人の悲しみに寄り添える歌詞を

──カップリングには自身初の作詞曲「Blame the Moon」が収録されます。最初にトラックを聴いたときはどうでしたか？

アップテンポな楽曲に仕上がっているのですが、夜に聴きたくなる楽曲だなって思いました。私自身がそういう曲を好んで聴いてるというのもあるんですが、人の悲しみに寄り添うような歌詞を付けたいなって思いました。

──タイトルを直訳すると「月のせいにする」という意味ですよね？

はい。自分の感情をなんでも何かのせいにしたくなるときってあると思うんです。例えば夜になると、月を見ながら感傷に浸ったり。だから月を題材にしようかなと。自分も月が好きですし、ロゴも月ですしね（笑）。「Blue Bud Blue」が女の子の強い部分を描いた歌詞だったので、カップリングは女の子のちょっと弱い部分を表現してみました。

──レコーディングはこれからなんですよね？（取材は6月中旬に実施）

そうです。自分で作詞した曲をレコーディングするのは初めてなので、果たしてどうなるか……未知のゾーンですね。歌いながら、「やっぱここ変えよう」って歌詞を直したくなったりするかも（笑）。

──自分の歌詞だからこそ、あるかもしれないですね。初めての作詞作業は全体的にどんな手応えでしたか？

書きたいことがあっても言葉がメロディにハマらなくて別の言葉に変えたり、そういうのが難しかったです。一度書き上げたものをプロデューサーさんに見てもらって、そこから何度か修正して、完成までに約1カ月かかりました。すごく苦戦したので、プロの作詞家さんはすごいなって最近ずっと思ってます（笑）。

──今後書いてみたい歌詞のテーマはありますか？

私の声って、曲のテンポがアップでもスローでも「悲しい感じがするね」って言われることが多いんです。だからそれを生かしてじゃないですけど、これからも人の悲しみに寄り添える歌詞を目指して書いていきたいです。

──東城さんの歌って、抜群の安定感と情感あふれる表現力がとても高校生とは思えないなって。元気なアップチューンから悲しみを表現したような曲まで、これからも幅広い歌を歌っていけそうですね。

ありがとうございます。自分でも「私の年齢を知っている人はどれくらいいるのかな？」ってときどき気になりますし、歳を言うと驚かれることが多いです。

──そりゃそうだと思いますよ。

自分では、普段からこの歌い方が普通なので、年齢と歌のギャップがよくわからなくて（笑）。まだまだ発展途上なので、頑張っていきたいです。

──現段階での歌の課題ってあるんですか？

表現をもっと細やかに、わかりやすくしたいです。ときどき演技するように歌う曲があってもいいと思うし、皆さんに伝わる歌を届けたいです。

ラストJKの夏の計画

──この夏のお話も聞きたいのですが、今年は高校生最後の夏ですね。

ラストJKです。はあー。ちょっと悲しいですね。

──友達と海に行くとか、夏らしい計画はありますか？

遊園地に行って、ジェットコースターに乗りたいです。

──ジェットコースター、好きなんですか？

好きなんですけど、行くと「乗れない乗れない！」ってビビって乗らないことが多いんです。だからこの夏は、怯えずちゃんと乗るのが目標！っていう。

──そういうことなんですね（笑）。

はい。よくYouTubeとかで誰かが乗りながら撮ったやつを観てるんですけど、いざその場に行くと、どうしてもビビっちゃう。特に屋内型の遊園地だと、周りの壁やレールの鉄骨とかに当たりそうで怖いんですよね。絶対当たらないようになってるとは思いつつも（笑）。

──わかります。「当たるー！」って思っちゃいますよね（笑）。では最後に2017年下半期の意気込みをお願いできますか？

一番はもっと多くの人に東城陽奏を知ってもらいたいです。アニメ「捏造トラップ」を通して1人でも多くの人に「Blue Bud Blue」を聴いてもらえたらと思うし、この曲から「捏造トラップ」にたどり着く人がいてもすごくうれしい。これからも私の存在を皆さんに知っていただけるようがんばりたいです。