ナタリー PowerPush - T.M.Revolution

20周年に向かう覚悟と賛否両論ツアーの裏側

20周年にどういう姿で立っていたいか

──今後についても聞かせてください。2016年に迎えるデビュー20周年を見据えて活動していくということを、西川さん自身ライブなどですでに公言していますよね。でも正直ちょっと気が早いんじゃないかという気もするんですが……。

あははは(笑)。

──今から早々に予告しているのは何か意図があってのことなんですか?

まあそう思われますよね(笑)。深読みして「20周年で終わる気なんだな」って言ってる人もいますからね。

──えっ!

「お、なかなかいいとこ突いてるじゃない」って思いますけど(笑)。でもまあそこらへんは自由に想像してもらっていいんです。ただ自分の中で20周年は10周年とは違った、もっと大きな節目になるだろうなっていうのは思ってます。

──今振り返って10周年は西川さんにとってどういう位置付けでした?

あのタイミングでバンド(abingdon boys school)を始めたり、音楽以外の仕事にも積極的に取り組むようになったり。自分の表現のアウトプットを複数持つようにした時期ですよね。で、それによって人間関係や周りを取り巻く環境も大きく変わった。その経験が大きかったので、だからこそ20周年のタイミングは自分がどういう姿で立っていたいのかっていうことをきちんと意識しながらそこに向かっていきたくて。だからここからの2~3年は今まで以上に覚悟を持って進んでいくつもりです。

T.M.R.とa.b.s.の優先順位

──2011年、15周年のタイミングからT.M.Revolutionとしての活動が再び活発化して、それ以降西川さんの軸足がT.M.Revolutionにある状態が続いていると思うんですが。

そうですね。

──それはどういう理由で?

T.M.Revolution

いや、そこは自分の中では単にタイミングの問題なんですよ。T.M.Revolutionとバンドを比べてどっちが大事みたいな優先順位は自分の中ではないんです。ただここ数年はやっぱりT.M.Revolutionとしての露出が多かったし、T.M.Revolutionというキャラクターに興味を持っていただく場面が最近また増えてきてるっていうのもあって。

──じゃあ意識的にT.M.Revolutionに注力しているわけではないんですね。

確かにT.M.Revolutionとしての西川を見てもらう機会のほうが今は圧倒的に多いですけど、バンドについても始めた以上責任を持ってやり続けるので。実はバンドメンバーで集まってプリプロしたり曲出ししたりっていう活動は、コンスタントにずっとやってるんです。だから聴いてもらいたい曲もたくさんあって。

──じゃあT.M.Revolutionが20周年に向かう活動の中で、abingdon boys schoolがまた活性化するタイミングもあるかもしれない?

と思ってます。特に今年はすごく動かしたくて今ずっと調整し続けてて。ただバンドはやっぱり4人揃わないと動けないぶん機動力は落ちるんですよね。自然な流れで活動していければと思ってます。

──T.M.Revolutionでの今年の活動予定は見えてるんでしょうか?

当面は制作とか進めつつ、準備の年みたいな感じも自分の中ではあって。今は20周年に向けていろんなことを仕込んでいけたらと思ってますね。

世界を変えるために何ができるのか

──お話を伺っていると、西川さんの今後のアクションがますます気になってきますね。

あの、自分の中ではミュージシャンとか表現者としてっていうだけじゃなく、もっと大きな使命がある気がしていて。例えば「イナズマ」での地域貢献だったり。なんというか、世界を変えるために何ができるのかっていう。

──世界を変える?

それだけ聞くと「バカなんじゃないの?」って思われるかもしれないけど(笑)、でも真剣に考えてて。突然「世界」とか言うから驚かれるんですけど、例えばうちの地元のことを考えれば、僕自身あのイベントを通じて行政とも協力し合って、少しでも地域を変えることができたと思ってるんです。あとはその規模を広げていくだけなんですよ。これを一歩ずつ進めていけば、日本を変えて、さらには世界を変えることだってできるんじゃないかって。

──そう考えると、まるっきり夢物語というわけでもなさそうですね。

と、僕は感じてるんですけどね。まずはT.M.Revolutionの20周年に向けてがんばりますよ。いろいろ考えてるので、ぜひ楽しみにしていてください。

2013年に行われた全国ツアー「T.M.R. LIVE REVOLUTION'13 -UNDER II COVER-」の様子。
T.M.Revolution | SCANDAL スプリットシングル「Count ZERO | Runners high ~戦国BASARA4 EP~」 / 2014年2月12日発売 / EPICレコードジャパン
初回限定盤 [CD+DVD] / 1800円 / ESCL-4156~7
通常盤 [CD] / 1223円 / ESCL-4158
CD収録曲
  1. Count ZERO
  2. Runners high
  3. Count ZERO (Instrumental)
  4. Runners high (Instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
  • T.M.Revolution | SCANDAL 平成ガチBATTLE ~乃木坂の戦い~
ライブDVD / Blu-ray「T.M.R. LIVE REVOLUTION'13 -UNDER II COVER-」 / 2014年2月12日発売 / EPICレコードジャパン
「T.M.R. LIVE REVOLUTION'13 -UNDER II COVER-」
DVD2枚組 / 5800円 / ESBL-2347~8
Blu-ray Disc / 6800円 / ESXL-40
初回生産限定盤 豪華三方背BOX 28Pフォトブックレット付き
T.M.Revolution(てぃーえむれぼりゅーしょん)

1970年滋賀県生まれの西川貴教によるプロジェクト。1996年5月にシングル「独裁-monopolize-」でメジャーデビュー。キャッチーな楽曲と圧倒的なライブパフォーマンスで人気を集め、「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」などのヒット曲を連発する。2008年には「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、翌2009年から滋賀県初となる大型野外ロックフェス「イナズマロック フェス」を連続開催。その他、司会・俳優など幅広い分野にて精力的に活動を展開している。2013年には水樹奈々とのコラボシングル「Preserved Roses」「革命デュアリズム」を発表し同年末の「NHK紅白歌合戦」にも出演。2014年2月にPS3用ゲーム「戦国BASARA4」のオープニングテーマとなる新曲「Count ZERO」をリリース。