ナタリー PowerPush - T-Palette Records#2 - lyrical school
アイドルラップのトップを走る 生まれ変わった6本のマイク
今年1月にmarikoが卒業し、3月にhinaが加入したlyrical school。彼女たちが新編成での初のシングル「PARADE」をリリースした。プロデュースは「そりゃ夏だ! / おいでよ」「リボンをきゅっと」の前2作に続いてtofubeatsが担当。「自由な恋の力」をテーマにした、リリスクの新たな門出にピッタリのパーティラップに仕上がっている。
今回の特集ではシングルについての話題を軸に、結成時のエピソードや新メンバーhinaの裏話など、さまざまな事柄についてインタビュー。リリスクの6人それぞれが今考えていることをたっぷりと語ってもらった。
取材・文 / 橋本尚平 撮影 / 笹森健一
新メンバーhinaは熱くて努力家
──新メンバーのhinaさんが加入して、ほかの皆さんはどう感じました?
ayaka hinaが入ってきてから、お披露目ライブまで全然時間がなかったんです。なのに、覚えるのがすごく早くって。だから私たちにとってもすごくいい刺激でした。今はそれを1人でも多くのお客さんに早くわかってもらいたいです。お客さんもやっぱり不安だと思うので、新しいリリスクを観てもらって早く安心させたいですね。
mei 不安だったお客さんもいたと思うんですけど、でも一方で「お姉さんになったリリスクちゃんたちが観れる」って反応もありました(笑)。
erika 私たちはもう2年半やってきたからダンスの振りは身に付いてるけど、hinaがたくさんの曲を新しく覚えてる姿を見てると、自分たちもちゃんと引き締めなアカンなって思わされます。最近は「体が覚えてる」って感じで踊ってたダンスなのに、hinaに教えたことによって新たな発見があったり、もっとこうしたほうがいいかなって気付いたり。そういう意味でもすごくいい機会だったのかなって。
mei hinaが入ってくるまでの間に、5人だけでのライブも何度かやったんですよ。歌詞を割り振ったり、ダンスをちょっと変えたりして。でもやっぱり、その後6人でライブをしたときに「あっ、lyrical schoolは6人なんだな」って気持ちになりました。
ayaka 5人でやったときの声が、聴きなれない感じがしたんですよね。
mei あと、今からlyrical schoolを観るお客さんにとって、hinaが成長していく姿がわかるのは楽しいんじゃないかなと思います。私たちもデビューから今までの間に成長したと思うんですけど、それを今からhinaがまたスタートしてくれるっていう。
──それは確かにありますね。
yumi 私とamiは、ほかのメンバーより先にhinaと会って一緒にダンスレッスン会をしたんですけど、すごく前向きというか、努力家というか、これから楽しみだなってその初対面のときに思いました。
ami そうそう、hinaは努力家なんです。けっこう人見知りっていうか、見た目はすごく落ち着いてる子なんですけど、ダンスを教えてるときは負けず嫌いなんですよ。私たちに負けないくらいがんばりたいっていう、内に秘めた強い気持ちがあって、それをウチらに少しずつ出してくれるんで、実は熱い部分があるんだなって最近わかってきました。
──ちょっと意外な一面かもしれませんね。
ami スタッフさんから「元気でめっちゃいい子だよ」って紹介されたんですけど、私も第一印象は「静かな子なのかな」でした。なんですけど、ダンスは振りが大きくて激しいから「あっ、イメージと全然違う」って。前向きで、「もっともっとがんばりたいです」って言葉にして言ってくれるんで、私も教えてて楽しかったですね。
みんなヒップホップダンスのことだと思ってた
──hinaさんはリリスク加入以前に何をやっていたんですか?
hina 芸能スクールに1年間通ってました。ラップはやったことなかったです。歌やダンスは好きなんですけど、あんまり得意とかではないです。でも、やるなら難しいことをやりたいなって思ってました。
──どんな音楽が好きなんですか?
hina J-POP全般ですね。いろんな曲を聴くのであんまりこだわりはないです。特にラップばかり聴いてたわけではないです。
──そうだったんですか。ちなみにほかの皆さんはどうだったんですか? ラップが好きで、やってみたくてメンバーになった人はいるんですか?
mei 今のメンバーにはいないですね。卒業したmarikoはヒップホップ聴いていたんですけど。
ayaka みんな初心者でした。
yumi というか、ヒップホップのグループだとは言われてたんですけど、みんなそれぞれ思い浮かべてた「ヒップホップ」が違ってて。
ayaka 結成した後で「あー、ラップだったんだー」みたいな。
──え? じゃあ何を思い浮かべてたんですか?
ayaka ヒップホップダンスのことだと思ってたんです。
ami 私もダンスでしたね。もともとダンスを習ってたんで、私の中では「ヒップホップ=ダンス」だったんですよ。だから加入が決まってからラップって言われて、ちょっとびっくりしました。私は滑舌が悪いし、最初は「歌えない、できない」って思ったんです。でも曲を聴いてみたらすごく良かったので、予想していたものとは違ったけどがんばってみようって思えました。
- ニューシングル「PARADE」 / 2013年5月15日発売 / T-Palette Records
- 初回限定盤[CD] / 1500円 / TPRC-0041
- 通常盤[CD] / 1000円 / TPRC-0042
初回限定盤収録曲
- PARADE
- tengal6 take2
- S.T.A.G.E feat 深瀬智聖(from LinQ)
- PARADE(inst)
- tengal6 take2(inst)
- S.T.A.G.E feat 深瀬智聖(from LinQ)(inst)
通常盤収録曲
- PARADE
- tengal6 take2
- PARADE(inst)
- tengal6 take2(inst)
- BACK NUMBER
- #1 アップアップガールズ(仮)
- #2 lyrical school
- #3 Negicco
- #4 所属アイドル座談会
T-Palette Records
タワーレコードが発信するアイドル専門レーベルとして2011年6月に設立。以降、立ち上げ時からのメンバーであるバニラビーンズ、Negiccoをはじめ、LinQ(2013年4月にメジャー移籍)、しず風&絆~KIZUNA~、lyrical school、ライムベリー、アップアップガールズ(仮)といった楽曲に定評のあるアーティストが数多く参加し、タワーレコードならではの“音”にこだわった作品が続々とリリースされている。またレーベル主催イベントの開催や、全国各地のアイドルグループを紹介するコンピレーションCDの販売など、アイドル文化の活性化に大きく貢献している。
lyrical school(りりかるすくーる)
「清純派ヒップホップアイドルユニット」というコンセプトのもとオーディションで選ばれた、ami、ayaka、erika、mariko、mei、yumiという6人のラッパーにより2010年に結成。「tengal6」というユニット名で活動し、ハイクオリティな楽曲と「アイドルラップ」という特異なスタンスで大きな支持を集めた。2012年にタワーレコードのアイドルレーベル・T-Palette Recordsに移籍し、それを機にユニット名を「lyrical school」へ改名。tofubeatsプロデュースによるシングル「そりゃ夏だ! / おいでよ」「リボンをきゅっと」をリリースした。2013年1月にmarikoが卒業し、同年3月にhinaが加入。5月には新編成第1弾シングルとなる「PARADE」を発表した。
2014年2月12日更新