内田真礼×TAKE(FLOW)|ライブ映え必至!ウェーブ曲で見せる“オラオラ真礼”

内田真礼が10月2日に2ndミニアルバム「you are here」をリリースする。

今年1月1日に初の東京・日本武道館公演を成功させるなど、声優としてだけでなく、アーティストとしても順調な活動を続けている内田。11月にスタートするライブハウスツアー「UCHIDA MAAYA Zepp Tour 2019 『we are here』」を見据えて制作された「you are here」には、曽我部恵一(サニーデイ・サービス)、TAKE(FLOW)、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、堀江晶太(PENGUIN RESARCH)、麻枝准、やしきん、山本陽介、y0c1e、山本メーコらが参加し、内田のシンガーとしての新たな表情を引き出している。

音楽ナタリーでは内田とTAKEによる対談をセッティング。TAKEが手がけたミニアルバムの収録曲「波乗りキャリーオン」のコンセプトやレコーディング秘話、内田にとって初となるライブハウスツアーについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 中原幸

先輩すごい!

内田真礼

──内田さんとTAKEさんの最初の出会いはいつだったんですか?

TAKE(FLOW) ニアミスが多かったんですよね。

内田真礼 そうですね。フェスでご一緒させてもらったことも何度かあって。

TAKE 最初の共演は2016年8月の「Animelo Summer Live 2016 刻-TOKI-」の2日目かな?

スタッフ その前に2014年の「ANIMAX MUSIX」がありますね。FLOWさんがシークレットゲストとしてGRANRODEOさんとコラボしたときです。

TAKE あのときが最初だったんだ。

内田 ちょうど5年前ですね。

TAKE 「Animelo Summer Live 2016 刻-TOKI-」の次は、去年1月の「リスアニ!LIVE」ですよね。

内田 ですね。会場が武道館だったんですけど、スタッフの方から「跳ばないで(ジャンプしないで)ください」と言われていて。でもFLOWさんのライブを観たら、最初からものすごくジャンプしていたんですよ(笑)。

TAKE ははははは!(笑) ステージにジャンプ台を置いてるからね。

内田 それを観て「先輩すごい!」って思いました(笑)。すごくパワフルでした。

TAKE それを経て、今回楽曲提供のお話をいただいて。まず、内田さんの声優としての活動を振り返ってみたんですよ。「甲鉄城のカバネリ」(2016年に放送されたテレビアニメ。内田は声優として主要キャラ・四方川菖蒲の声を担当)は当時すごく観ていて。最近だと「約束のネバーランド」(今年1~3月に放送されたテレビアニメ)のノーマン役が印象的です。同じ人がやっているとは思えないほど、声の表現がカラフルなイメージですね。

内田 ありがとうございます。うれしいですね。

「GO!!!」の暖簾分け

──楽曲制作のオファーは、プロデューサーの冨田明宏さんからですか?

TAKE はい。今年3月の「リスアニ!ナイト」(アニメ音楽誌「リスアニ!」によるクラブイベント)の楽屋でお互いビールを飲んでいるときにお話をいただいて(笑)。「俺でいいんですか? もちろんやりたいですよ」と返事をしました。女性アーティストに曲を提供した経験があることを知ってくれて、それを踏まえて依頼してもらえたのもうれしくて。そのときに言われたのは、「とにかくライブでウェーブしたい」ということでした。冬のZeppツアーに向けたミニアルバムにしたいので、ライブ曲が必要だと。そのあとに企画書をいただいたんですが、そこにリファレンス曲として挙げられていたのがFLOWの「GO!!!」だったんですよ。

内田 うわ、言い切っちゃった!(笑)

TAKE こちらとしても「なるほど、話が早いし、わかりやすい!」と思いました(笑)。4月に3曲提案させてもらって判断してもらい、それが結果として「波乗りキャリーオン」になったということですね。

内田 最初にデモを聴かせてもらったときは、「こんなに『GO!!!』でいいのかな」と思いました(笑)。

TAKE 書いたのが俺じゃなかったら訴えられるレベルですね(笑)。「GO!!!」の暖簾分けですよ。

内田 うれしいです。「GO!!!」は学生時代によく聴いていた曲なので。

TAKE 歌詞に関しては、まず“波”というテーマがあって。そのあと、冨田さんから熱いメールをいただいたんです。ライブのリハのとき、内田さんは喉の不調で声が出なくなったことがあり、大好きなバンドメンバーとのリハーサルができなかったことを悔いていたと。スタッフは「休んで療養しろ」と言ったけど、本人は「休んでいる場合じゃないんです。その間に状況が先に進むことが我慢できない」と聞かなかったそうで、そのメールを読んだときに「なんて芯が強い人なんだ」と思ったんです。パブリックイメージとしてはかわいらしさや可憐さが突出しているけど、内側には芯の強さがあるんですよね、内田さんは。

内田 ありがとうございます。リハで声が出なくなったとき、周りのスタッフから「休むときは休んだほうがいい」「休むのも仕事」と言われました。それは重々承知していましたが、私にとって音楽活動は「この場所があるから、日々をがんばれる」と思えるものですし、貴重な機会を逃してしまった自分が許せなくて。「ここで止まっている場合じゃない!」と思ったんです。

TAKE

TAKE それくらい音楽活動を大事にしているんですよね。歌詞の中では波やビーチの風景を、みんなで遊べる場所としてライブハウスにリンクさせています。あと、最初にできたフレーズが「キャリーオン」なんですよ。音楽を続けていくことの強さも1つのテーマになっているので。

内田 私、Bメロの歌詞(「時に激しく海が荒れても 負けたくないんだ自分に / 流れてゆく日々の中でも 譲れないものを見つけた」)を聴くと泣いてしまうんですよ。自分で歌っているのに。「そうそう! そうなの!」って。

TAKE そこまで感情移入してもらえるのはありがたいし、作家冥利に尽きますね。

内田 ライブでもとても盛り上がると思いますけど、私の物語を知っているファンの人が聴くと、より響くんじゃないかな。この5年間、何度もつまずくことがあったし、それを見てきてくれた人たちは「そうだよね」と共感してくれると思います。

TAKE 既存の内田さんの曲を聴くと、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんの曲、例えば「Smiling Spiral」「take you take me BANDWAGON」もそうですけど、お客さんと対話しているような印象があって。内田さんにはしっかりファンの皆さんと向き合ってきた経緯があると思うし、自分もそれを踏まえて曲を作りたいなと思いましたね。

内田 うれしいです。