──そして「上坂すみれの遠くてごめんなさい」のあとにはまたストロングスタイルのライブを繰り広げて、アンコールを迎えます。

熱烈な「すみぺ」コールに応えた上坂は、これまでの全ライブTシャツをリメイクしたTシャツ＆スカート、同様にグッズのバンダナをリメイクしたベルトと、ソックスをアレンジしたリストバンドをまとって再びステージに。「同志諸君！ いやお兄ちゃん、アンコールいきますよ」と、アニメ「パパのいうことを聞きなさい！」の中で自身が声を務めたキャラクター・小鳥遊空のキャラクターソング「ソライロ」を歌い出すと、客席には同盟のロゴマークが描かれた3つの大きな風船が投げ込まれる。上坂と1階席の同志諸君がその風船をトスし合っていると、途中で破裂。中から小さなロゴ入り風船が無数に飛び出し、アンコールのステージに花を添えた。

──決起集会でアンコールを準備していたのって初めてですよね？

はい。アンコールでライブTシャツを着てみたいっていう憧れがあったので、こういう構成にしてみました（笑）。アーティストの皆さんって、アンコールになるとちょっとラフな感じでライブTシャツを着こなして颯爽とステージに現れるじゃないですか。それを見て「カッコいいなあ、やってみたいなあ」って思っていたので。だから私がステージを去ったあとアンコールがかかってホッとしました（笑）。

──「これでライブTシャツを着て颯爽とステージに出ていける」と（笑）。実際アンコールがかかったときってどういう気持ちでした？

ビックリしました。また出てきてほしいって思ってもらえて、しかも出て行っただけで喜んでもらえるなんて。みんな、さっきまでさんざん私のことを観ていたはずなのに（笑）。

──この集会最終盤、“関係者諸君”と一緒に披露した「革命的ブロードウェイ主義者同盟」以降の展開は本当に感動的でした。

ありがとうございます。

──ただ感情をかき乱されはしたんですよ。「なんでさっきまで『キン肉マン』を配り歩いていた人を観てグッときてるんだろう？」って。

あはははは（笑）。今回のライブではスクリーンも使っていたのでそこにスタッフロールやスペシャルサンクス一覧を表示することもできたんですけど、せっかくだから私のことを支えてくれている皆さんを同志諸君にお披露目したくて。

──そのスタッフの顔がちゃんと見えるチーム感、部活感にグッときたんだと思います。上坂さんをリーダーにした“チーム上坂”、“革ブロ部”が大一番を成功裏に収めつつあるっていうことに。

あっ、たぶん逆ですね。私という1人の生徒に、超スパルタなんだけど素晴らしい先生が20人みたいな感じというか（笑）。レーベルの方もそうですし、事務所の人もそうですし、ダンサーさんもスタイリストさんも。私にはこんなに先生がいっぱいいるんですっていうことをちゃんと見て知ってもらいたかったんです。

──で、総決起集会のハイライトは「Ура！」の三唱。三唱し終えた瞬間、泣き出したのは、ちょっとできすぎなくらいの名場面だったなと思っています。

私自身は、改めて映像を観てみたら「逆にここまでよくガマンできてたな」って感じがしました（笑）。

──確かにライブ中「泣いてないもん」を連呼してましたよね。

サンプラザで決起集会ができたことにも、あんなにたくさんの同志諸君が集まってくれたことにも、最初から感動しっぱなしだったんですけど、いよいよ終わるってなったら堪えられなくなっちゃったんだと思います。気が緩むと風邪を引くタイプなので（笑）。

──あはははは（笑）。総決起集会という大一番を感動のうちに終えてライブ観みたいなものに変化ってありました？

途中で放棄しさえしなければなんとかなるっていうことを知った気はします。それは決起集会に限らずなんですけど、とりあえずやりきってみようってより強く思えるようになった気はします。

──確かに総決起集会もそうだし、その後の公開プロパガンダでもそうなんですけど、上坂さんには転びそうになっても絶対に負けない、なんなら転びながらでも前進し続けている印象があります。

そういう意味では我ながら生真面目なタイプなんだとは思います。だから転んでもマジメに愚直にがんばれるのかなって（笑）。