上坂すみれ|問題作「ポプテピピック」オープニングテーマと2018年のすみぺ

ホームビデオです

──初回限定盤付属のDVDにはMVに加えて、上坂さん初のメイキング映像も収められています。メイキングは前に「閻魔大王に訊いてごらん」(2014年12月発売の5thシングル)のときに収録しようとしたものの、お蔵入りになったとおっしゃってましたね。

「閻魔大王に訊いてごらん」のときは私がたくさんドーナツを食べる映像を撮ったんですけど、それくらいしか撮ってなかったので(笑)、たぶん撮れ高がなかったんだと思います。でも今回は「メイキングを出そう」という理念に基づいていろんな場面を撮影したので、メイキングっぽくなっているんじゃないでしょうか。

──メイキングっぽさはあまりなかったですね……。

ほかの方のメイキングをほとんど観たことがないので、私はよくわからないです。そうだったのか……メイキングって楽屋でだらけているところとかが入ってるんじゃないんですか? だってMV撮るときってそんなにやることないんですよ。

上坂すみれ

──撮影の裏側を収めていてMVとの対比で楽しめるという意味では十分にメイキングなんですけど、ノイズや手ブレがすごくて、アバンギャルドな自主映画みたいでした。

大体はプロデューサーさんかスタイリストの佐野(夏水)さんがカメラを回しているので……ホームビデオと言っておけばよかったですね。ホームビデオです。

──休憩シーンではおしゃべりしている様子なんかが入っているのがよくあるメイキング映像ですけど、上坂さんの場合はただ無言でスマホをいじっていて、挙げ句カメラに向かって「放っといてくださいよ」って(笑)。

すごく面白い動画を観てるときに話しかけられても、ねえ。困っちゃいますよ。でも確かに、「アニサマ」(国内最大級のアニメソングイベント「Animelo Summer Live」)とか舞台裏で「意気込みをどうぞ」みたいな質問をされますもんね。そういうの全然なかったな……。

太田雅友との初コラボ

──カップリングには新曲が2曲収録されています。2曲目の「増殖罵倒少女の愚恋」は作詞が畑亜貴さんで、作曲はSCREEN modeの太田雅友さんですが、太田さんが上坂さんに楽曲提供するのは初めてですよね?

はい。太田さんはかねてから私の曲やパフォーマンスに興味を持ってくださっていたと、ご本人から「アニサマ」の打ち上げのときに聞きまして。「いつでも呼んでください」とおっしゃってくださったので、さっそくお願いしてみました。

──太田さんはどんな方でした?

ちょっと女子っぽいと言いますか、物事を理論じゃなく感覚を基準に判断している人なんじゃないかなって。私と少し似ていると思いました。

──「増殖罵倒少女の愚恋」は1980年代の歌謡曲みたいな雰囲気ですけど、サウンドは現代的でちょっと不思議な感じですね。今の音で作る80's歌謡。

上坂すみれ

あ、そうですね。ラジオで趣味の話をしたこともあり、「すみぺと言えば昭和」と考えて作ってくださったんですけど、音は今のアニソンっぽくて。私は石川ひとみさんの「まちぶせ」をイメージして歌いました。

──女性コーラスの入り方は林哲司さんあたりの歌謡ポップスを彷彿とさせる感じもあって。

菊池桃子さんの後ろで歌っている方みたいな。このコーラス、私もレコーディングはしたんですけど、もっと歌謡曲っぽいお姉さんの歌声になっていました。

すみぺと作詞

──一方、3曲目の「ミッドナイト♡お嬢様」はジャズ歌謡的なサウンドに乗せた吸血鬼の歌で、「妖怪人間ベム」(1968~69年放送のテレビアニメ)から連なる怪しい化け物ソングの系譜と言うか。

ああ、なるほど。だから私はこういう歌詞にしたんですね。ジャズと言えば妖怪みたいな。

──無意識だったんですね。この曲はなぜ上坂さんご自身で歌詞を書こうと?

オケをいただいたときに仮の歌詞が付いてたんですけど、聴いてみたら「これなら書けそうな気がする」と思って。私のイメージとしては「ソウル・ドラキュラ」(フランスのバンド・Hot Bloodによるディスコナンバー。1970年代後半に日本でも大ヒットした)の、どこがドラキュラなんだかわからない感じ。

──作詞はコンスタントにやりたいという気持ちがあるんですか?

「書け」と言われると嫌なんですけど……。

──でも自ら進んで書きたいと思うことはある。

上坂すみれ

はい。今まではそんな気持ちにならなかったので……なんかあったんでしょうね。

──何があったんですか?

何があったんでしょうね。でも別に毎回書きたいとは思わないんですよ。なんだろうなあ……譜割が簡単そうだったから?

──あははは(笑)。自分の言葉で歌いたい人と、作詞家が書いた世界観を表現したい人、それぞれだとは思うのですが、上坂さんはゆくゆく自作詞を増やしていきたいという気持ちがあるんですか?

自分で書いた歌詞のほうが歌いやすいというのはあります。譜割も自分が歌いやすいようにできるし、自分が考えたので歌詞をあまり間違えないという特長がありますね。

──作詞はよく「日記を見られるような恥ずかしさ」があるとも言われますけど、上坂さんはそういう照れはないですか?

「あなたの初恋を書きなさい」と言われたらたぶんすごく照れますけど……クレジットに入らないような1フレーズのみを考えるようなときも、私は自分について書くことはないので。自分じゃない何かを表したい願望はあるから、例えば「1人の夜にあなたからの電話が来ない」みたいなフレーズは私からは生まれて来ないので、照れはないです。

上坂すみれ「POP TEAM EPIC」
2018年1月31日発売 / KING RECORDS
上坂すみれ「POP TEAM EPIC」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / KICM-91824

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上坂すみれ「POP TEAM EPIC」期間限定アニメ盤

期間限定アニメ盤 [CD]
1404円 / KICM-91825

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上坂すみれ「POP TEAM EPIC」通常盤

通常盤 [CD]
1404円 / KICM-1824

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CD収録曲
  1. POP TEAM EPIC[作詞・作曲・編曲:吟(BUSTED ROSE)]
  2. 増殖罵倒少女の愚恋[作詞:畑亜貴 / 作曲:太田雅友(SCREEN mode) / 編曲:EFFY(First Call)]
  3. ミッドナイト♡お嬢様[作詞:上坂すみれ / 作曲:深澤祐貴 / 編曲:久下真音]
  4. POP TEAM EPIC(off vocal ver.)
  5. 増殖罵倒少女の愚恋(off vocal ver.)
  6. ミッドナイト♡お嬢様(off vocal ver.)
初回限定盤DVD収録内容
  • 「POP TEAM EPIC」MUSIC VIDEO
  • 「POP TEAM EPIC」MUSIC VIDEO メイキング映像

イベント情報

上坂すみれ9thシングル「POP TEAM EPIC」
発売記念イベント
2018年2月24日(土)
東京都 TSUTAYA IKEBUKURO AK店 1Fイベントスペース
[1回目]OPEN 12:15 / START 13:00
[2回目]OPEN 15:15 / START 16:00
内容:トーク / ミニライブ
2018年3月10日(土)
愛知県 とらのあな名古屋店イベントスペース
OPEN 11:45 / START 12:15
内容:ポスターお渡し会
2018年3月10日(土)
大阪府 animate O.N.SQUARE HALL
OPEN 16:00 / START 16:30
内容:ポスターお渡し会
2018年3月10日(土)
大阪府 ゲーマーズなんば店 イベントスペース
OPEN 18:00 / START 18:30
内容:ポスターお渡し会
2018年3月11日(日)
東京都 AKIHABARAゲーマーズ本店 6Fイベントスペース
OPEN 12:00 / START 12:30
内容:ポスターお渡し会
2018年3月11日(日)
東京都 とらのあな秋葉原店C イベントスペース
OPEN 14:00 / START 14:30
内容:ポスターお渡し会
2018年3月11日(日)
東京都 アニメイト池袋本店 イベントスペース
OPEN 16:30 / START 17:00
内容:ポスターお渡し会
ファンクラブイベント
「革ブロ5周年記念集会~サンリオピューロランド会談」
2018年2月11日(日・祝)
東京都 サンリオピューロランド
トークイベント「おはなしの部」
OPEN 13:00 / START 13:30
ライブイベント「ライブの部」
OPEN 17:00 / START 17:30
上坂すみれ(ウエサカスミレ)
上坂すみれ
ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊した1991年生まれの声優、アーティスト。小学生時代よりジュニアモデルとして活動し、2012年テレビアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」の小鳥遊空役で本格的に声優デビューを果たす。以来、注目作に出演する一方でメディアやイベントなどを通じて、無類のロリータファッションマニア、ソ連・ロシアマニア、ミリタリーマニア、音楽マニアであることがファンの知るところに。そして2013年4月、その趣味の世界をダイレクトに反映したシングル「七つの海よりキミの海」でアーティストデビュー。その後も桃井はるこ作詞作曲の「げんし、女子は、たいようだった。」や、大槻ケンヂ作詞、NARASAKI作曲の「パララックス・ビュー」など話題作を立て続けにリリースし、2014年1月には1stアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」、2016年1月には2ndアルバム「20世紀の逆襲」を発表した。2016年2月には東京・中野サンプラザホールで初のバンド編成による2DAYSライブ「超中野大陸の逆襲」、12月には初のアリーナ会場となる東京・両国国技館でワンマンライブ「上坂すみれのひとり相撲2016~サイケデリック巡業」を行った。2017年4~6月にはTOKYO MXとBS11で初の冠テレビ番組「上坂すみれのヤバい○○」が放送され、9月には放送された全12話に未公開映像を加えたBlu-rayボックス「上坂すみれのヤバい○○ Blu-rayBOX」が発売。2017年1月にニューシングル「POP TEAM EPIC」がリリースされた。