戸松遥|カラフルに染まった10年間、そしてその先へ

戸松遥が5月2日にニューアルバム「COLORFUL GIFT」をリリースする。

2008年にソロアーティストとして活動を開始し、今年でソロデビュー10周年を迎えた戸松。彼女が約3年2カ月ぶりに発表するオリジナルアルバムには、戸松らしい明るくポップなナンバー「オレンジレボリューション」をはじめとした全12曲が収録される。音楽ナタリーでは、アニバーサリーイヤーにパワー全開で走る彼女にインタビューを実施。今作に詰め込まれた戸松のこだわりや表現について、話を聞いた。

取材・文 / 須藤輝 撮影 / 草場雄介

やりすぎるくらいがちょうどいい

──「COLORFUL GIFT」はアーティストデビュー10周年という節目の年にリリースするアルバムになりますが、戸松さんは以前インタビューでデビュー5周年の際に自分でアニバーサリーイヤーだということに気付いていなかったとおっしゃっていましたね(参照:戸松遥 ベストアルバム2枚同時発売記念インタビュー)。

戸松遥

あはは(笑)。そうでしたね。ファンの方からお花が届いて「あ! そう言えば!」ってなったという。

──だから、わりとアニバーサリー意識が薄い方なんだなと。

でも10年目は私もしっかりと自覚していて、自分からグイグイ主張したんですよ。今年アルバムを出せることになって、どういう曲を歌いたいかという会議をしたときに「今年って、私のデビュー10周年じゃないですか」って。そしたらスタッフさんたちが3秒くらいフリーズして「ああ、そうでしたねえ」となったんですけど(笑)。

──ははは(笑)。

今回のアルバムは10周年記念作と銘打っているわけではないんですけど、それでも節目の年に出せるので、自分のやりたいことを詰め込んでもいいんじゃないかなと。その会議でも「やりすぎるくらいがちょうどいいんじゃないですか?」と熱弁した記憶があります。

──ということは、アルバムには戸松さんの意向が大きく反映されている?

はい、かなり!

ライブでみんなと踊りたい

──実際、ものすごく戸松さんっぽいアルバムに仕上がっていると一聴して感じました。1曲目、戸松さんのイメージカラーであるオレンジをタイトルに冠した「オレンジレボリューション」からして、音源を再生して1秒で「あ、戸松さんだ」とわかるアッパーなポップチューンになっています。

「オレンジレボリューション」はリード曲でもあるので、聴いた瞬間に「これはもう絶対楽しい曲だ!」と思ってもらえるような曲がいいなと。今回のアルバムに収録された新曲は基本的にライブを想定して作っていて、この曲は「ライブでみんなと踊りたい」という発想から生まれた楽曲なんです。だからとにかく明るく元気よく、「踊ろうよ!」というメッセージを全面的に打ち出したかった。ただ「明るく元気よく」だけでは物足りないと思ったので、それプラス“面白い”という要素も入れました。

──ミュージックビデオもコミカルですよね。お堅いオフィスでOLに扮した戸松さんが同僚にアロハシャツを配って、みんなで踊り出すという。

そうなんですよ。今回は楽曲だけではなく、ジャケットやミュージックビデオも自分発信の企画が通ったと言うか、私のやりたいことを周りの方々が汲み取ってくださったんです。たとえばこのMVでは、私1人だけじゃなくて大人数で踊って、歌詞にある「Hey Joy! Enjoy!」という言葉を映像で伝えたいなと思って。やっぱり数の力ってあると思いません? 人がいっぱいいると、それだけで楽しくなっちゃうみたいな。

──わかります。最後のほうでは会社の役員みたいなおじさんたちも踊っていましたね。

そうそう。年齢も性別も関係なくみんな踊っちゃう。その舞台にオフィスを選んだのも、絶対に踊っちゃいけないシチュエーションで踊りたかったと言うか、そういうギャップがあったら面白いなと思ったんですよね。カットもなるべく長回しで撮ってミュージカル映画っぽくしたいという私のリクエストを形にしていただきました。

1番と2番で歌声が別人に

──「オレンジレボリューション」のレコーディングに関してはいかがでした?

「楽しかった!」のひと言に尽きますね。こういう曲を歌うと自分も元気が出てくるし、その“楽しい”という気持ちを歌声に乗せたいなと思いました。やっぱりアップテンポの曲って自分が楽しまないと、そのニュアンスが声に乗らないんですよ。なので終始エンジン全開で歌わせていただきました。ただ、これは戸松遥あるあるなんですけど、エンジンが温まるのにちょっと時間がかかって、あとに録ったテイクのほうがいいことが多いんです。

──意外とスロースターターなんですね。

もちろん日によっては最初から調子がいいときもあるんですけど、この「オレンジレボリューション」に関しては、ひと通り録り終わって、1番と2番をつなげて聴いてみたら歌声が別人になっていて(笑)。

──つまり1番は序盤に録ったテイクが採用されていたと。

そうなんです。だから「今のテンションでもう1回歌わせてください」と言って、1番を録り直しました。

──今回の新曲の作詞はすべて古屋真さんが担当なさっていますが、この「オレンジレボリューション」に限らず、どの曲の歌詞もすごく戸松さんっぽいですよね。

言われてみれば私っぽいなって、取材で言っていただいて初めて気付きました。古屋さんとは長いお付き合いになるし、たぶん古屋さんの中で私のイメージがきちんと定まっているので、何もリクエストしなくても私のことを書いてもらえるんだと思います。

戸松遥「COLORFUL GIFT」
2018年5月2日発売 / ミュージックレイン
戸松遥「COLORFUL GIFT」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3600円 / SMCL-536~7

Amazon.co.jp

戸松遥「COLORFUL GIFT」通常盤

通常盤 [CD]
3100円 / SMCL-538

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CD収録曲
  1. オレンジレボリューション
  2. モノクロ
  3. 痛快!ロマンチッカー(余裕SharkShark mix)
  4. 約束♥ダーリン
  5. シンデレラ☆シンフォニー
  6. Marble
  7. Two of us
  8. あなたの幸せに私がなれるなら
  9. STEP A GO! GO!
  10. Boom Boom Typhoon!
  11. 有頂天トラベラー
  12. 色彩日記
初回限定盤DVD収録内容
  1. 「オレンジレボリューション」 Music Clip
  2. Album「COLORFUL GIFT」TV SPOT 15sec+30sec

ツアー情報

戸松遥「LAWSON presents戸松遥 5th Live tour 2018 ~COLORFUL GIFT to YOU~」
  • 2018年7月28日(土)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2018年7月29日(日)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2018年8月11日(土・祝)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2018年8月12日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2018年8月18日(土)東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年8月19日(日)東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年9月8日(土)東京都 中野サンプラザホール
  • 2018年9月9日(日)東京都 中野サンプラザホール
戸松遥(トマツハルカ)
戸松遥
1990年2月4日、愛知県生まれの声優アーティスト。2005年10月に行われた「第1回ミュージックレインスーパー声優オーディション」の合格をきっかけに声優としての活動をスタート。2008年9月にはシングル「naissance」でソロアーティストとしての活動を始め、2009年2月には同じミュージックレインに所属する寿美菜子、高垣彩陽、豊崎愛生とともに声優ユニット・スフィアを結成した。以降はソロとスフィアを並行して精力的に活動し、CDリリースとライブを重ねる。2016年6月には初のベストアルバム「戸松遥 BEST SELECTION -sunshine-」「戸松遥 BEST SELECTION -starlight-」を2枚同時にリリース。同年8月よりベストアルバムを携えてのライブツアー「LAWSON presents 戸松遥 BEST LIVE TOUR 2016~SunQ&ホシセカイ~」を行った。2018年5月に約3年2カ月ぶりのオリジナルアルバム「COLORFUL GIFT」をリリース。本作を携えて、7月よりライブツアー「LAWSON presents戸松遥 5th Live tour 2018 ~COLORFUL GIFT to YOU~」を開催する。

2018年5月2日更新