ukkaインタビュー|メジャーデビューを叶えた今見つめ直す、6人の結束と自分たちらしさ

2022年11月にテイチクエンタテインメントよりミニアルバム「青春小節」をリリースし、メジャーデビューを果たしたukka。多彩なアイドルグループを擁するスターダストの中で、確かな歌唱力とクオリティの高い楽曲で独自の地位を得ている彼女たちだが、2015年の結成から現在に至るまで活動コンセプトの転換やメンバーの変遷など、常に試練に見舞われているグループでもある。2021年秋に現在の6人体制に生まれ変わったのも記憶に新しい出来事で、パフォーマンスの安定感と完成度を高めることに苦労したはず。そんな紆余曲折を経ながらもやっとつかみ取ったのがこのメジャーデビューだ。

この特集ではメンバー6人にインタビューし、メジャーデビュー後の現在の心境、「青春小節」や1月に配信リリースされた最新曲「コズミック・フロート」の印象、2月から4月にかけて行われるメジャーデビュー後初のツアーについてたっぷり語ってもらった。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 堀内彩香

メジャーデビューして変わったこと

──ukkaは桜エビ~ず時代に12カ月連続新曲リリース企画を実施したのを機に、楽曲やパフォーマンスが優れたアイドルであることを印象付け、個性ひしめくスターダストのグループの中で独自のアイデンティティを獲得したように思います。ただ、そこからすごく順調に階段を駆け上がっていったのかと言うとそういうわけでもなく、メジャーデビューに至るまでひと筋縄ではいかなかったイメージです。

川瀬あやめ そうですね……メンバーが4人になったときは正直どうなるのかなと自分たちでも思いましたが、ここまで続けてこれたこと、このグループを守ってこれたことが何よりも一番よかったなと感じています。その道のりが今のukkaにつながってると思いますし、結果的にいろんな経験を積ませていただいて。全部通らないといけなかった道というか、今のukkaがあるためには必要な道だったのかなと思います。

茜空 前の6人体制のときは5年くらい同じメンバーで活動していたから、このまま変わらないものだと勝手に思っちゃっていて。6人から5人になったときも、5人から4人になったときも全部が大変だったんですけど、だからこそ今のukkaがあるし、無駄なことは1つもなかったのかなって。

ukka

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──そういった苦労を経て、昨年5月にテイチクエンタテインメントからのメジャーデビューが発表され、11月にメジャーデビューミニアルバム「青春小節」がリリースされましたが、それから数カ月が経った現在の心境はいかがですか? メジャーデビューしたことで大きな変化を感じているのか、そうではなくまだスタートラインに立ったばかりという気持ちなのか。

芹澤もあ メジャーデビューした実感はありつつも、初めて経験することが多いので、まだ全然これからだなって、お仕事をするたびに思います。ライブやレッスンに関してはやることは変わらないんですけど、これまであまり経験してこなかったラジオやテレビ番組の収録のお仕事が入ってくると、慣れてない分、新鮮に感じるんです。

村星りじゅ 去年の12月に渋谷のスクランブル交差点を歩いていたら、ビジョンに私たちがコメントさせていただいたJOYSOUNDさんの映像が流れてて。まさか街中のビジョンに自分たちが映る日が来るとは思ってなかったので、そのときにメジャーデビューした実感が湧いてきました。

──やっぱりメジャーデビューしたことで露出は増えたんですね。

川瀬 あと、昨年末の「ももいろ歌合戦」(ももいろクローバーZ主催の年越しライブ)も含めてレコード会社の方にお会いしたり、レーベルメイトの方と共演させていただいたりすることが多くなって(参照:ももクロ「ももいろ歌合戦」総勢60組以上が集結!フル尺歌唱と貴重なメドレーに今回も大盛り上がり)。「私たちはテイチクさんに入って、こういった方々と一緒にお仕事できるようになったんだ」という実感が湧いています。

川瀬あやめ

川瀬あやめ

茜空

茜空

──「ももいろ歌合戦」ではレーベルの大先輩である山本譲二さんとの異色のコラボがありました。スターダストプラネットのグループがテイチクエンタテインメントからメジャーデビューするのは初めてですが、テイチクエンタテインメントはどんなレーベルですか?

川瀬 どうなんだろう(笑)。まだあんまり把握できてないかも。

 和のイメージがあります。この間のイベントでもらった差し入れがお稲荷さんでした。あと、和菓子の詰め合わせセットみたいなものもいただいて。

村星 落ち着いた優しい雰囲気ですね(笑)。

──山本譲二さんをはじめ大御所の演歌歌手の方も所属していますし、その雰囲気がにじみ出ていると。

川瀬 そうですね。なんだかやっぱり緊張しちゃいます。テイチクさんに行くと、ちょっと空気が重たい感じもあって……もちろんいい意味で! 誰もはしゃいでないんですよ。

──(笑)。

 メジャーデビューしたことで、ほかにもukkaに関わる方が変わりました。メジャーデビューに向けてボイトレの先生も変わったし、最近はいつもの先生以外の方からもダンスを教えていただいたりして。今まであったものをさらによくしよう、今までにないものを取り込もうという精神は、メジャーデビューしたことでより強くなったのかなと思います。

りながツッコミ、るりはボケ

──結城りなさんと葵るりさんは2021年9月にukkaに加入し、その約1年後にメジャーデビューするという急展開でここまで駆け抜けてきたわけですが、そのスピード感に気持ちは追いついてますか?

結城りな 加入したばかりの頃はわからないことだらけだったし、メジャーデビューしてからも新しくわからないことが増えました。でも、「メジャーデビューおめでとう」とか、ファンの方たちがかけてくれる言葉を通してうれしさもひしひしと感じています。

葵るり 私も加入当初はわからないこと、できないことが多かったんですけど、1年経って少しずつできることが増えてきたり、自分はこうしたいという意志を持って活動できるようになったりして。そんな中でメジャーデビューが決定して、もっとがんばらなきゃって、さらに前向きな気持ちになれましたし、この6人でもっといろんな景色を見に行きたいという気持ちがより一層強くなりました。

結城りな

結城りな

葵るり

葵るり

──この1年数カ月、歌や振付を含めて覚えなきゃいけないことが多かったのでは?

結城 そうですね。確かに覚えることが多かったです。歌やダンスもそうですけど、私はスタッフさんの名前を覚えるのも苦手で、「とにかく覚えなきゃ!」ってメモをし続ける日々でした。でも、振付を覚え終わったときとかにすごく達成感があって、これからこの曲をどんどんパフォーマンスしていきたいという前向きな気持ちになるんです。

 私は覚えることがすごく苦手なんですよ。ダンスも歌も。それは自分でずっと自覚していたことで、去年の11月に「ALLOUT SECOND」という全曲披露ライブがあったんですけど(参照:ukka「ALLOUT SECOND」で持ち曲全44曲を一挙披露、メジャーデビューに向けて全力で加速)、それに向けて全44曲の振付を頭に入れなきゃいけない状況になったときは「え! 44曲も覚えられない!」って焦りました。でもメンバーがすごく支えてくれて、レッスンに付き合って教えてくれて。この6人で一緒に活動していてよかったなと強く感じました。

川瀬 「ALLOUT SECOND」は本当に大変だったと思います。でも、結果的に2人ともできてたからすごいです。私たちほかのメンバー4人もフォーメーションの変更に対応しなくちゃいけなくて大変だったので、メンバーみんなで支え合って乗り越えた感じですね。りなとるりはすごく成長してるし、ダンスが踊れるようになっただけじゃなく、最近はファンの方にしっかり目を向けられるようになってきていて。6人で1つのまとまりになったというか、少しずつ形になってきてるかなと思います。

 最近は2人から話しかけてくることもわりと多くて。りなは話しているとツッコんできたりするんですよ(笑)。あとダンスのレッスンのときも、前はほかの4人が2人に対して間違っているところを指摘することが多かったんですけど、2人から「ここ違くないですか?」って声をかけてきたり、逆に私が「この振りどっちだっけ?」と聞いたりすることもあって。そういうところも含めて、やっとこの6人でグループとしてまとまってきたなと感じています。

芹澤 ライブのリハーサル映像を1年前と今とで比べると、2人が堂々とパフォーマンスしているのがわかるし、新メンバー2人のパフォーマンスを見ていいなと思ったところは私も真似しようとしています。

──りなさんが会話中にツッコんでくるようになったということですが、メンバーに対する普段の接し方も変わりました?

 変わったどころじゃない。変わりすぎです(笑)。

村星 やっぱり最初はお互い緊張していたこともあって、ちょっと距離を感じるときもあったんですけど、レッスンやライブを積み重ねていくうちにその距離感が変わってきて。例えるとすると……もともと50メートルぐらいあった距離が1メートルぐらいに縮まった感じです。その縮まるスピード、2人が馴染んでくれるスピードがホントに速くて私たちとしては助かりました(笑)。「この6人でいけるぞ!」という自信が生まれましたね。

芹澤もあ

芹澤もあ

村星りじゅ

村星りじゅ

──るりさんについては、具体的に言うとどういうふうな距離感の変化がありました?

川瀬 しつこくなった。

 なんか私にだけ辛辣ですね(笑)。

川瀬 褒めてるんだよ(笑)。

 るりって、自分のことをめっちゃかわいいと思ってるんですよ。

 思ってませんよ!(笑)

川瀬 いや、いいんだよそれで(笑)。

 「私かわいいですか!?」「今日の髪型かわいくないですか!?」ってめっちゃ聞いてくるんです。そういう圧の強さって今までのukkaにはなくて。人から「かわいいね」って言われても、「そんなことないですよ」と返すような空気感のグループだったんですけど、るりという新種のメンバーが入ってきてくれたことがukkaにとって強みになってると思います。

川瀬 ホントに今までにいなかったタイプだから、こっちとしてもどう対応したら正解なのかわからないんです(笑)。日々学びながら接してます。

 いろいろ考えてそうで意外と考えてない一面もあって。適当ってわけじゃないけど、るりの明るいキャラクターのおかげでukka全体が明るくなったように感じます。

村星 りながツッコミだとしたら、るりはボケなんですよ。ダジャレを思いついたらすぐに言ってきたり。それが面白いし、2人のバランスと相性がすごくいいんです。そういう面でもukkaがよりまとまったなと感じます。

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