「何言ってるの？ 私たちはメジャーでやりたいの！」

──メジャー1stシングル「タイムラグ」が4月に出ましたけど、中身がすごいじゃないですか（笑）。このアイデア（タイトル曲以外の収録曲が、メンバーからの挨拶＆曲解説、「タイムラグ」の楽器練習用＆歌練習用トラック）はどうやって思いついたんですか？

まり　つしまみれはつねにカッコよさと、みんながビックリするような衝撃と、クスって笑っちゃう感じを持っていたくて、「タイムラグ」でも今までのファンが「あいつらやってくれたよ ！」と思ってくれるようなことをやりたかったんです。

みずえ　シングルを300円で販売するという話を聞いて、私たちらしさをそこに乗せるにはどうしたらいいんだろうというのがまずあって。それで「手書きのバンドスコアを作って、特典と してプレゼントしよう」ということを提案したんです。

まり　そこから「ブックレットに入れちゃえ」という話になって、FlyingStar Recordsのスタッフがそれに乗ってくれたんです（笑）。「1枚目の『タイムラグ』で、つしまみれがライブバンドであるということを押そうと思う」と言ってくれて、「じゃあスコアでバッチリじゃないですか。コピーバンドを増やしましょう」と全部辻褄が合ってきて。練習用トラックのクリック音とか、あれは本当にくだらないですよね（笑）。

──メジャー進出することに対して構えていたファンの子たちは、これを聴いて絶対に安心すると思うんですよ。

まり　そうですよね。だって“インディーズの星”みたいに呼ばれたり、「つしまみれは絶対にメジャーなんかに行かない」と言っている子もいて。「何言ってるの？ 私たちはメジャーでやりたいの！」って思ってるのに（笑）。

一同　（笑）

まり　「売れたいのよ！」とか言って（笑）。もっと広い世界に羽ばたきたくて、それを宣伝してくれる人が必要だからメジャーに行くよ、ついてきてよね、という思いなんですよ。「タイ ムラグ」は人によってはメジャーっぽく聴こえないかもしれないけど、うちらのライブ感がよく出ている曲で、それを最初に出せたのは今までのファンにとっても大きいと思うんです。「このスタイルでメジャーに行くんだ」と示せるし、それが逆に新 しいし。一緒にライブハウスで頑張ってる仲間たちにとっても、「つしまみれも認められたんだから、俺たちもいけるかも」って希望になるんじゃないかなと思って。

新作は今の勢いを表したバランスのいい内容

──そして、いよいよメジャー1stアルバム「あっ、海だ。」がリリースされます。このアルバムはここ数年の流れの集大成というか、これまでの流れをうまく凝縮した作品集ですよね。ライブ感あ ふれるストレートな曲があったり、複雑な展開を持つヘンテコな曲もあるんだけど、でもどの曲も耳に馴染むメロディや歌詞が満載で、フックがたくさん仕掛けられてます。皆さん的にはどういうところを狙って作ったアルバムなんですか？

みずえ　テーマはわかりやすく「夏で行こう！」って言って。

まり　夏に出すし、疾走感があって今のうちらの勢いが出せればいいなと思ったら、プリプロでだんだんイメージができあがってきたんです。とにかくバランスのいい内容にしたくて、うち ららしさを全開にしたいと思ったから、押せ押せなのからおバカな曲、複雑な曲、しっとりとした曲まで全部うまく入れたかったんですよ。

やよい　今までもつしまみれのいろんな面を見せたいというのはいつも考えてたんですけれど、今回は特に大切にできたのかな。

まり　やっぱりメジャー1枚目のアルバムだし、多少わかりやすいほうがいいのかなとちょっとは思って、ライブで文句なくノレる要素は意識したかな。ここでやーたん（やよい）がチョッパーして超かっこいいじゃん、みたいなイメージも思い浮かべつつ作ったり。

──「これがつしまみれだ、どうだ！」という感じで、最初に持ってくるにはうってつけの、名刺代わりの1枚になりそうですね。

まり　今回から新しいエンジニアさんに録ってもらったんですけれど、うちらの出したい勢いとか面白さとか泥臭い部分もひっくるめて受け入れて、それも全部出しちゃえみたいな人だから 、ピッタリなんですよ。