つばさレコーズが手がけるつばさ男子プロダクションのイベント「つば男 SUMMER FES 2023」が8月6日に東京・ステラボールで開催される。
「つば男 SUMMER FES 2023」はCUBERS、THE SUPER FRUIT、世が世なら!!!という、つばさ男子プロダクション所属の3グループが集結するイベント。2回目の開催となる今回は、各グループのライブに加えて、当日限りのシャッフルユニット「ゆましんだけかと思ったら」「Surf's up」「こっとんきゃんでぃ」「自己満族。」によるメドレーパフォーマンスも行われる。
チケットは即完となり、ライブの生配信も決定したこのイベントの開催を前に、ナタリーではCUBERSの末吉9太郎とTAKA、スパフルの阿部隼大と小田惟真、世が世なら!!!の内藤五胤と添田陵輔による座談会を実施。「つば男 SUMMER FES」についてはもちろん、6月に発表されたばかりのCUBERSの解散や、つば男の今後についてなど、率直な思いを語り合ってもらった。
※撮影はTHE SUPER FRUIT田倉暉久のみ舞台本番のため欠席。
取材・文 / 倉嶌孝彦撮影 / 入江達也
ドッキリかと思ったCUBERS解散
──今回の取材は「つば男SUMMER FES 2023」に向けた特集ではありますが、タイミング的にCUBERSの解散発表について触れないわけにはいかず(参照:CUBERSが解散)。発表後の今、TAKAさんと9太郎さんはどういう気持ちですか?
末吉9太郎(CUBERS) 発表してから取材を受けるの、今日が初めてなんですよ。だからうまく話せるかな。解散に至るまでの思いはコメントで伝えた通りだからそれ以外のところで言うと、ファンの方々にいろいろな思いがあることをSNSを通じて受け取って、ようやく解散する実感が湧いてきたところ、という感じですね。
TAKA(CUBERS) 僕が驚いたのは、普段自分たちのライブに来てくれるような人だけじゃなく、「名前だけは知ってる」とか「一時期聴いてた」みたいな方々からのリアクションもあったこと。僕が思っていたよりいろんな人たちにCUBERSのことを知ってもらっていたことにようやく気付けたんですよね。「ああ、いいグループにいだんだな」ということを改めて噛み締めています。
──舞台俳優としても活躍しているTAKAさんが芸能界引退を宣言されたのには驚きました。
TAKA すごく悩みましたが、僕は大きな夢を持って芸能界に入ったわけでもなくて。言い方は悪いかもしれないけど、特にビジョンもなく、どちらかと言えば興味本位でオーディションを受けたのが、芸能活動を始めたきっかけだったんですよね。そこで縁があってCUBERSというグループの一員にしてもらって、活動していくうちにグループとしての夢や目標ができた。僕がこうしていろんな方々の目につくお仕事をさせてもらっているのは全部CUBERSのおかげだし、僕1人の仕事があったとしてもCUBERSに還元したいと思っていた。だからグループの仕事がなくなったときに、僕1人でどこに向かっていくべきなのか、わからなくなってしまうような気がして。もちろん、舞台仕事も大好きな仕事だったので、未練がまったくないわけではありませんが。
9太郎 僕の場合、TAKAと反対の部分があって。すごく偏った考え方ですが、僕は「芸能界で活躍できないと幸せになれない」くらいに思っていたから、芸能活動は続けようと思っています。このお仕事がすごく好きですし、僕は普通のお仕事ができないと思うから……。
TAKA バイト時代の9太郎のエピソードとかヤバいよね(笑)。
9太郎 うん。表じゃ言えないくらいのミスをしてるから……。
TAKA 9太郎はいろんな意味で芸能人が天職だと思うよ。だからがんばってほしい。
──CUBERSの解散について、後輩グループの皆さんはどう受け止めていますか?
阿部隼大(THE SUPER FRUIT) 最初に聞いたときはドッキリかと思って。
TAKA なるほど。そういう解釈があるのか。でもまだそのドッキリが続いているかもよ?(笑)
阿部 本当にそうであってほしいくらい驚きました。驚いたけど、ネガティブに捉えすぎるのもよくないと思って、これからのつば男のために自分たちにできることは何があるか、すごく考えています。
9太郎 解散の発表を聞いたとき、泣いちゃってたもんね。
阿部 はい。やっぱりお兄ちゃん的な存在のグループがいなくなってしまうのは、すごく寂しいです。
9太郎 僕らがいなくなると、しゅんしゅん(阿部)と五胤くんがつば男の最年長になるわけだし。
内藤五胤(世が世なら!!!) そうなんですよ。春斗さんの代わりを僕らがすることになるなんて……。
TAKA そっか。今日の取材にはスパフルと世が世の最年長メンバーが参加してるんだ。なのに、CUBERS最年長の春斗くんはいない(笑)。
9太郎 でもそれが“らしい”というか、春斗くんのいいところだよね。
スパフルと世が世がつば男を引っ張る
──小田さんはCUBERSの解散について聞いたときどう思いましたか?
小田惟真(THE SUPER FRUIT) まだ心の整理ができていないのが正直なところだけど、尊敬する先輩たちが出した答えだからそれは尊重しないといけなくて。僕らがネガティブになっていたら最後まで気持ちよく活動できないだろうし、CUBERSさんがいなくなったらスパフルや世が世がつば男を引っ張っていく存在になる。だから自分にもっと自信が持てるようにがんばらなきゃいけないなと思っています。
9太郎 すごくしっかりしてるよね。まだ16歳なのに今のコメントですよ? 春斗くんの半分しか生きてないのに、よくそんな言葉が出てくるよね。
TAKA 惟真の言葉を聞いて「もう心配いらないな」と思いました。
添田陵輔(世が世なら!!!) 僕はスパフルの2人のようにまだうまく気持ちを切り替えられていないですね。2人が言った通り、後輩がいつまでもネガティブでいたらダメだというのはわかっているけど、まだ受け止めきれていないというか。つば男の活動の土台はCUBERSさんが作ってくれたから、CUBERSさんがいなかったら僕らは絶対にいない。僕らはその恩を返していこうとがんばってきたのに、あと7カ月じゃその恩を返し切れるかわからないじゃないですか。
9太郎 そう言ってくれるだけで恩を返せているのよ。
添田 いや、まだまだです。
内藤 僕は3人とけっこう違う感覚かな。正直に言うと、なんでみんな終わる感じのムードになってるんだろうと思ってます。まだ何も終わってないし、何か爆発的なムーブメントが巻き起こったらグループの解散だってなくなるかもしれない。僕はそれにめっちゃ期待してるし、そういう捉え方をしてもいい発表でしたよね? そういう逆転する未来が不思議とイメージできている。でもそれはまだ自分がCUBERSの解散という事実を受け入れられてないからで、否定したいからなのかもしれないですね。
TAKA 本当にいいやつ。世が世はいいやつが多いよね。でも本当にそのことに関しては、まさにメンバーでも話し合ったことなんですよね。もちろん残された期間はファンの方に感謝を告げるのが大事なのは大前提で間違いないんだけど、どっちみち解散してしまうなら、そんな急いでしなくたっていいじゃないか、やりたいこと・やりたいイベントに全部トライしていこうよって話したんですよね。今まで通り夢に向かってアクティブに動いていくのは、結成から8年ずっとそのスタンスで続けてきたからなんです。そのスタンスを崩すような形では残りの活動をしたくないよねって話し合いをして。変わらずと言えば変わらず、そして夢に向かうという、そういう方針を5人で決めました。なので、実際メラメラしている気持ちもあるんです。
内藤 CUBERSさんはこのまま終わるようなグループじゃないですよ。まだ何か面白いことを起こしてくれるんじゃないかって期待しています。
TAKAさんの手、でっけぇ
──スパフルと世が世の交流についてはこれまで何度かインタビューで話題に出てきましたが、CUBERSと後輩グループの交流についてはまだあまり聞いたことがなくて。後輩グループに所属する4人はCUBERSとの交流で何か印象に残っていることはありますか?
阿部 ライブのオープニングアクトとしてステージに立たせてもらったり、シャッフルユニットを組んで曲を披露させてもらったり、いろんな形で交流をしてきましたけど、“見せつけられた”というか、特に記憶に残っているのは今年5月のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でのライブですね(参照:CUBERS史上最大規模のワンマンは大盛況、ファンの歓声を浴びて「体力無限!」)。ホールを舞台にいろんな楽曲、いろんな演出でファンを喜ばせていたのはもちろん、MCもめちゃくちゃ面白くて。僕らスパフルには足りないものがまだまだあるなと感じたので、すごく気合いが入った瞬間でした。
添田 世が世のメンバーになる前、つば男のチーフマネージャーの堀切(裕真)さんに「夢はある?」と聞かれたことがあったんですけど、僕は世が世のオーディションを受けるまで本当にサッカーしかやってこなかったサッカー馬鹿だったからうまく答えられなくて。自分の中で初めて作った目標が、僕と同じく学生時代にサッカーをやっていたTAKAさんと一緒のステージに立つことだったんです。その夢が、去年の夏の「つば男FES」でのシャッフルユニットで叶ったときはうれしかったですね。
内藤 ライブもすごく思い出に残っているけど、僕はもっと些細な瞬間が記憶に残っていて。タクシー移動で、スパフルと世が世を合わせると奇数になっちゃうので、1人だけCUBERSさんのタクシーにお邪魔することになったんですよ。そのときに僕が優さんと9太郎さんの車にお邪魔して。
9太郎 ちょっと嫌そうに乗ってたよね(笑)。
内藤 いやいや、そんなことないです! そのとき話した些細なことがすごく印象に残っているし、優さんが僕の好きなおにぎりの具を覚えてくれていて、5個くらいその具のおにぎりを買ってきてくれたり……。
TAKA 5個も買うなら味を変えてあげればいいのに(笑)。そういう不器用なところが優っぽくていいな。
内藤 あと2021年7月のCUBERSさんのライブでオープニングアクトをさせてもらったとき。めちゃくちゃ緊張したんですけど、僕らが出番を終えてCUBERSさんとすれ違うときにTAKAさんが「よかったよ」って肩に手をポンと置いてくれて。「手、でっけえ……」と感動しました。
9太郎 ははは。
内藤 TAKAさんは「おつかれ!」とか何か声をかけるときに背中を叩いてくれることが多くて。それがめちゃくちゃうれしいから、僕もいつか後輩にやってあげようと決めています。
9太郎 惟真くんは?
小田 僕、楽しかった思い出とかいい思い出をすぐ忘れちゃうんですよ。だからCUBERSさんとのいい思い出はたくさんあるんだけど、今はパッと出てこなくて……。でも悔しかったことはたくさん覚えてます。去年の「つば男 SUMMER FES」の本番で僕がダンスをミスってしまい、それで泣いちゃったときのこととか。
TAKA 覚えてるよ。一緒のシャッフルユニットだったもんね。
小田 イベントのとき、TAKAさんが「絶対成功させます」と宣言していて、練習ではミスがなかったのに本番で頭が真っ白になっちゃったんです。得意だったダンスパートでミスをしたのがすごく悔しかったし、一緒にステージ立っていたTAKAさんにも申し訳なくて。悔しい思い出なので、これは忘れられないですね。
添田 惟真とTAKAさんと僕の3人のユニットだったんですよね。あまり言ったことなかったけど、僕も惟真の比にならないくらいミスってたから。
TAKA 陵輔もミスってたんかい!
小田 泣いているときにTAKAさんに声をかけてもらって、すごく救われました。
9太郎 なんて言ってたの?
小田 声をかけられたのは覚えているけど、何を言われたのかまでは覚えてなくて……。
TAKA ああ、なるほど。いい思い出だから忘れちゃったのね。ポジティブに捉えよう。
添田 僕、覚えてますよ。「そうやって泣けるってことは、伸びしろがあるってことだから」と言ってました。
小田 そうそう! 思い出した。
TAKA よく覚えてるね(笑)。
小田 本当は泣いているところも見せたくないから、会場の隅っこで泣いてたのに2人はなぜか寄ってきて。
添田 TAKAさんと一緒で僕もなぐさめてあげなきゃと思ったんですよ。「いや、俺のほうがミスってたよ」って。でも惟真からしたら僕がミスってたかどうかは関係ないから、なぐさめにはなってなかったよね。ごめん。
小田 そんなことないから!
──こういう関係性は同期でありライバルでもあるスパフルと世が世ならではですよね。CUBERSのお二人は、同時にデビューした2組の関係性をどう見てますか?
TAKA シンプルにめちゃくちゃうらやましいですね。仲間でもあり、ライバルでもある関係性のグループが近くにいるというのは活動において大きなプラスだと思います。すごくワイワイしていて楽しそうだし、惟真のように学校に行きながら活動している子もいるし、青春時代に仲間と一緒に夢を追いかけられるなんて、これ以上幸せなことはないですよね。みんな得難い経験をしていると思います。
9太郎 CUBERSの場合、活動初期の頃に優が高校を卒業するタイミングだったからね。
TAKA 活動が本格化したのは僕と9太郎が大学を卒業した頃だし、春斗くんはもう大人だったから(笑)。
9太郎 事務所もどちらかと言うと女性アーティストが多いから、僕らはつばさの中でもちょっと浮いた存在で。5人ではあったけど完全に一匹狼状態(笑)。あの頃に比べて、ファミリーとしていろんなことができるのはすごく恵まれていると思います。
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笑いの絶えない「つば男FES」リハーサル