ナタリー PowerPush - tieemo
BIGMAMA×Choir touched teras chord エモとThe Get Up Kidsを語る
11月9、10日に埼玉・所沢航空記念公園で新たな音楽フェス「tieemo」が開催される。主催は5人組バンドChoir touched teras chord(クワイアー・タッチド・テラス・コード)のドラマー大橋賢が代表を務めるイベント運営会社smoothrain LLC。「tieemo」は1990年代後半から2000年代初頭にかけて盛り上がり、今またリバイバルの気運が高まりつつあるエモをテーマに掲げ、その代表にして伝説的な米国バンドThe Get Up Kidsが両日のトリを務める。9日は1stアルバム「Four Minute Mile」、10日は2ndアルバム「Something To Write Home About」を中心としたセットリストでライブを行う予定だ。さらにはBIGMAMAやHUSKING BEEといった国内バンドも出演。このフェスの全貌とエモというジャンルについて、Choir touched teras chordの大橋賢と鈴木将太、BIGMAMAの金井政人と柿沼広也に語ってもらった。
取材・文 / 小野田雄 撮影 / 梅木麗子
「tieemo」にThe Get Up Kidsが出演するまで
──まず今回初開催となる音楽フェス「tieemo」についてご説明いただけますか?
大橋賢 2011年に埼玉・所沢航空記念公園で「funte neon」っていうフェスを共催したことがあるんですけど、もっと大きなフェスをやろうという話になって。そこでChoir touched teras chordが大きな影響を受けているエモバンドを海外から呼んだら、みんな興味を持ってくれたり、いろいろなバンドが出演してくれたりするんじゃないかなっていう発想になったんです。
──それでThe Get Up Kidsにオファーを?
大橋 最初は去年再結成したTexas Is The Reasonというアメリカのエモバンドを呼ぼうと思ってエージェントにコンタクトを取ったんですけど、日程が合わなくて。でもそのエージェントからの紹介がきっかけでThe Get Up Kidsを手掛けているエージェントと出会い、彼らに声をかけました。当初の想定よりハードルはかなり上がったものの、あれよあれよという間に来日が決まった感じですね。
──そしてThe Get Up Kidsの出演が決まり、フェスが始動してBIGMAMAにオファーをしたと。
大橋 そう、BIGMAMAは絶対にThe Get Up Kidsが好きだと思ったんですよね(笑)。あと今回の出演者に声をかけるときは自分たちのつながりをたどっていくというルールを設けていたんですね。それで僕が10年くらい前にやってたバンドのメンバーがちょうど今BIGMAMAとレーベルメイトで。onsaのたかぼー(岡崎孝和)なんですけど。それでたかぼーに「BIGMAMAってThe Get Up Kids好きだよね? どうやってイベントに誘ったらいいかな?」って電話して、BIGMAMAにつないでもらいました。
金井政人 マネージャーからオファーの話を聞いたとき、最初は「ホントかな?」って思いました(笑)。僕らからしたらThe Get Up Kidsは青春時代に影響を受けたバンドだし、当時ライブを観ることができなかったぶん神格化しているところがあったので。ただ今のBIGMAMAはどんなイベントに出ても恥ずかしくないバンドになったという自負があるので、ぜひやりたいとお返事させていただきました。
柿沼広也 僕はライブの話をもらうちょっと前にTwitterでThe Get Up Kidsが来日するという情報を知ったんです。しかも開催地の所沢航空記念公園は僕の地元の川越から近くて、よく遊びに行っていたところだったので余計に驚いて。ちょうどBIGMAMAのツアー中だったので車で移動中に興奮しながらメンバーに話してたら、運転席にいたマネージャーから「実はそのライブに誘われてるんだよね」って聞かされてまた驚いたっていう(笑)。
金井 僕たちとしては仮に出演の話がなかったとしても、客として観に行っていたかもしれないっていう、それくらいThe Get Up Kidsの来日はインパクトのあるものだったんです(笑)。
The Get Up Kidsとの出会い
──BIGMAMAの2人がThe Get Up Kidsの音楽と出会ったのはいつ頃ですか?
柿沼 僕は高校生のときに2ndアルバム「Something To Write Home About」に入っている「Holiday」っていう曲を友達に聴かせてもらって「ああ、スゲえ」って思ったのが最初ですね。でもハマっていったのは大学生になって自分たちで曲を作るようになってからでした。大学時代は常に聴いてました。
金井 僕は柿沼と同じ時期に同じ音楽を聴いて同じ青春を過ごしているので、基本的に彼と同じですね。ただ僕がThe Get Up Kidsを聴くようになったのは洋楽を好きになった最初の時期なので、よりインパクトが残っているんです。今まで邦楽しか知らなかった人間が言語を飛び越えて洋楽をカッコいいと思えた瞬間って、それだけでも特別じゃないですか? CDショップのポップで「エモ」って書かれているのを見て「エモってなんだよ? エモーショナル……感情的って、音楽は全部感情的なものなんじゃないの?」って思いつつ、エモと呼ばれるいろんなバンドのアルバムを聴いていたら、そのムーブメントが丸ごと好きになっていた感じですね。だからあまり認識されてないかもしれないけど、今のBIGMAMAはエモの要素がちゃんとあると思っていますし。
大橋 僕はBIGMAMAにはエモの要素を強く感じたので、今回オファーさせてもらったんですよね。
──ではChoir touched teras chordがThe Get Up Kidsと出会ったのは?
鈴木将太 僕はこのバンドで一番若いんですけど、2007年に大学に入学してバンドサークルに入ったらそこにいる人たちがみんなエモ好きだったんです。そんな環境の中、エモのルーツを掘り下げていったらThe Get Up Kidsにたどり着きました。自分にとっては青春のバンドですね。
──The Get Up Kidsは1995年結成で解散が2005年ですよね。だから鈴木さんはリアルタイムで聴いていたわけではなく、エモというジャンルに傾倒した結果出会ったんですね。
大橋 僕は渋谷CLUB QUATTROでやった2000年の初来日公演を観ているのでリアルタイムです(笑)。僕とぜんさん(鈴木)は9歳も離れているのにエモに対する思いは共通するものがあるんですよね。いい意味で時代が止まってるんじゃないかって思うくらい、エモっていう音楽は今の10代、20代のバンドに影響を与え続けていると思うんですよ。
tieemo
- tieemo
- 2013年11月9日(土)、10(日)
埼玉県 所沢航空記念公園野外ステージ
OPEN 10:30 / START 11:30 / END 17:00(予定) - 1日券:5700円 2日通し券:9800円
※小学生以下入場無料
<出演者>
- 2013年11月9日(土)
- The Get Up Kids / Predawn / HUSKING BEE / avengers in sci-fi / グッドモーニングアメリカ / LAST ALLIANCE
- 2013年11月10日(日)
- The Get Up Kids / BIGMAMA / 武居創(ex.OCEANLANE) / cinema staff / Choir touched teras chord / the band apart
tieemo project Pre Party
The Get Up Kids JAPAN tour 2013
Osaka / Nagoya
- 2013年11月6日(水)
- 大阪府 大阪BIG CAT
OPEN 18:00 / START 19:00 - <出演者>
The Get Up Kids / Choir touched teras chord / and more - 2013年11月7日(木)
- 愛知県 BOTTOM LINE
OPEN 18:00 / START 19:00 - <出演者>
The Get Up Kids / HUSKING BEE / Choir touched teras chord
BIGMAMA(びっぐまま)
金井政人(Vo, G)、リアド偉武(Dr)、柿沼広也(G, Vo)、安井英人(B)、東出真緒(Violin)からなる5人組バンド。2002年に東京・八王子で結成され、メンバーチェンジを経て現在の編成に。2006年7月にミニアルバム「short films」をUKプロジェクト傘下のレーベル・RX-RECORDSから発売した。2013年3月に5thアルバム「君想う、故に我在り」と、初のビデオクリップ集「母子手帳 2006-2012」を同時リリース。4月からは全国ツアー「BIGMAMA Tour 2013“ライブ・イズ・ミルフィーユ”」を開催。「父の日」にあたる6月16日の公演では“BIGPAPA”と名前を変えて披露した一夜限りのスペシャルステージが話題に。8月には10thシングル「alongside」を発表。11月1、3、4日に東京・赤坂BLITZにて、過去の作品を余すところなく演奏するライブイベント「We Don't Need a Time Machine」を開催。
Choir touched teras chord
(くわいあーたっちどてらすこーど)
田島祐貴(Vo, G)、矢巻孝仁(G, Cho)、鈴木将太(G,Cho)、彦田真典(B)、大橋賢(Dr)による5人組エモバンド。通称“ちょいあー”。onsaの岡崎孝和(Vo, G)が在籍していたバンドLet your sprit soarの中心人物である大橋を中心に2010年に結成された。2011年4月に自主制作3曲入りCD「The Sprout of radiant melodies」を発表し、2013年8月には1stミニアルバム「pm / fm」をリリースした。