかったのですが、今回のライブで初共演できることになりました。誰もが知っているであろう名曲は必見ですね。ライブの尺もたっぷりあるので、九州トークもネタも歌も楽しめます。生で江口さんの歌を聴いたら、感動しますよ。
GANG PARADE
ギャンパレは「WACK祭り」でもお馴染み、城島の常連ですね。メンバーが13人になって初めての城島。にぎやかなステージを見せてくれると思います。ギャンパレの音楽は大きなステージ、海外の野外フェスで歌われるようなイメージで作ったスケール感の大きい曲がたくさんあります。野外の開放的な雰囲気にぴったりのアーティストなので注目です。
豆柴の大群
お子さんにも人気があるグループです。ロックフェスだと子供連れで行くのが難しいけど、「UNDER THE SCREAM!!」なら豆柴の大群の楽しいライブを、お子さんと気軽に楽しめます。豆柴ちゃんたちのキュートなステージを見てもらいたいです。いい意味で童心に帰れる楽曲がたくさんありますので、盛り上がれること間違いなしです!
THE FOREVER YOUNG
BAD KNee所属バンドがほとんどの今回ですが、外部のバンドさんにも出ていただきたく、九州でも圧倒的な知名度を誇るエバヤンさんにオファーしました。これまで関わりがなかったので一緒にやってみたかったんです。彼らは久留米のバンドで、以前から僕のことも知っていてくださっていたみたいで光栄です。エバヤンはかなり熱いステージが見どころですよね。彼らの熱いロック魂は、真夏の野外イベントをさらに熱くしてくれるはず。
ぴゅーひょろろ
ぴゅーひょろろはメロディックなロックバンドです。バンド名を今の名前に改名してから、大きなイベントに出るのは初なので、今回がお披露目に近い形になります。見た目はひょろろとしていてかわいらしい感じですが、ものすごく分厚いサウンドを奏でます。あえてわかりやすく例えるなら、“たまが歌うマキシマム ザ ホルモン”みたいな。強すぎる個性のステージを堪能してください。
ぴゅーひょろろ (@Pyu_hyororo) | Twitter
The コットンクラブ
メランコリックパンクバンドのThe コットンクラブは、流行りのジャンルとは真逆かもしれませんが、ノスタルジックな雰囲気を大切にしています。フェスに合うのか合わないのかで言えば不釣り合いな感じで、地下のおしゃれなクラブでやるイメージのバンドだけど、夏フェス仕様でどう見せてくれるのかに注目です。
The コットンクラブ (@tcc1807) | Twitter
Hack the Ceremony
アユニ・Dのソロバンドプロジェクト・PEDROのドラマーでもおなじみの毛利匠太を筆頭にした、大学を出たばかりのスリーピースバンドです。メンバー3人とも慶応、早稲田、立教出身のインテリバンドで、音楽に関しては頭がカッチカチのかわいいところがあります(笑)。ずっと我々の音楽スクール・スクランブルズミュージックカレッジのスクール生でもあって、何年も修行をしてようやくこのステージに登場です。熱い気持ちで乗り込んでくると思いますので、その気迫を見届けてほしいです。
Hack the Ceremony (@hacktheceremony) | Twitter
バリカタキッズ(オープニングアクト)
NHK福岡放送局の開局90周年記念ソングとして制作されたMISIAさんが歌う「好いとっと」に乗せて踊る5人組キッズダンサーが編成されバリカタキッズとなりました。この子たちは今、歌に踊りに挑戦し、僕が楽曲をプロデュースしています。中学生でめちゃくちゃ元気があって、会うたびに成長する個性豊かで面白い子たちです。遊園地でのライブにこんなぴったりなグループはいないだろうと思いますので、元気いっぱいのステージが楽しみです。
栗田善太郎
MCをお願いしたのは“クリゼン”さんこと福岡ラジオ界のレジェンドDJ栗田善太郎さん。九州各地でおなじみの音楽番組NHK FM「六本松サテライト」では松隈とともにMCを担当、松隈のやることはすべてお見通しです! 豊富な音楽知識と軽快なトークで会場を盛り上げてくださること間違いなし!