上坂すみれ「上坂すみれのヤバい○○ Blu-rayBOX」発売記念特集|混沌の地上波バラエティ 収録現場潜入レポート

上坂すみれ初の地上波冠番組として、4月から6月にかけてTOKYO MXとBS11でオンエアされた「上坂すみれのヤバい○○」。“声優界イチ ヤバい声優”上坂が世のさまざまな“ヤバい”とコラボレーションし、“ヤバい”の概念を覆すという趣旨で放送されたこの番組では、放送事故寸前の“ヤバい名場面”が数々生まれた。水瀬いのり、水樹奈々、angela、蒼井翔太、内田真礼、小倉唯、宮野真守といったアニメソングシーンの第一線で活躍する豪華アーティストたちのほかでは見られない表情が楽しめるのも、この番組の魅力の1つだ。9月6日には、放送された全12回に未公開映像97分を加えた「上坂すみれのヤバい○○ Blu-rayBOX」がリリースされた。

音楽ナタリーでは、最終話「ヤバいすみぺーランド」の収録が行われた東京都内のスタジオに潜入。段ボールでこしらえられた「すみぺーランド」の門をくぐると、そこには虚無的なアミューズメント空間が広がっていた──。

取材・文・撮影 / 臼杵成晃

夢と資本主義の国「すみぺーランド」

最終話のゲスト・宮野真守が事前アンケートで答えた「テーマパークで遊びたい」を実現するために設立されたのが、資本主義のテーマパーク・すみぺーランド。「ヨウコソ、スミペーランドヘ。ヨウコソ、スミペーランドヘ」と機械人形のように繰り返すマスコットキャラクター、アダム・すみぺの案内を受け、宮野は園内へと誘われていった。

園内に入った宮野は、まず専用の通貨で遊戯代100すみぺを渡される。1すみぺ=1万円で、代金は宮野の口座から給料日に天引きされるという。宮野は疑念の表情を浮かべながらも、まずは第1のアトラクション「仮想敵シュークリーム」へ。複数並んだシュークリームの中にカラシ入りが混ざった、いわゆるロシアンルーレット形式のアトラクションだが、宮野はバラエティ的に“オイシイ”シュークリームに手を付けるべく、つい課金をしてしまう。

続いてのアトラクションは、どこか聞き覚えのある響きを持つ「スプラッシュダイシャーマウンテン」。レインコートを着用して手作り感があふれすぎたマシーンに乗り、豪快な水しぶきを楽しむアトラクションだが、水しぶきを生むのは宮野が両手に持ったコップ2つ。通常ではコップの水はほんの少ししか入っておらず、1度目の乗車では一切水を浴びなかった。「願望を叶えるために何が必要だと思いますか?」という上坂の問いに、宮野はまたも課金。20すみぺもの大金を払うと、なみなみと“オイシイ水”が注がれたコップが手渡され、宮野は2度目の乗車へ。主に下半身を水びたしにした宮野は「意外とよかったよね……」とまんざらでもない表情を浮かべた。

収録は淡々と進行し、アトラクションチェンジの合間、演者はしばしの休憩時間。上坂は控え室に戻るでもなく、スタッフと打ち合わせや談笑をするでもなく、ぼんやりと時を過ごしていた。

「上坂すみれのヤバい○○ Blu-rayBOX」
2017年9月6日発売 / KING RECORDS
「上坂すみれのヤバい○○ Blu-rayBOX」

[Blu-ray Disc 3枚組]
10584円 / KIXE-28~30

Amazon.co.jp

収録内容
  • 第1話「ヤバい節約」
    ゲスト:水瀬いのり
    歌唱パート:水瀬いのり「Innocent flower」
  • 第2話「ヤバいフィットネス-前編-」
    ゲスト:水樹奈々
  • 第3話「ヤバいフィットネス-後編-」
    ゲスト:水樹奈々
    歌唱パート:水樹奈々「Rock Ride Riot」
  • 第4話「ヤバい野球-前編-」
  • 第5話「ヤバい野球-後編-」
    歌唱パート:上坂すみれ「恋する図形(cubic futurismo)」
  • 第6話「ヤバいレコーディング」
    ゲスト:angela
    歌唱パート:angela「Calling you」
  • 第7話「ヤバいカフェ」
  • 第8話「ヤバい動画配信」
    ゲスト:蒼井翔太
    歌唱パート:蒼井翔太「flower」
  • 第9話「ヤバい関係」
    ゲスト:内田真礼
  • 第10話「ヤバい関係 -パリピ編-」
    ゲスト:内田真礼
  • 第11話「ヤバい料理」
    ゲスト:小倉唯
    歌唱パート:小倉唯「Honey♥︎Come!!」
  • 第12話「ヤバいすみぺーランド」
    ゲスト:宮野真守
    歌唱パート:宮野真守「passage.(Acoustic Version)」
  • 映像特典:未公開映像
上坂すみれ(ウエサカスミレ)
ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊した1991年生まれの声優、アーティスト。小学生時代よりジュニアモデルとして活動し、2012年テレビアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」の小鳥遊空役で本格的に声優デビューを果たす。以来、注目作に出演する一方でメディアやイベントなどを通じて、無類のロリータファッションマニア、ソ連・ロシアマニア、ミリタリーマニア、音楽マニアであることがファンの知るところに。そして2013年4月、その趣味の世界をダイレクトに反映したシングル「七つの海よりキミの海」でアーティストデビュー。その後も桃井はるこ作詞作曲の「げんし、女子は、たいようだった。」や、大槻ケンヂ作詞、NARASAKI作曲の「パララックス・ビュー」など話題作を立て続けにリリースし、2014年1月には1stアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」、2016年1月には2ndアルバム「20世紀の逆襲」を発表した。2016年2月には東京・中野サンプラザホールで初のバンド編成による2DAYSライブ「超中野大陸の逆襲」、12月には初のアリーナ会場となる東京・両国国技館でワンマンライブ「上坂すみれのひとり相撲2016~サイケデリック巡業」を行った。2017年4~6月にはTOKYO MXとBS11で初の冠テレビ番組「上坂すみれのヤバい○○」が放送され、9月には放送された全12話に未公開映像を加えたBlu-rayボックス「上坂すみれのヤバい○○ Blu-rayBOX」が発売。10月にはアニメタイアップ2曲を収めた新作CD「彼女の幻想」がリリースされる。