3人で集まった瞬間にそれぞれ「何かしたい」と自然に思える
──今年の2月から5月には全国ツアーがありました。そのファイナル公演の模様とツアードキュメントを収めた映像作品「TrySail Second Live Tour "The Travels of TrySail"」が9月にリリースされましたが、ご覧になりました?
麻倉・夏川 はい。
雨宮 私、まだ本編は観てないかも。
麻倉・夏川 えー!
雨宮 特典映像のドキュメンタリーは3人で一緒に観ました。
──映像作品をご覧になった感想を聞かせてください。
夏川 ライブの最中って、自分と、自分の目の前のお客さんの記憶しかないんですよ。だからこそ映像化されたときに自分を客観的に見ることもできるし、その隣で2人はどういうことをしていたのかもよく見えました。例えば、もちさんがすごいカメラにアピールしてるところとか。
麻倉 「カメラばっかり見るな」ってこと?(笑)
夏川 違う違う、全然悪い意味じゃない(笑)。「こんなにもお客さんの心を掴みにかかってたんだ!?」って驚いたの。カメラにもお客さんにも「わーっ!」ってたくさん手を振ったりしてたから。あと、天さんが暴れまくっていて。暴れてたのは知っていたんですけど、予想以上だった。
──雨宮さんは、手の振り方もすごいですよね。
夏川 そう、180°全開で。分度器みたいだよね。
麻倉 腕が千切れんばかりにね。隣で見るのと、客席から見るのとでは全然違うんだよね。
夏川 そうそう。お客さんから見たTrySailはこういう感じなんだなって映像作品を観て感じることができました。でも、反省点もいっぱい見つかりましたね。私、ずっと半目だったんですよ。
一同 ははは(笑)。
夏川 もともとたれ目ではあるんですけど……だから「もっと目をかっぴらこう!」と思いました(笑)。
麻倉 去年1stツアーの映像作品(2017年6月発売の「TrySail First Live Tour “The Age of Discovery”」)を出させていただいたんですけど、今回のツアーの最終公演の直前に3人でそれを見返したんですよ。前作と今作の映像を比較すると、3人ともまったくの別人になっていましたね。そんなに長い期間が経ってるわけじゃないんですけど、歌い方もステージの使い方も、お客さんとのコミュニケーションの仕方も全然違うんです。私自身も、前回はまだ歌と振りをこなすので精一杯なところがあったんですけど、今回はよりお客さんと一緒にライブを楽しめていて「あ、こんなに変わったんだな」って改めて思いました。
──いい変化ですね。雨宮さんは、まだドキュメントしかご覧になっていないとのことでしたが。
雨宮 ドキュメントは、3人がバラバラのときはみんなまったく違う過ごし方をしてるんですけど、3人がそろった途端に遊び出すシーンがすごく多いんですよ。ホントに全然キャラクターが違う3人なのに、ほんのちょっとの間でも、3人で集まった瞬間にそれぞれ「何かしたい」と自然に思えるその気持ちが、TrySailのライブをTrySailらしいものにしてるんじゃないかなって。自分たちは当事者だから自分たちのやりたいようにやってるだけなんですけど、それを客観的に見たときに「すごい仲いい人たちだな」って思いましたね。
夏川 よく遊んでるね。
雨宮 「そこまで遊ぶか!?」っていうくらい隙間を見つけては遊んでるから、それがすごく愉快でした。
3人全員が行くとこまで行った
──2018年はTrySailにとって、キャリアの中でどういう1年として位置付けられそうですか?
雨宮 すごく、積極性が増した年ですね。以前のインタビューでも似たようなことをお話ししたんですけど、あれからツアーとリリースを経て、それをより強く感じます(参照:TrySail「WANTED GIRL」インタビュー)。今回のツアーはスタッフさんが作ってくださった仮のセトリを自分たちで組み直して「私たちはこれがいいです!」と提出したところから始まり、ツアー中も「ここでこういう絡みがあったらいいよね」とか「ここはもうちょっと移動が多いといいな」とか、自然と意見が出てくるようになったんですよ。かつ、それをしっかりライブ本番で形にできた。それは、TrySailはまだデビューして3年ですけど、その中でも1つ大きな進歩だったんじゃないかと思います。
麻倉 今年のツアーは天も言ったように「次の公演はこうしよう」っていう案をすぐに実行できたし、ツアーの期間も長かったのでホントに鍛えられて、成長できたという実感があります。しかもツアーを終えてからも「次はこうしたい」という気持ちがどんどん湧いてくるので、もっと前を向けるようになったという意味でも、とても大きなものを得た1年だったなと思います。
夏川 今年のツアーで、3人全員が行くとこまで行ったと言うか。
一同 ははは(笑)。
夏川 その中で個人的に一番大きかったのは、前回のインタビューでもちょっとお話ししたんですけど、タガの外し方と戻し方を覚えたことなんですよ。以前はタガが外れたまま暴走したり、逆にうまくタガが外せなくてやきもきしたりする瞬間もあって。でも今は、会場のボルテージを上げる手段を得たと同時に、ちゃんと冷静な自分もどこかにいる。その能力は今回のツアーを通して身に付けることができました。
──僕はツアーファイナルを拝見しましたが、皆さん完全燃焼されていました。しかも並行してTrySailとしてシングルをリリースし、ツアー後はソロとしても作品をリリースしている。よく体が持ちますね。
雨宮 私たちもそう思ってます(笑)。でも、セトリを作ったときに覚悟を決めてたよね?
麻倉 そうだね。
雨宮 自分たちで作ったセトリを完遂できたのがまた1つ自信になったから、たぶん今後も体力的にも容赦ないセトリを組んだりしていくんじゃないかな。
麻倉 あのセトリでやれたなら、大抵のことはできるんじゃない?
夏川 でも、あのセトリを知ってしまったお客さんはたくさんいるわけで、「もっと!」ってさらに上を求められる可能性は高いわけじゃない。もちろんその期待には応えたいから、それは来年の課題の1つになるかもね。
- TrySail「azure」
- 2018年11月14日発売 / SACRA MUSIC
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初回限定盤 [CD+DVD]
1836円 / VVCL-1328~9 -
通常盤 [CD]
1296円 / VVCL-1330 -
期間生産限定盤 [CD]
1404円 / VVCL-1331
- 初回限定盤、通常盤CD収録曲
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- azure
- Make Me Happy?
- azure -Instrumental-
- Make Me Happy? -Instrumental-
- 期間生産限定盤CD収録曲
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- azure
- Make Me Happy?
- azure -Short Ver.-
- azure -Instrumental-
- Make Me Happy? -Instrumental-
- 初回限定盤DVD収録内容
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- azure -Music Video-
- TrySail(トライセイル)
- ミュージックレインに所属する声優の麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜からなる3人組ユニット。2014年12月にユニットの結成を発表し、2015年5月にデビューシングル「Youthful Dreamer」をリリースする。同月には初のワンマンライブを神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開催した。その後も「Classroom☆Crisis」「暦物語」「ハイスクール・フリート」といったアニメのテーマソングを次々と担当。2016年に1stアルバム「Sail Canvas」を発表。同年11月より初のライブツアー「LAWSON presents TrySail First Live Tour “The Age of Discovery”」で全国8カ所を回る。2017年8月には2ndアルバム「TAILWIND」をリリースし、2018年2月より2ndツアー「LAWSON presents TrySail Second Live Tour "The Travels of TrySail"」を開催。3月にシングル「WANTED GIRL」、6月にシングル「Truth.」を発表した。11月に劇場版アニメ「続・終物語」エンディングテーマ「azure」を表題曲としたシングルをリリース。