みんなが決めたこの順位ごと聴いてほしい

──両アルバムには、それぞれファン投票で選ばれた上位15曲が収録されているわけですが、この結果には納得ですか？

納得ですね。というか、正直自分では選べなかったんですよ。私にとってはどれも思い入れのある大事な曲だし、かと言ってスタッフさんに選んでもらうのも違うし。で、私の8年間の集大成を軽く決めてはいけないなって考えたとき、当たり前なんですけど、今の私があるのは応援してくださっているファンの方々のおかげなので、じゃあ「ここはみんなに決めてもらおう！」と。

──結果、非常にバランスのいい選曲になったと思います。

きっとどの曲が入っててもうれしかったと思うんですよ。投票数の中間発表を見てるときも「おおー、みんなこの曲を好きでいてくれてるのか！」って素直にはしゃいでましたし。ただ、もうちょっと選曲が偏るかなとも思ってたんです。例えば古い曲に票が集中するとか、その逆とか。でもそんなことはなくて、しかもシングルの表題曲ばかりじゃなく、カップリング曲やアルバムにしか入ってない曲も選ばれていて。皆さん満遍なく聴いてくださっているのが感じられる結果になりました。

──よくある「シングルA面集」みたいになっていないし、曲順も単純に第15位から第1位まで順に、いわばカウントダウン形式で並べただけなのに、両アルバム共実にいい流れですよね。

ねー。収録曲が決まったあとに、曲順は並び替えていいって言われたんですけど、みんなが決めてくれたこの順位を私がいじる必要があるのかなと思って。どうせならこの順位ごと聴いてもらおうと、そのままにしました。

「starlight」の順位はまったく予想がつかなかった

──では、それぞれ第1位に選ばれた曲、すなわち「sunshine」の「Q&Aリサイタル！」（2012年10月発売）と、「starlight」の「ユメセカイ」（2012年7月発売）については、予想通りでした？

「sunshine」のほうは、上位5～6位くらいまでは予想通りというか、今年の3月の「スフィアフェス」（「LAWSON presents Sphere Fes. 2016」）で歌った楽曲ばっかりだったんですよ。なので、「あ、歌ってよかったな」と（笑）。

──図らずもファンの期待に応えられていた。

はい。「戸松の盛り上がる曲ベスト5」みたいな、ライブでは定番になりつつある曲なので、上位に入っていたのはうれしかったですね。特に「Q&Aリサイタル！」は、最初から最後まで不動の1位で、その順位の変わらなさにちょっと感動しました（笑）。

──おっしゃる通り「sunshine」の10曲目以降はキラーチューン連発で、「ちょっと休ませてください」って思ってしまうほどアガりっぱなしですね。では「starlight」のほうは？

正直、まったくわからなかったです。1位どころか、何が15位以内に入るかも。どの曲が入ってもおかしくないと思っていたので、中間発表のときに「ほほう、『ユメセカイ』なんだ。なるほどー（しみじみ）」みたいな。なので「starlight」のほうが、よりドキドキしながら順位を見守ってましたね。

「太陽」に対して、「月」ではなく「星」

──アルバムタイトルについて、「sunshine」に対して、「moonlight」ではなく「starlight」であるというのがとても戸松さんらしいなと思ったんですよね。要するに、月は太陽の光を反射して輝いているんですけど、恒星は自らエネルギーを放出して輝いている。

ああー！ 確かに！ そうなんです、最初は太陽と月にしようって話だったんですけど、なんとなく月よりも星のほうが自分ぽいなって。それは今おっしゃったような理屈とかは抜きに、ただなんとなく。

──「starlight」には、王道的なバラード曲だけでなく、「マリラレルラ」（2015年3月発売の3rdアルバム「Harukarisk*Land」収録曲）や「Circle」（2010年2月発売の1stアルバム「Rainbow Road」収録曲）、「Baby Baby Love」（2010年11月発売）といった軽快なミディアムチューンも収録されていますよね。それらがいいアクセントになっていて、かつ“陽”の要素も感じられて。

だから私は星にしたがったのかな。月だと、もうちょっと陰があるというか、ミステリアスな感じがするんですけど、星は純粋にキラキラしてるようなイメージがあったので。