ジェニーハイでの発見
MAH ジェニーハイはまだ観れてないけど、どんな感じなの? 真ん中に立ってるんでしょ?
中嶋 はい、ライブの本数がすごく少ないんで、まだライブでのパフォーマンスは定まっていないんですけど。でも面白いです。勉強になります。
──ご自身ではない人が作った曲を歌うというのは、また新たな発見がありそうですね。
中嶋 それこそ「こういうのもありなんやな」っていう。ソロにしてもtricotにしても自分の脳みそにあるものを出してるだけなので、人の脳みそにある理想に向かってく作業がすごく新鮮です。
MAH すげえなあ。よくできるなあ。
中嶋 「自分なりに歌えればいいんや」と思って歌ったら、(川谷)絵音さんが思う正解とは違って。絵音さんの思う正解がジェニーハイの正解やったんです。それが面白いなと思って。アップデートされた感覚というか。
MAH 絵音くんは実際に自分でも歌える人だから、「今のちょっと違うんだよな」っていう指示もわかりやすいんでしょ? それは楽しいかもな。
中嶋 はい、発見が多いです。
大人の階段を登ると?
中嶋 SiMって今、結成して何年目ですか?
MAH 15年目に入ったところ。
中嶋 その間にめっちゃバンドの状況が変わってるじゃないですか。最近やとメンバーみんな結婚したり、MAHさんにはお子さんが生まれたりして、大人の階段を登って。
MAH 登ってるねえ(笑)。
中嶋 大人の階段を登ると、やっぱり考え方とか変わるんですか? どういう心境の変化があったのか気になります。
MAH 辞められなくはなるよね。
中嶋 逆に? ……「逆」じゃないか。
MAH 「逆に」かも。安定した仕事に就こうとは思わないからね。それよりもどうしたら音楽を長く続けていけるかを考えるようになった。だからといって守りに入るのも嫌だし、自分を変えないように、“SiMのMAH”は変わらないように……って意識することがすでに変わってるじゃん? 今までは意識したこともなかったのに。
中嶋 そうですね。
MAH でも今アルバムを制作中なんだけど、できる曲とか出てくる歌詞は変わらないんだよね。だから大丈夫だなと思う。ただ、優しくなるね(笑)。子供がバカなことやってても「いいよいいよ」って思うもんね(笑)。
──でも“SiMのMAHさん”はストイックで、常に何かに怒りを向けているイメージもありますよね。そのイメージと実際のご自身が乖離して行く怖さみたいなものはないんですか?
MAH ありますよ。俺は怒ってるロックが一番カッコいいと思ってたし、一番好きだったから。でも自分は怒らなくなった。今まではそのギャップをなくそうと思ってたんだけど、今は「昔の自分と今の自分が違ってもいいや」と思うようになりました。今の俺はこれだし、音楽を作ってるのはSiMのMAHだから。そこは嘘ついてもしょうがないし。
中嶋 でも作る曲は変わらへんかったっていうのは不思議ですね。
MAH やっぱり曲と向き合うと、そこに子供はいないし、自分と曲しかないから、変わらないんだなって。
中嶋 曲を作るときは“SiMのMAHさん”に戻るっていうか作品作りのモードに戻れるってことなんですね。アルバム、楽しみです。
- tricot「リピート」
- 2019年3月20日発売 / BAKURETSU RECORDS
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豪華限定BOXセット(タワーレコード限定) [CD+グッズ]
9720円 / BKRT-014 -
通常盤 [CD]
1620円 / BKRT-013
- 収録曲
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- good morning
- 大発明
- BUTTER
- リフレクション
- 悪口
ツアー情報
- tricot「大反射祭 Tour」
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- 2019年3月22日(金)福岡県 Queblick
- 2019年4月5日(金)宮城県 仙台MACANA
- 2019年4月12日(金)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
- 2019年4月21日(日)北海道 COLONY
- 2019年4月26日(金)愛知県 CLUB UPSET
- 2019年4月28日(日)東京都 TSUTAYA O-EAST
- 2019年5月5日(日・祝)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2019年5月17日(金)沖縄県 Output
- tricot(トリコ)
- 中嶋イッキュウ(Vo, G)、キダモティフォ(G, Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ(B, Cho)により2010年9月に結成される。2011年5月にサポートメンバーのkomaki♂(Dr)が正式加入。8月にライブ会場および通販限定で1stミニアルバム「爆裂トリコさん」をリリースし、11月には自主企画イベント「爆祭-BAKUSAI-」を初開催した。2012年5月には初の全国流通作品となる2ndミニアルバム「小学生と宇宙」を発売。継続的なリリースや、大型フェスなどへの出演、海外ツアーの開催など精力的に活動する中でkomaki♂がバンドを脱退する。その後も活動を止めることなく、サポートメンバーを迎えて2015年2月に4thシングル「E」、3月に2ndアルバム「A N D」を発売した。9月にバンド結成5周年を迎え、10月から翌2016年3月まで北米、日本国内、ヨーロッパツアーを実施。同年4月には2015年夏に実施したドラマーオーディションの応募者から選ばれた4名とともに制作した新作CD「KABUKU EP」を、2017年5月には3rdアルバム「3」を発売した。同年11月にはサポートドラマーの吉田雄介がバンドに正式加入。2018年5月からはアメリカ国内26都市を回るツアーをスタートさせ、ツアーに合わせて7inchアナログ「potage」をアメリカのTopshelf Recordsと日本のFLAKE RECORDSから発売した。2019年3月にミニアルバム「リピート」を発表。
- SiM(シム)
- MAH(Vo)、SHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)の4人からなる湘南で結成されたレゲエパンクバンド。2004年11月に結成され、数度のメンバーチェンジを経て2009年に現編成となる。2011年「KiLLiNG ME」のMUSIC VIDEOの視聴回数がインディーズバンドとしては異例の再生回数を記録。同曲を収録したアルバム「SEEDS OF HOPE」もスマッシュヒットを記録した。2013年、ユニバーサル・ミュージックに移籍し、シングル「EViLS」でメジャーデビューを果たす。その後も着実にリリースを重ね、2015年11月には日本武道館公演も完売させた。2016年4月には4thフルアルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」を発売。同アルバムのリリースツアーのグランドファイナルとして行った神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブは即日の完売となる。2017年9月には兵庫・ワールド記念ホールで対バン企画「THE EYEWALL NiGHT vol.1」を実施。12月にPlayStation4専用ソフトウェア「龍が如く 極2」のテーマ曲およびエンディング曲を収めた両A面シングル「A / The Sound Of Breath」を発表した。2019年6月には野外で5度目の開催となる主催フェス「DEAD POP FESTiVAL 2019」を開催する。