ライブは私でしかない

──きっと今の段階では、この作品をどう受け止めてもらえるだろうという不安がありますよね？

そうですね（笑）。

──でもファンの方は、これまでとの違いを楽しめると思います。しかも「そんな顔でこの曲を歌っていたのか」といった楽しみも、このインタビューを読んだらあるかもしれません。あとは、このあとライブで歌ったりすることによって新曲をどう表現していくか、というところですね。

いや、そうなんですよ。

──ライブでも“脱ポニーテール”で表現する部分がきっと必要でしょうし。

レコーディングのときにずっと言ってたんです。「これ、ライブでやれないよー。どんな顔して歌うんだよー」って（笑）。

──3月には大宮ソニックシティでの2DAYS公演「AYA UCHIDA 5th ANNIVERSARY LIVE」が控えています。

3月のライブは5周年の記念公演だから、今までの5年をポップに彩りたいなという思いがあります。ただ今回のアルバムの曲をメインにするとそういうわけにはいかなくなりそうなので（笑）、パッケージとしての見せ方をどうするかはこれから詰めていく予定ですね。

──5年間ソロとしての歌手活動を続けてこられたわけですが、そこから先の具体的な目標みたいなものってあったりしますか？

これは、素直に……ないです（笑）。というのは今回のアルバムタイトルの「一時的、儚く、刹那的な記録」みたいなところにも少しかかってはいるんですけど。イメージや印象っていろんなものに囲まれる中で流れていくものだから、今私が「こう！」と決めてても全然変わる可能性があって……というのを今回ですごく実感しているので、「これだ！」という目標が立たないんですよね。

──でも、そういった思いがある中でも、作品を作って誰かに向かって歌を歌う楽しみや喜びは覚えてしまっているわけですよね。

そうですね。

──それは続けていくだろうと。

ライブは私でしかないと思うし、そのライブが楽しいと思ってもらえることが一番うれしいので。「内田彩はライブが楽しい人だ」という認識をずっと持ってもらえたらいいなっていうのが、目標かもしれないです。

──では、音楽以外の部分を含めて、内田さんの人生目標みたいなものって何かありますか？

人生目標は……すごい突飛ですけど「みんなのうた」のような。子供が一緒に歌える、みたいな……（笑）。

──うたのおねえさんになりたいってことですか？

そう（笑）。そもそも声優になりたかったのが、小さい頃に観ていたアニメの中にあった“現実にはない世界観”が好きで、憧れていたからで。今もそうなんですけどね。やっぱり「みんなで歌って楽しい！」みたいなものが好きだと自覚しているので。歌でみんなを笑顔にしたいなとすごく思うんです。

──子供たちにとっては現実のものとして存在している世界に憧れている。

はい。あそこに住みたい（笑）。ホント突飛かもしれないんですけど、そこが自分の原点だな、とは思います。