最初に女子流ちゃんたちに会ったのは、2010年初めの名古屋のCBCラジオのイベントです。そこに私たちとデビュー前の女子流ちゃんと、まだ4人だった頃のスマイレージ……今思えば神イベントですね（笑）。そのときはまだ女子流ちゃんのことを知らなかったんですけど、会場に来ていたバニビのファンの方が「エイベックスがすごいグループを始めた」って噂してたんです。私たちもまだ3年目ぐらいでしたけど、そこで女子流ちゃんとスマイレージを観て「ヤバいぞこのアイドル業界、これからどうなっていくんだ」と興奮したのを覚えています。

そのあと女子流ちゃんは5月5日にデビューして、その年の夏に1回目の「TOKYO IDOL FESTIVAL」があったんですよね。記者会見（参照：注目アイドルが品川に集結！日本最大のアイドルフェス開催）には、ひーちゃん（新井ひとみ）と（山邊）未夢ちゃんが来てたのかな。2人ともすごく小さくて、台に上っても私たちに届かないぐらいで（笑）。たぶんTIFの前夜祭でステージを観たあとから私は「東京女子流ちゃんが好きです」って公言するようになったと思います。そこから毎年TIFでは一緒だったけど、TIFのフィナーレは遅い時間だから女子流ちゃんは年齢制限で出られないんですよね。だから代わりに私が女子流ちゃんのタオルを持って振ってました。告知のチラシも配ってましたね（笑）。だってあんなにがんばってるのにフィナーレのメインステージには出られないから、だったら私が宣伝しようって。女子流ちゃんのスケジュールは頭にインプットして、いつでも宣伝できるように。

そうこうしているうちに、私たちの3rdアルバムでコラボすることになって（2012年11月発売のアルバム「バニラビーンズIII」収録曲「もうすぐトライアングル feat. 東京女子流」）。スタジオではひーちゃんがずっと「お腹すいたー」って言ってたのを覚えてます。やっぱり胃袋をつかむと女の子は懐いてくれるから（笑）、みんなにケーキを買ってきて。いつもライブの楽屋に行くときには手土産を持っていくんです。この前のベストアルバム（2015年5月発売「1st BEST ALBUM キラリ☆」）のリリースイベントも、1日3公演で外に出られないし大変だろうと思ってポップコーンを持って行ったら、みんな子供のように喜んでくれて（笑）。今も変わらず保母さんのように、お母さんのように慕ってくれていますね。

あの子たちはいい意味で何も変わってないし、なんだろう……不思議と大人を巻き込む力があるんですよ。大人を惹き付ける力。アイドルってやっぱり5年ぐらいを境に、メンバーがバラバラになったり、活動が終わってしまったりすることが多いんですよ。でも女子流ちゃんたちは“アーティスト宣言”をすることで、もっと先を見据えて行こうと周りの大人たちが判断したんじゃないかなって。ファンに対する一番の裏切りって、いなくなることだと思うんです。5人を守ろうとしている、ファンを裏切りたくないと思っている大人たちが周りにいるのは、すごく心強いことなんだよって。本当に愛されて育ってきたグループだなと思いますね。

これからのこと……勝手な望みなんですが、5人としてまとまっている東京女子流もすごく大事だけど、もっと1人ひとりがわがままを言ってもいいと思うんですね。その先陣を切って一番成長したのが未夢ちゃんだと思うんです。いろんなしがらみから逃れて、いい意味ではっちゃけたなって。それが個性になったし、結果的にグループとしての強みにもなっていると思うんです。